スカウトマンとしての評判はすこぶる悪い。約1年前、風俗店に紹介した女性の給料約200万円をネコババしようとしたほか、SNS上には、

白石容疑者を危険視するツイート

《新宿にいる白石というやつに注意してください!極悪スカウトです!》

 などと顔写真つきで“指名手配”する投稿がある。

 歌舞伎町でスカウトをしている男性によると、「白石はあまり話さない存在感のない男だった」という。

「“売り風俗(違法売春)”専門。女の子に対しては常に受け身で、マメでやさしく、身内のように心の中に入り込んでいく」(同スカウト)

 しかし、歌舞伎町の雑踏に立つスカウトマンに片っ端から聞くと、ほとんどは白石容疑者を「知らない」と言う。SNS上でもスカウトしていたためかもしれない。

 妙な噂話も流れている。

「白石は臓器売買をしていたって噂がある。そっちのスジの人から聞きましたけど、マジでやばいっすよ」

 と面白おかしく話すスカウトマンもいた。技能や売買ルートなど大がかりな組織もなく、できるはずがない。

遺体の様子

 警視庁によると、2体は死後約1~2週間で、7体は同1か月~数か月という。遺体の身元確認が進められている。

 容疑者宅からは血のついたノコギリ、キリ、キッチンばさみ、包丁2本と、ロープ、結束バンドが押収されている。残された遺体の一部の状態は……。

事件現場の部屋の見取り図 イラスト/スヤマミヅホ

頭部の切断面はすべて水平。第2頸椎で切断されたものが5体、第3頸椎から切断されたものが2体、不明が2体だった。骨は肋骨などで背骨はない。腰の骨などとみられていたのは乾燥した内臓だった。小腸が2つ、肝臓のようなものが2つ、脾臓または腎臓と思われるものが1つなどだった」(全国紙社会部記者)

 斬首男のおぞましい手口。

 ネットと自殺問題に詳しいジャーナリストの渋井哲也氏は「自殺をキーワードにするツイッターのコミュニティーは狙われやすい」と指摘する。

「一部のネットナンパ師は、自殺願望者はレイプされても警察に届け出ないだろうと考えている。悪意を悟られないように“あなたの気持ちはわかりますよ”と共感する言葉で近づく。複数のアカウントを持つ白石容疑者は、自殺願望の当事者になりきって弱さを見せたり、別のアカウントでは確実に死ねる情報を持つ人物だとアピールしていた」

 ジキルとハイドの少年は、ハイドに完全支配された。