容赦なく近づいてくる日本に戸惑う焚火の男。
さあ、あとは成田に一直線。
長い旅(10日間だけどね)が終わります。
ではさっそく!
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搭乗手続きを済ませゲートをくぐる。
機内に乗り込み自分の席をみつけた。
通路側である。
ヨシッ!
ナタリー・ポートマンが来ても、
ジェシカ・アルバが来ても、
ぜってー譲ることはねえ!
いや、そうでもないな。。
だが過剰に構えている時というのは、
大抵何も起きないものである。
オレは自分の席に普通に収まり、
そのまま機体は普通に動き出した。
普通に滑走路に入り、
普通にどんどん加速。
そして離陸。
オレを乗せた機体は一路、
成田へ向け夜の空へ飛び出していった。
しばらくするとシートベルトのサインも消え、
CAさんたちが忙しく働きだす。
成田行きの便という事もあってか、
エミレーツ航空でありながら日本人のCAさんが何人もいる。
オレの所に来たCAさんも日本人だった。
「どちらがよろしいですか?」
「お飲み物は何にいたしますか?」
と、全部日本語で話しかけてくる。
あぁ、たぶんこの後、
言葉で苦労する事はもうないのだろうな。
そう思うと妙な寂しさが滲んできた。
機内食も中に蕎麦があったり
デザートが和菓子だったり・・・・
周囲の状況が少しづつ日本の色に変わっていく。
旅の終りは近い。
目の前のモニターをいじって番組を選んだ。
選択したのはマン島TTのドキュメント映画。
深い理由などはないのだが。
ただなんとなく、そんな気になっただけである。
モニター越しに、
見覚えのある景色が次々に現れていく。
つい前日までオレがいた場所。
オレが見ていたレース。
しばらく見ているとその現実感が、
遠のいていくような錯覚に陥った。
ずっと昔の事だったような、
長い夢を見ていただけのような。
まぁあの島自体が不思議の国だったのだ。
それも仕方のない事なのだろう。
オレは映画を見るのをやめた。
モニターを初期画面に戻し目を閉じる。
眠いわけではない。
これまでの事も
日本に帰ってからの事も
ひとまずは考えるのをやめる事にした。
今はただこうして目を閉じて頭を空っぽにしていたい。
それはそれでなかなか快適な虚無である。
そんな心地良さの中、
オレはいつの間にか眠りに落ちていた。
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皆さま、長らくおつきあいいただき、
焚火の男と私は、感謝とともに、
喜びに満ち溢れております。
彼の旅は、これで終わりになりました。
長すぎたブログに、飽きずにお付き合いくださり、
誠にありがとうございました。
寒さ厳しくなり、年末も何かと
お忙しいと存じますが、ご自愛のほどをお祈りし、
マン島旅行記の締めといたしたく存じます。
(長い坂道にも、終わりがあるんだなあ。その思いでいっそクリック!)
なわけがないんでございます!
驚くべきことに、
なんと半分残っておるのでございます!
いいですか、「マン島からの道」はいまだ半分でございます。
次回より後編、つまり国内編が始まります。
くどさも続ければ芸となる、と思っておりましたが、
なんのなんの、ただくどいだけでございます。
だからと言って、
止めるような聞き分けの良さはございません!
(そろそろ、あいつメキシコから帰ってくるはずなので、お帰りでクリック!)