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2017.09.21 境界線の越えかた

外国人タレント ボビー・オロゴンが語る「強く、ポジティブに生き抜くコツ」

強烈なキャラクターと独特なおしゃべりが人気のナイジェリア出身の外国人タレント、ボビー・オロゴン。実は、投資や映画制作など5つの会社を経営する凄腕ビジネスマンだ。アフリカ仕込みのポジティブ脳と、父親から受け継いだ渡世術から生まれた彼のポリシーとは。

今日はスーツをびしっと着こなされていて、いつもテレビで拝見するボビーさんとは印象が違いますね。

ありがとうございます。でも、普段スーツはあんまり着ないんです。2着ぐらいしか持ってない。スーツを着た瞬間、真面目になりたくなっちゃうから(笑)。はじめて日本に来て営業マンをしていた頃は、スーツが1着しかなくて「いつか買ってやろう」と思ってたんだけど、実際買えるようになったら「スーツはいらないな」って思った。

どうしてですか?

スーツが欲しかった頃って、スーツを着てさえいれば営業でいい成績が残せると思ってたんだよ。でも、実際はスーツなんてなくても仕事はできるんだよね。だってさ、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグもTシャツしか着てねえよ?
スティーブ・ジョブズだってタートルネックだし。仕事ができるのにさ。大事なのは着るものじゃなくて、自分の頭で考えて行動すること。だから着るものは楽なものでいい。もちろん、スーツには今も憧れがあるし、着てる人も好きだよ。

いま、そうそうたる会社経営者の名前が挙がりましたが、ボビーさんも会社を5つも経営されてるそうですね。

そういうことになってるんですか(笑)? 嘘ではないけど、全部が株式会社ではなくて、合同経営の会社もある。会社に関わる立場も外国人タレント、映画監督、投資家…いろいろです。

投資家としての一面があるのは意外でした。

「お金の大切さと、稼ぐことの大変さを知れ」っていうのが、親の教えなんですよ。お父さんが日本とナイジェリアの貿易をやっていて、小さい頃からお金を数えさせられてた。数えるだけで全然もらえなかったけど(笑)。そのときは、どこで商売するにしてもついていかないといけなかったんだけど、日本に憧れたのもそれがきっかけだね。

日本のどういうところに惹かれたのでしょうか。

ヨーロッパのいろんな国とも取引してたけど、アフリカの人と商売してると向こうもそれに合わせてくる。取引の仕方がいい加減なんだ。でも日本は、どこの国に対しても日本のスタンダードで対応してくれるし、ほんとにきめ細かい。
お父さんに「日本だけは安心して仕事を任せてもいい」って教えられていたんだけど、その通りだった。そのせいか、うちの電化製品も車も全部日本製だったよ。おまけに、地元の乗り合いタクシーはいまだにハイエースだし、12時と5時に鳴るチャイムもSANYO製だった。

もともとはビジネスのために日本にこられたんですよね。「日本で儲けるんだ」という思いは強かった?

いや、僕にとってはいくら儲けるかよりも、自分の才能がどれだけ世の中に通用するかを試すほうが大事なんだ。

タレント活動も投資もそう。例えば、1億を投資して1000万円儲かった人と、100万円投資して100万円儲かった人では、1000万円のほうが金額は大きいでしょ?

でもパーセンテージで考えると100万円投資した人は100%の儲けが出てる。それって、すごい才能だよね。僕はそんなふうに出資分に対していくら返ってきたかをパーセンテージで考えて、幸せを感じるタイプ。

たくさん商売をされていると、壁にぶつかることもあると思うのですが、いちばん辛かったのはどんなことですか?

憧れの日本人と会話できなかったこと。言葉が通じなかったのがつらかったね。でも、生きていかなきゃいけないから、ジェスチャーで会話してた。言葉がわからないんだから身体で伝えるしかないよね。そのせいで、いまだに『お前のジェスチャー大げさだね』って言われるよ。ただ、肩身が狭いと感じたことはないです。基本ノリでなんとかなるだろうと思ってる。

カルチャーショックで落ち込むこともなかったんですね。そういう点も含めて、ご自身は精神的に強いほうだと思いますか?

