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貴乃花親方がバッシングされても相撲協会と決裂した本当の理由

週刊朝日

福岡空港に到着した日馬富士=21日午後5時46分、福岡市博多区、堀英治撮影 (c)朝日新聞社

福岡空港に到着した日馬富士=21日午後5時46分、福岡市博多区、堀英治撮影 (c)朝日新聞社

九州場所会場の役員室を出る貴乃花親方 (c)朝日新聞社

九州場所会場の役員室を出る貴乃花親方 (c)朝日新聞社

福岡国際センターに入る伊勢ケ浜親方(中央)=17日午前10時21分、福岡市博多区、加藤諒撮影 (c)朝日新聞社

福岡国際センターに入る伊勢ケ浜親方(中央)=17日午前10時21分、福岡市博多区、加藤諒撮影 (c)朝日新聞社

「例えば、日馬富士が記者会見を開き、謝罪し、九州場所は自ら謹慎して休場していれば、被害届を下げたはず。貴乃花親方は当初、『ことを大きくはしたくない』などと言っていましたから。このままだと暴行事件がうやむやにやり、相撲協会にもみ消されてしまうと危機感を募らせたようです」(同前)

 相撲協会は過去にも時津風親方や朝青龍の暴行事件などを隠ぺいしようとし、問題となったこともあった。

「貴乃花親方は常々『相撲協会は閉鎖的で昔のまま、変わっていない。もっとオープンにしないと時代から取り残され、相撲は国技として存続できなくなる』と言い、今回の事件もきちんと発表すべきと考えていた。おまけに、八角理事長とは関係がよくない。巡業部長というのは、1年の半分は巡業とその打ち合わせで地方回り。貴乃花親方に近いある親方は『貴乃花が目障りなので、東京から遠ざけようと八角理事長らが事業部長に左遷した』と八角理事長を批判していた。理事らがマスコミに、貴乃花親方の対応をすごく批判的にリークしているのにもカチンときて、ますます頑なになっていると思います。『出るところに出て、徹底してやるしかない』と貴乃花親方は覚悟を決めているようです。簡単には和解できないと思う」(相撲協会関係者)

 ある親方は匿名を条件にこう相撲協会の内情を明かす。

「相撲協会、伊勢ケ浜親方、日馬富士は殴ったことは事実なのだからとにかく、貴乃花親方と貴ノ岩に謝り、早く和解すべき。せっかくの相撲人気に水を差し、ファンが離れてしまう。また閉鎖的な相撲協会とレッテルを張られ、ダメージは測りしれない。貴乃花親方が頑ななのは、協会への不満があるからでしょう。日馬富士は当然、引退か、出場停止の処分が下されないといけない。伊勢ケ浜親方や協会幹部も処分対象ですよ。そうした処分の中身や今後について方向性を協会は示した上で、貴乃花親方と交渉しないと難しいでしょう。貴乃花親方だって拳を振り上げた以上、軽々しく協会との話に応じたら、メンツ丸つぶれです。それと暴行がこれだけの大騒動になったのは、協会がモンゴル力士を管理できない裏返しでもある。協会の幹部は責任を取りたくないものだから、何も動こうとせず、影で貴乃花親方の悪口ばかり言っている。協会はごまかそうとか、保身を考えるのではなく、ファンあっての相撲ということを肝に銘じて、早く沈静化させるべきです」

 迷走する一方の暴行事件の解明だが、果たしてどんな決着となるのか。

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