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御本尊の仏、菩薩、諸天善神、十界の衆生、眷属等の説明
南無妙法蓮華経 |
字義でいえば、妙法蓮華経に帰命すること。日蓮大聖人の仏法の本義においては、一切万法の帰趣する究極・所詮の法体をいう。釈尊および三世十方の仏の悟りを明かしたのが妙法蓮華経である。南無妙法蓮華経の深意については御義口伝を参照のこと。(御書P708参照)日蓮大聖人の御本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱えることにより、南無妙法蓮華経の当体を証得し、即身成仏の大功徳を顕現することが出来る。 |
日蓮 |
(1222-1282)末法の御本仏。貞応元年2月16日、安房国東条郷小湊に生まれる。父・三国の大夫、母・梅菊女。幼名を善日麿と呼ばれ、十二歳の時に清澄寺 道善房のもとで修学。本尊の虚空蔵菩薩に「日本一の智者となし給え」(御書P888)と誓願され、仏法の奥底を極めようとした。十六歳で出家し、是聖房蓮長と名乗られ、一切経を修学するため全国に遊学された。各宗の教義を学び一切を閲覧された後、清澄寺に帰られ、建長五年(1253)4月28日正午、清澄寺の持仏堂の南面において、一山の大衆を集めて諸宗の邪義を破し、南無妙法蓮華経によってのみ、末法の一切衆生が救われることを説いた。この時から日蓮と名乗られた。(御書P903とP894参照) その後、鎌倉の松葉ヶ谷に草庵を結ばれて弘教を開始された。文応元年(1260)7月16日立正安国論提出。文応元年8月27日松葉ヶ谷の法難。一時下総の富木常忍のもとへ移られたが、弘長元年(1261)伊豆流罪。弘長三年に赦免となり鎌倉に帰った。翌文永元年(1264)には御母病気平癒の為、安房に戻り弘教された。同年11月11日工藤吉隆邸に向かう途中、東条影信とその軍勢に襲われ日蓮大聖人は額に傷を受けられ、吉隆と弟子の鏡忍房は討ち死にした。小松原の法難。(御書P1189とP1498参照)文永八年6月18日、極楽寺良観と祈雨の対決をした。(御書P1157参照)良観は一滴の雨も降らせることができず敗北した。この頃から他宗の僧による幕府への讒言が激しくなった。同年9月12日大聖人は一昨日御書を頼綱に送り、平左衛門尉は激怒し大聖人を逮捕。処刑の為、竜の口刑場へ連行した。竜の口の法難。(御書P914参照)この時不思議な光物の出現によって斬首できず、大聖人はこの時に久遠元初自受用報身如来としての本地を顕された。発迹顕本。(御書P223参照)同年10月10日佐渡流罪。文永11年3月26日赦免、鎌倉に帰られた。4月8日に平左衛門尉を諌めたが、聞き入れられなかったので身延に入山し、法華経講義や弟子育成に励まれた。弘安二年(1279)9月21日、熱原の農民信徒が逮捕され、平左衛門尉は改宗をせまったが、誰も従わなかったので、陣四郎、弥五郎、弥六郎を斬首した。熱原の法難。日蓮大聖人はこの法難によって時の到来を感じられ、弘安二年10月12日、本門戒壇の大御本尊をご建立された。弘安五年九月六人の高弟を定め、日興上人に弘法の付嘱された。九月八日、静養のため常陸の湯に向かわれ、途中の池上において日興上人への付嘱書をお授けになった。一切の御遺命を終えられた大聖人は、弘安五年十月十三日辰の時御年61歳をもって池上邸にて御入滅された。日蓮大聖人は末法万年の全世界の民衆を救うべく御出現された末法の御本仏であり、一切衆生を成仏せしめる法体を本尊として顕され、仏道修行の明確な実践法を示された。 |
釈迦 |
インド応誕。釈迦族の王である迦毘羅衛城主、浄飯王を父とし、摩耶(マーヤー)を母として生まれた。摩耶夫人は釈尊出産後7日後に亡くなり、その後摩耶夫人の妹である摩訶波闍波提(マハー・パジャーパティ)に養育された。浄飯王と摩訶波闍波提の間に難陀(なんだ)が生まれる。後に釈尊の弟子となり活躍する。釈尊は成長するに従い深い思索にふけった。浄飯王は釈尊の苦悩と出家の志を断つ為、耶輸陀羅(ヤショダラー)と結婚させた。1人子供をもうけ、跡継ぎの問題が解決すると、釈迦は生老病死の問題解決の為19歳で出家する。当時、禅定の大家であった僧を尋ねたが、その教えに飽き足らず12年間の苦行を行った。しかし釈迦は苦行によっては解脱の法を体得出来ないと判断し、苦行を捨てた。村の少女スジャーターの捧げる乳粥を食べ体力を回復させた。そして近くのピッパラ樹(後の菩提樹と名づけられる)の下で瞑想を続け、30歳にして悟りを得た。その後様々な人を化導し多くの人々が弟子となった。 |