弱かったら家族も友達もできないし、生きていけないよ。文化の違う国でもポジティブに生きてこられたことが、僕のいちばんの強みじゃないかな。大事なのはまず、世間に飲まれないこと。あとは、マイナスに考えがちなことでも、とにかくプラスに考えること。内面を強くしていけば心配なことなんてなくなるよ。

内面を強くするための「コツ」のようなものはありますか?

ネガティブなことをポジティブに変換する方法はひとつ。自分の中で「自分は正しい」と思うことだね。

自分の身に起こったことに対して、「バカだったな、ダメだったな」ってネガティブに考えちゃいけない。

もちろん「お前は間違ってるよ!」って指摘されたら受け止めるよ。でも自分で自分のことを「間違ってるかも」と思うことは一切ない。

あと、僕のもうひとつの強みは怒られ慣れてること。昔からよく怒られてたから、怒られないと生きていない感じがする(笑)。

怒られたときは、どうやって乗り切るんですか?

「スミマセン、スミマセン」って謝る。そして、「どうにかなるさ、気にするな」って思う。アフリカの人は気が短いし気が強いから、怒られることに対していちいち立ち向かっていたらきりがない。だから僕は、そのへんの虫に「なにやってんだ!」って怒られたとしても、「スミマセン!」って謝れるよ(笑)。

人間って2種類いるのよ、ちゃんと覚えておいて。すげえ怒る人と、すげえやらかす人。でも、やらかす人がいなければ怒る人の仕事がなくなるでしょ? だから、やらかしたときは「怒る側の人に仕事をさせてあげてるんだ」って思えばいいんだよ(笑)。

虫にだって謝れる(笑)。その振り切り方はすごいと思います。では最後に、若手ビジネスマンに向けてアドバイスをお願いします。

30歳代って、「自分はこういうふうに生きていきたい!」っていう出口をみつけなきゃいけない時期だと思うんだよね。日本の場合、学校では(学生それぞれの)個性を重視するような教育をしないでしょ? だから、22歳で社会人になったとして、30歳までは“自分のスタイル”を見つけるための勉強の期間だと思うんだ。30歳からが本当の勝負。人間の頭って30代がいちばん活性化すると思うから、30歳代の時間を大事にしてほしいな。

ボビーさんは30歳代で出口を見つけていましたか?

見つけてた! 牛を200頭くらい買っておいてお金持ちになれるんじゃないかとか、家のまわりにシマウマを集めて日本から観光客を呼ぼう、とか(笑)。どんなことでもいいのよ。当たるかハズれるかは結果であって、何かをやらなきゃ何も起こらない。僕の場合、40~50歳代になったら子供が大学に行き始めるから、30歳代は油断してちゃいけない時期でもあったね。

そういえば、最近5人目のお子様が誕生されたんですよね?

そう! それもまたパッションになるし、力になるよ。この子をまた20年後に大学に行かせなきゃと思うと、テレビでバカなことするのはまだまだやめられない(笑)。名前は”ハッピーステップ”っていいます。目標を持って、それを達成して、次の目標に進んで行く。人生って、そうやってひとつずつステップを踏んでいくことが大事ですよね。自分はどこかで休憩しながら、子どもたちの明るい未来を見られたらいいなと思ってます。

ボビー・オロゴン(Bobby Ologun)
1973年、ナイジェリア連邦共和国イバダン出身。ナイジェリアの国立大学経済学部を卒業後、貿易会社を経営する父の仕事の手伝いで世界各国を回っていた。『さんまのSUPERからくりTV』でタレントデビューした後、日本人と結婚。現在は妻との間に二男三女の子供をもうける。『K-1 PREMIUM 2004 Dynamite!!』にて格闘家デビューもしている。現在は、日本国籍を取得し、『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京)などジャンルを問わず多数の番組に出演中。サンマーク出版より、書籍「1週間の食費が300円だった僕が200坪の別荘を買えた本当の理由」も発売中。

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