米サンフランシスコ、「慰安婦」像を正式受け入れ 

Comfort women statue Image copyright Getty Images
Image caption 議論の対象となっている像は、朝鮮半島、中国、フィリピン出身の若い女性をそれぞれ表現している

米サンフランシスコ市は22日、第2次世界大戦中に旧日本軍兵士の性奴隷として働くことを強制された「慰安婦」を表す像を正式に受け入れた。

像は、朝鮮半島と中国とフィリピン出身の若い女性3人が手をつなぎ円を描く様子を描いている。3人から少し離れたところでは、1991年に元慰安婦として初めて名乗り出た韓国の金学順さんを表す像が3人を見つめている。

世界各地に設置された同様の慰安婦像は、日本の反発を招いている。1957年以来サンフランシスコと姉妹都市関係にある大阪はすでに、サンフランシスコが像の寄贈を受け入れるならば姉妹都市関係を解消すると表明していた。

旧日本軍の売春施設では約20万人の女性が留め置かれていたと推定されている。

1996年の国連人権委報告は、自ら望んで慰安婦になった売春婦のほかは、調理や掃除の仕事で報酬を与えると誘われた女性、さらには強制的に慰安婦にされた女性が多数いたと書いている。

そうした女性の多くは朝鮮半島出身だったとされる。ほかにも中国、インド、フィリピン、台湾出身の女性もいたとみられる。

サンフランシスコの慰安婦像は今年9月末に市民団体が設置。エドウィン・リー市長は22日、像を市として正式に受け入れるという市議会の決議案に署名した。

Comfort women statue Image copyright Getty Images
Image caption 金学順さんは1991年、元慰安婦として名乗り出た初の女性。サンフランシスコの慰安婦像は、3人の若い女性を金さんが見守る形になっている

像の碑文には「この記念碑はいわゆる『慰安婦』と呼ばれる数十万人の女性や少女の苦しみをあらわにするもの。女性たちは1931年から1945年にかけてアジア・太平洋地域の13カ国で、日本帝国軍によって性奴隷にされた」と書かれている。

サンフランシスコの像と同様の像は、韓国をはじめとして、米国、カナダ、オーストラリアにも設置されている。

日本政府は今年1月、韓国・釜山の日本総領事館前に新たに設置された慰安婦像をめぐり、駐韓大使を一時帰国させた。ソウルの日本大使館前にも、同様の慰安婦像が設置されている。

日本は、韓国でのこうした像の設置は、2015年の日韓合意に違反するものだと反発している。安倍晋三首相のおわびと10億円拠出を日本側が約束した日韓合意は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を実現するためのものだったが、多くの韓国人は合意内容は不十分だと受け止め、この問題は依然として日韓関係に影を落としている。

韓国以外の諸外国に設置された慰安婦像も、様々なあつれきを生じさせている。

サンフランシスコの像については、大阪市の吉村洋文市長が、サンフランシスコが像の寄贈を受け入れるならば姉妹都市関係を解消するという書簡をリー市長に送っていた。

(英語記事 San Francisco accepts 'comfort women' statue

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