多宝 |
東方宝浄世界にすむ仏。多宝の塔にのって法華経の虚空会に出現し、法華経が真実であることを証明した仏。多宝如来は菩薩の修行中、成道して滅後の後、いずれの地であっても法華経を説くものがあれば、その前の塔廟(とうみょう)を湧現させて真実であることを証明すると誓願を立てた。法華経見宝塔品で釈尊の説法を証明するため、宝塔に座して湧現し、釈尊に半坐を与え二仏並坐し、虚空会の儀式が始まった。 |
上行菩薩 |
法華経涌出品第十五に説かれる、地涌の菩薩の上首である四菩薩の一人。法華経本門の説法で仏の寿命の長遠を開顕するため、また釈尊から結要付嘱をうけて滅後末法を利益するため、本地自受用報身(本仏)の垂迹として現れた。垂迹上行菩薩の再誕が日蓮大聖人である。四菩薩は常楽我浄の四徳を顕すとされ「我」を表す。すなわち、生死の苦に束縛されない自由自在の境涯を指し、真我の確立を指して上行菩薩という。 |
無辺行菩薩 |
法華経涌出品第十五に説かれ地涌の菩薩の上首である四菩薩の一人。常楽我浄の四徳のうち「常」をあらわす。無辺行とは断見、常見等の低い生命観を捨て去り、三世に渡る因果律に立った自由自在の広々とした境地を意味する。 |
浄行菩薩 |
法華経涌出品第十五に説かれる、地涌の菩薩の上首である四菩薩の一人。常楽我浄の四徳のうち「浄」をあらわす。浄行菩薩は清浄無垢を象徴し、妙法を根本とした生命の清浄無染の特質をあらわす。 |
安立行菩薩 |
法華経涌出品第十五に説かれる、地涌の菩薩の上首である四菩薩の一人。常楽我浄の四徳のうち「楽」をあらわす。 |
普賢菩薩 |
文殊師利菩薩とともに迹化の菩薩の上首。釈尊の脇士。普賢とは仏の智慧が善宇宙に及んで尽きないことをあらわす。普賢は白象に乗って右方に位置し、利徳と定徳をあらわす。 |
文殊師利菩薩 |
迹化の菩薩の上首。釈尊の脇士。文殊は獅子に乗り、左方に位置し、智徳と証徳をあらわす。法華経序品第一では、過去世に妙光菩薩として出現し、釈迦仏の九代前の師であったとされる。提婆品第十二では竜宮で、八歳の竜女を化導している。 |
薬王菩薩 |
良薬を衆生に施して身心の病苦を直す菩薩。病気を治癒する働きを名付けたものとされる。御本尊に認められている。 |
舎利弗 |
身子とも訳す。釈尊十大弟子の一人。仏説の真意を良く理解したので、智慧第一といわれた。法華経方便品第二の対告衆となり、開三顕一の説法を聞いて初めて開悟し、譬喩品で記別を与えられた。 |
目連 |
釈尊十大弟子の一人。神通第一と言われた。盂蘭盆経によると神通力で亡母が餓鬼道に落ちているのを知ったが救うことが出来ず、釈尊の教えに従って盂蘭盆供養をして母を救ったといわれ、今日の盂蘭盆会の起源とされる。迦葉と共に法華経の譬喩品の譬えを聞いて得道した。受記品で多摩羅跋栴檀香仏の記別を受けた。 |
帝釈天 |
能天帝のこと。インド神話上の最高神で雷神で有った。帝釈は四天王を従えて須弥山の頂の喜見城に住し、三十三天を統領している。仏法を守護する諸天善神の一人。釈迦修行中は様々に姿を変えてその求道心を試みたが、成道後は守護を誓っている。法華経の会座では、色界初禅天の梵天とともに、眷属二万の天子を連れて連なった。 |
梵天 |
色界の初禅天に住する三天(大梵天、梵輔天、梵衆天)の一つで、娑婆世界の主とされる。帝釈とともに仏法を守護する諸天善神の一人。 |
四大天王 |
帝釈の外将で須弥山由けん陀羅山の中腹の四峰に住すとされる。 |
毘沙門天王 |
四大天王の一つ。多聞、遍聞などと訳す。須弥山中腹由けん陀羅山の北峰に住し多くの夜叉や羅刹を統率して閻浮堤の北方を守る。また財宝富貴をつかさどって仏法を守る。法華経陀羅尼品では持国天王とともに、法華経の行者の守護を誓った。御本尊に向かって左上にしたためられている。 |
