小保方氏やバカンティ教授を発明者とし、ブリガム・アンド・ウィミンズ病院(ハーバード大)を権利者とする日本国への特許出願が特許庁の拒絶理由に対応して補正を行ない、特許請求の範囲がSTAP細胞(多能性を持つ細胞)からSTAP細胞ではない何か(Oct4を発現する細胞を含有する細胞塊)に変わってしまったことについては既に書きました(過去記事「日本の”STAP特許出願”拒絶理由にハーバード大が想定外の応答」、細胞生物学専門家による関連記事「もはやSTAPではなくなった国内"STAP特許出願"」)。
これに対応する米国特許(14/397,080)については、バカンティ教授による「STAP細胞はありまあす」宣誓供述書にもかかわらず、最終拒絶(FINAL REJECTION)が出ていたのですが、11月14日の〆切ぎりぎりになって出願人によりRCE(継続審査請求)が出されていました。これは、拒絶に対応して別の局面から再度特許化を目指すために使われる制度です。
この段階で日本と同等のクレーム補正が行なわれています。すなわち、pluripotent cell(多能性細胞)が、cell mass containing a cell expressing Oct 4.(Oct4を発現する細胞を含有する細胞塊)に変更されています(タイトル画像参照)。最初からこうするつもりで日米とも〆切ぎりぎりまで待っていたということでしょう。
この補正に対して日本および米国の特許庁がどのような対応を行なうかは興味津々ですが、確実に言えるのは、そもそものSTAP細胞の意味するところであった外部刺激のみによる多能性獲得の方法を特許化するという話はもうおしまいということです。
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