男性の薄毛の主な原因である男性型脱毛症(AGA)は、M型やO形などさまざまなタイプがあります。どのタイプも薄毛が目立ちますが、生え際の薄毛はいずれの場合でも目立ってしまいがちです。
生え際の薄毛は、状態によってはある程度改善できる可能性があります。ただし、完全に元通りの髪を取り戻せる訳ではありません。また、治療の開始が遅れると、改善が期待できなくなります。できるだけ早く治療を開始して、生え際の薄毛による悩みを解消させましょう。
ここでは、生え際の薄毛に悩む方へ向けて、原因と改善方法をご紹介します。
生え際の薄毛とは?
生え際の薄毛は、眉から生え際までの距離が6cm以上の場合、進行している可能性があります。また、抜け毛が多くなり、前髪がもろくて薄くなっていくのです。
進行すると、抜け毛が細い産毛のようなものばかりになってしまい、 生え際がどんどんと頭頂部に向かって深くなっていくでしょう。
さらに進行すると、頭頂部からも薄毛が進行して、頭全体が薄くなっていきます。この段階は末期ともいえ、ここまで進行すると内服治療や自毛植毛ができなくなり、HARG療法が検討されることになるのが一般的です。
生え際の薄毛の原因は?
男性型脱毛症にはさまざまな進行タイプがありますが、全て原因は同じです。
男性ホルモンの一つであるテストステロンが、頭皮にある5αリダクターゼによってジヒドロテストステロンに変わり、それが毛乳頭細胞の受容体と結びついて脱毛シグナルを発信します。そうすると、髪の成長が阻害されてコシのない短い髪が増え、薄くなっていく仕組みです。
男性ホルモンの受容体の感度には個人差があるため、ジヒドロテストステロンが生産されていても、男性型脱毛症になる人とならない人がいます。また、進行のスピードや型も異なるため、「〇年ぐらいは大丈夫」といった他人の意見は参考になりません。
男性型脱毛症は、生活習慣の乱れや間違ったヘアケアなど、複数の要因が重なることで発症すると考えられています。主な原因は、睡眠不足やストレス、偏食、洗浄力が強いシャンプーの使用、頭皮に刺激を与えるような洗髪やマッサージなどです。
生え際の薄毛を改善において覚えていていただきたいのが、治療が非常に困難であるという点です。不可能ではありませんが、根気よく治療を続ける必要があるでしょう。
治療にはまず、ジヒドロテストステロンの生産を抑える必要があります。一方、生活習慣の改善やヘアケアなどではジヒドロテストステロンの生産を抑えることはできません。クリニックでプロペシアによる内服治療を受ける必要があるでしょう。
内服薬には、プロペシア、ミノキシジル、ザカーロなどがあり、症状や進行状況により、医師がどの薬が適しているか判断するのでご安心ください。
また、生活習慣の改善や正しいヘアケアなども大切です。睡眠不足は、髪の成長に関わる成長ホルモンの分泌を低下させます。夜更かしはなるべく避けて、質のいい睡眠がとれるよう心がけましょう。
さらに、ストレスは血行不良を招き、頭皮への栄養の供給を低下させることがあります。好きなことをして過ごしたり、休日は満足できるまで眠ったりするなど、自分に合った方法でストレスを解消させることです。
そして、洗浄力がマイルドなシャンプーを使い、指の腹でマッサージをするように洗髪してください。
おわりに
生え際の薄毛は、男性型脱毛症によるものであるため、専門治療をおこなっているクリニックによる治療が必要です。進行すればするほ改善が困難になるため、可能なかぎり早く治療を開始しなければなりません。
また、生活習慣の改善や正しいヘアケアなど、身体の外側と内側の両方から薄毛にアプローチをかけることが大切です。