持国天王 |
四大天王の一つ。須弥山の東面中腹、第四層の賢上城に住し、帝釈天の外臣として、東方世界の守護をつかさどり、他の三洲もかねて守護するので持国天王という。法華経陀羅尼品で法華経の行者の守護を誓った。御本尊に向かって右上に認められている。 |
広目天王 |
四大天王の一つ。帝釈天の外将で、須弥山の西面中腹に住し、浄天眼を持って衆生を観察して西方を守護する。正法を持つものを守り、悪人を罰して仏心を起こさせる護法の善神とされる。御本尊に向かって右下にしたためられている。 |
増長天王 |
四大天王の一つ。帝釈天の外将で須弥山の南面中腹に住し、南方を守護する。増長とは免難の意とされ煩悩を近づけない働きをするとされる。?(とう)利天の主である帝釈の命を受けて、使者・太子を出して四天下を巡行し、諸人の所業について善悪を検討し、帝釈に報告するとされる。法華経陀羅尼品で法華経の行者の守護を誓った。御本尊に向かって左下に認められている。 |
大日天王 |
宝光天子、日天子ともいう。天から光をもって守護し、天界に属するので天子と呼ばれる。法華経序品第一には三光天子の1つとされる。法華経の会座で連なった諸天善神で正法を持つものを守護する働きがある。 |
大月天王 |
名月天子、宝吉祥天子、月天子ともいう。インド神話では月を神格化したもの。月の宮殿に住む天子の意。法華経序品第一には三光天子の1つとされる。法華経の会座で連なった諸天善神で正法を持つものを守護する。 |
大明星天王 |
法華経序品第一には三光天子の1つとされる。天界に属し、法華経の会座で連なった諸天善神で正法を持つものを守護する働きがある。 |
第六天魔王 |
他化自在天のこと。欲界の六欲天(四天王、?(とう)利天、夜摩天、兜率天、化楽天、他化自在天)の最上に住する。四魔の中の天子魔にあたり、正法に敵対し、仏道修行の障害となり、成仏を妨げる働きをする。智慧の命を奪うので、奪命ともいう。この天の寿命は一万六千歳で、人間の1600年が1日にあたるという。 |
竜王 |
竜の王。八部衆の一つで畜生界の代表。竜王は種々の経典にとかれており、その種類も多いが、法華経では八大竜王が説かれている。法華経の会座でこの八種の竜が多くの眷属とともに正法を守護することを誓っている。 |
阿修羅 |
仏法を守護する八種の衆の1つ。古代インドでは、始め善神であったが、後に善神と戦う悪神となる。仏教では六道の1つで、常に帝釈天と戦う鬼神。須弥山の側の大海底に住む。その容貌は醜く、身体は極めて大きく常に武器を持っている。 |
不動 |
不動明王のこと。大日経に出てくるので、真言宗の本尊の1つとされた。不動明王は、一切の煩悩を断ち切って、不生不滅の彼岸に更正させる働きを表している。法華経においては、法華経の行者を守護する諸天善神の一つ。日蓮大聖人の仏法からみれば、煩悩即菩提を表す愛染明王とともに御本尊の中に、左右両側に梵語でしたためられている。これは定慧の二法、境地の二法をあらわすもので、己心の妙法蓮華経にほかならない。御本尊のなかで右端に梵語でしたためられ、生死即涅槃の法門を表す。法華経の説法では仏は東を向くとされ、右は南にあたる。 |
愛染 |
大愛欲と大貧染の三昧に住する本尊。愛を持って衆生の煩悩を浄化し解脱させるところからこの名がある。手に弓を持ち、三障四魔を払い、世を捨てる妄見を射る。御本尊のなかで左端に梵語でしたためられ、煩悩即菩提の法門を表す。左は北にあたる。 |
提婆達多 |
釈尊の弟子となりながら、退転して、逆罪を犯し釈尊を迫害した悪比丘。釈尊の従弟にあたる。驕慢な心の持ち主で、名聞名利の念が強く釈尊から大衆の前で叱責されたのを恨み、退転して新教団を作り、釈尊の殺害をはかるなど三逆罪を犯し、無間地獄に落ちた。法華経提婆達多品第十二で、無量劫の後、天王如来となると記別を与えられた。悪人成仏をあらわす。 |
竜女 |
法華経提婆達多品第十二に説かれた娑竭羅(しゃかつら)竜王のむすめ。文殊師利菩薩の化導で菩提心を起こし、法華経の会座に来至して即身成仏の相を示し、女人成仏の実証となった。 |
