「AV女優消滅」中村淳彦著
AV業界は、90年代後半から、自浄作用によって過去と比べると見違えるほど健全な業界に変貌し、自ら女優に応募する女性も増えてきたといわれていた。しかし、昨春、女性団体の告発によってAV出演強要問題が発覚。それまで沈黙を守っていたAV女優たちも声をあげるようになり、業者の摘発も行われた。本書は、長年、AV女優の取材を重ねてきた著者が、その過酷な労働環境を伝えるルポルタージュ。
芸能人になれるとスカウトされ、最後は大勢に囲まれ脅されて契約書にサインさせられたという小雪さん(仮名)など、今だからこそ話せるという女優、元女優たちの赤裸々な告白や業界側の取り組みなどを紹介しながら、存続危機に陥った業界の生き残りの道を探る。
(幻冬舎 820円+税)