検査データ改ざん 三菱マテリアル社長が会見し謝罪

検査データ改ざん 三菱マテリアル社長が会見し謝罪
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大手金属メーカー 三菱マテリアルは2つの子会社が強度などの検査データを改ざんしていた問題で、24日に記者会見し、竹内章社長が「深くおわび申し上げます」と謝罪したうえで、製品の安全性の検証を急ぐ考えを示しました。
三菱マテリアルは、23日に子会社の「三菱電線工業」と「三菱伸銅」がゴム製品と銅製品の一部で強度や寸法などの検査データを改ざんして、出荷していたと発表しました。

これについて、竹内章社長が24日に記者会見し、「お客さまや株主をはじめ、多くの皆様に多大なご迷惑をおかけしたことについて、深くおわび申し上げます」と謝罪しました。

データの改ざんが見つかった製品の出荷先は、航空機や自動車のメーカーなど合わせて258社にのぼる可能性があるということで、竹内社長は、出荷先とともに安全性の検証を急ぐ考えを示しました。

会社によりますと、子会社が最初に不正を把握したのは、ことし2月で、その後も先月まで出荷を続け、公表までにおよそ9か月かかりました。公表が遅れた理由について、竹内社長は「対象となるすべての客が判明してから公表するのが適切だと判断した」と述べ、出荷先の特定に時間がかかったと釈明しました。

また、みずからの経営責任については「原因究明と再発防止に加え、品質管理体制の拡充やコンプライアンスの強化に努めることが責任だと思っている」と述べました。

会社側は、不正の具体的な原因や経緯は明らかにしておらず、弁護士を含む調査委員会で詳しい調査を進めるとしています。

「親会社の関与ない」

子会社の不正に親会社の三菱マテリアルが関与していたかどうかについて、竹内社長は記者会見で「子会社各社の調査委員会で疑いが出れば別だが、三菱マテリアルの関与は全くなかったと考えている。グループの子会社各社で起きた問題だと認識している」と述べました。

不正把握後も出荷

また三菱電線工業の村田博昭社長は、ことし2月に一部の不正を把握しながら、10月まで出荷を続けたことについて、「どの製品に入っているか特定しなければ、混乱を招くと判断した。特定するために複雑な解析をしなければならず、時間がかかってしまった」と説明しました。そのうえで、村田社長は「結果的に、不具合のある可能性のある製品が不正の発覚から10月までの出荷の中に入っているかもしれないということになり、顧客にご迷惑をおかけし、大変申し訳ない」と述べました。

不正発覚から公表まで9か月

三菱マテリアルの子会社による今回の不正は、子会社の内部で最初に不正が発覚してから9か月が過ぎて、ようやく公表されました。

データの改ざんを行っていた子会社のうち、「三菱電線工業」では、ことし2月に社内の調査で不正が発覚し、3月に経営陣に報告されたということです。その後、不正があった製品を特定する作業などを進め、出荷を停止したのはおよそ8か月がたった先月23日でした。

この間、三菱電線工業は出荷先への説明を進めるとともに、先月25日に親会社の三菱マテリアルに不正があった事実を報告したとしています。

一方、「三菱伸銅」では先月16日、社内調査によって不正が発覚し、三菱マテリアルには3日後の19日に報告したということです。

その後、三菱マテリアルは、2つの子会社からそれぞれ報告を受けてからおよそ1か月がたった23日になって、ようやく不正の事実を公表しました。結局、子会社の社内で最初に不正が発覚してから、23日の公表までに9か月が過ぎたことになります。

データ改ざんの具体的内容

「三菱マテリアル」では、複数の子会社が製品の検査データを顧客と約束した品質基準を満たした形に改ざんしていました。

このうち「三菱電線工業」では、和歌山県にある工場でおととし4月からことし9月までに製造した「シール材」と呼ばれるゴム製品で、強度や寸法などのデータを改ざんしていました。
この「シール材」は、配管などを密封して油や水、空気が漏れ出さないようにするためのもので、航空機や自動車など幅広い分野で使われています。会社側では、この期間に出荷した製品のおよそ20%にあたる2億7000万個で不正があった可能性があり、出荷先は229社に上る可能性があるとしています。

また、別の子会社の「三菱伸銅」では、福島県にある工場で先月17日までの1年間に製造した銅製品の一部について、強度などのデータを改ざんしていました。これらの銅製品は主に自動車や電子機器の部品として使われ、出荷先は29社に上る可能性があるとしています。

さらに、別の子会社「三菱アルミニウム」でも顧客が求める基準を満たしていない製品が出荷されていましたが、会社側はすべての出荷先で安全性が確認されたとして、製品の詳細や出荷先を公表していません。