鬼子母神 |
王舎城の夜叉神の娘。鬼神般闍迦(きしんはんじゃか)の妻で、一万の鬼子の母なので、鬼子母神という。性質は凶暴で人の子供を取って食べるのを常とした。釈尊はそれをみて哀れみ、戒めるために、末子の嬪迦羅(びんから)を取って隠した。鬼子母神は7日間捜しても見つからず、釈尊のところに行ってその安否を尋ねた。釈尊は鬼子母神の悪行を戒め、三帰五戒を授けて、死ぬまで人の子供を取って食うことをしないと誓わせて、その子を返した。法華経陀羅尼品26では、十羅刹女とともに、法華経を受持し、読誦し、修行する者を擁護して安穏を得さしめ、諸の衰患(すいげん)、毒薬を消させることを釈尊に誓っている。日蓮大聖人はこの誓願から鬼子母神を諸天善神の1つに数えられている。 |
十羅刹女 |
10人の羅刹女、悪鬼の女人のこと。鬼子母神の娘。爾前の諸経では悪鬼とされたが、法華経に至って成仏を許され善鬼になり、母鬼子母神とともに法華経を守護する諸天善神に列せられている。 |
天照 |
天照大神。日本神話の神。仏法では法華経を守護する善神の1つとされる。 |
八幡 |
八幡大菩薩、八幡大明神のこと。古くは農耕神とされたが、豊前国(大分県)で祭られてからは、付近で採れた銅産の神とされた。後に国家的神格として信仰を集め、平安時代に朝廷から大菩薩号が発せられた。鎌倉期になると、源氏の氏神とされた。仏法では正法を護持する者及び一国を守護する諸天善神とされる。参照:御書583ページ |
八部衆 |
仏法を守護する八種の衆のこと。八部、八部王ともいう。天、竜、夜叉、乾闥婆(けんだつば)、阿修羅、迦桜羅(かるら)、緊那羅(きんなら)、摩ご羅迦(まごらが)をいう。ご=目へんに侯 |
竜樹 |
竜猛菩薩ともいう。西暦150頃から250年頃に出現した大乗経の論師。付法蔵の第十四祖。南インドで外道、小乗を破折し、大乗仏教を興隆した。当時のインド仏教界は、衆生救済を忘れ学問的、観念的傾向に走っていたため、大乗仏法を信奉する民衆の間から仏教を民衆の手に戻そうとする革新運動が起こった。竜樹は大智度論、十住毘婆沙論をつくって大乗仏教を理論的・体系的に確立し、その運動の優位を決定的なものとした。 |
天親 |
世親菩薩ともいう。4~5世紀頃のインドの学僧。初め小乗経を学び宣揚した。後に大乗経を学び、小乗に固執したことを悔いて舌を切ろうとしたが、大乗を誹謗した舌で大乗を讃すれば罪は消えると兄にさとされ、大乗の論を多く作って宣説した。著書に倶舎論、十地論十二巻、唯識二十論、摂大乗論釈十五巻など多数あり、千部の論師といわれた。 |
天台 |
中国天台宗の開祖。智者大師ともいう。著書に法華玄義十巻、法華文句十巻、摩訶止観、六妙法門などがある。釈尊の一切経を法華経を中心にして統括している。釈尊一切経の高下浅深を分別するため、三種の教相、五時八教を説いた。天台仏教における観心とは一念三千の法理を一心に観ずることとされた。 |
伝教 |
日本天台宗の開祖、最澄。37歳の時に唐に渡り天台宗の肝要を学ぶ。日本に帰り法華経を宣揚した。 |
天神七代 |
地神五代に先立ち、高天原に出現して日本国を治めた七代の天神。 |
地神五代 |
地の神。日本神話においては神武天王以前の神代に地神五代が国を治めたとされる。 |
体の神・用の神 |
体の神とは実体のある神。用の神とは、単に働き、作用を神としてあらわしたもの。 |
二界・八番の雑衆等 |
法華経の序品に列座した菩薩衆、声聞衆、雑衆の三衆の中の雑衆をいう。二界とは欲界、色界のこと。八番とは①欲界天衆、②色界天衆、③竜王衆、④緊那羅(きんなら)衆、⑤乾闥婆(けんだつば)衆、⑥阿修羅王衆、⑦迦楼羅(かるら)衆、⑧人王民衆の雑衆のことをいう。 |
有供養者福過十号 |
供養することある者は福十号に過ぐ。妙法を信受する福運は十種の尊称を有する無上の仏身を持つ功徳に勝ること。 |
若悩乱者頭破七分 |
若し悩乱する者は頭七分に割れ。日蓮大聖人の三大秘法の御本尊を謗ずる者が、必ずその罪果を受けるとの意。頭破七分は、善悪、邪正の判断がつかず苦悩することをいう。 |
仏滅後、二千二百三十余年の間一閻浮提の内未曾有の大曼荼羅なり。 |