検査データ改ざん 三菱マテリアル社長が会見し謝罪

大手金属メーカー 三菱マテリアルは2つの子会社が強度などの検査データを改ざんしていた問題で、24日に記者会見し、竹内章社長が「深くおわび申し上げます」と謝罪したうえで、製品の安全性の検証を急ぐ考えを示しました。

三菱マテリアルは、23日に子会社の「三菱電線工業」と「三菱伸銅」がゴム製品と銅製品の一部で強度や寸法などの検査データを改ざんして、出荷していたと発表しました。

これについて、竹内章社長が24日に記者会見し、「お客さまや株主をはじめ、多くの皆様に多大なご迷惑をおかけしたことについて、深くおわび申し上げます」と謝罪しました。

データの改ざんが見つかった製品の出荷先は、航空機や自動車のメーカーなど合わせて258社にのぼる可能性があるということで、竹内社長は、出荷先とともに安全性の検証を急ぐ考えを示しました。

会社によりますと、子会社が最初に不正を把握したのは、ことし2月で、その後も先月まで出荷を続け、公表までにおよそ9か月かかりました。公表が遅れた理由について、竹内社長は「対象となるすべての客が判明してから公表するのが適切だと判断した」と述べ、出荷先の特定に時間がかかったと釈明しました。

また、みずからの経営責任については「原因究明と再発防止に加え、品質管理体制の拡充やコンプライアンスの強化に努めることが責任だと思っている」と述べました。

会社側は、不正の具体的な原因や経緯は明らかにしておらず、弁護士を含む調査委員会で詳しい調査を進めるとしています。

「親会社の関与ない」

「親会社の関与ない」
子会社の不正に親会社の三菱マテリアルが関与していたかどうかについて、竹内社長は記者会見で「子会社各社の調査委員会で疑いが出れば別だが、三菱マテリアルの関与は全くなかったと考えている。グループの子会社各社で起きた問題だと認識している」と述べました。

不正把握後も出荷

また三菱電線工業の村田博昭社長は、ことし2月に一部の不正を把握しながら、10月まで出荷を続けたことについて、「どの製品に入っているか特定しなければ、混乱を招くと判断した。特定するために複雑な解析をしなければならず、時間がかかってしまった」と説明しました。そのうえで、村田社長は「結果的に、不具合のある可能性のある製品が不正の発覚から10月までの出荷の中に入っているかもしれないということになり、顧客にご迷惑をおかけし、大変申し訳ない」と述べました。

不正発覚から公表まで9か月

不正発覚から公表まで9か月
三菱マテリアルの子会社による今回の不正は、子会社の内部で最初に不正が発覚してから9か月が過ぎて、ようやく公表されました。

データの改ざんを行っていた子会社のうち、「三菱電線工業」では、ことし2月に社内の調査で不正が発覚し、3月に経営陣に報告されたということです。その後、不正があった製品を特定する作業などを進め、出荷を停止したのはおよそ8か月がたった先月23日でした。

この間、三菱電線工業は出荷先への説明を進めるとともに、先月25日に親会社の三菱マテリアルに不正があった事実を報告したとしています。

一方、「三菱伸銅」では先月16日、社内調査によって不正が発覚し、三菱マテリアルには3日後の19日に報告したということです。

その後、三菱マテリアルは、2つの子会社からそれぞれ報告を受けてからおよそ1か月がたった23日になって、ようやく不正の事実を公表しました。結局、子会社の社内で最初に不正が発覚してから、23日の公表までに9か月が過ぎたことになります。

データ改ざんの具体的内容

「三菱マテリアル」では、複数の子会社が製品の検査データを顧客と約束した品質基準を満たした形に改ざんしていました。

このうち「三菱電線工業」では、和歌山県にある工場でおととし4月からことし9月までに製造した「シール材」と呼ばれるゴム製品で、強度や寸法などのデータを改ざんしていました。
この「シール材」は、配管などを密封して油や水、空気が漏れ出さないようにするためのもので、航空機や自動車など幅広い分野で使われています。会社側では、この期間に出荷した製品のおよそ20%にあたる2億7000万個で不正があった可能性があり、出荷先は229社に上る可能性があるとしています。

また、別の子会社の「三菱伸銅」では、福島県にある工場で先月17日までの1年間に製造した銅製品の一部について、強度などのデータを改ざんしていました。これらの銅製品は主に自動車や電子機器の部品として使われ、出荷先は29社に上る可能性があるとしています。

さらに、別の子会社「三菱アルミニウム」でも顧客が求める基準を満たしていない製品が出荷されていましたが、会社側はすべての出荷先で安全性が確認されたとして、製品の詳細や出荷先を公表していません。