ITmedia NEWS > 製品動向 > 米Boston Dynamics、4足歩行ロボット「SpotMini」...
ニュース
くわしく
» 2017年11月22日 11時46分 公開

米Boston Dynamics、4足歩行ロボット「SpotMini」商品化へ 警備・建設分野に需要

米Boston Dynamicsは、4足歩行ロボット「SpotMini」の商品化を進めている。

[太田智美ITmedia]

 ソフトバンクグループ傘下のロボット開発企業・米Boston Dynamicsの創業者マーク・レイバート(Marc Raibert)CEOは、ソフトバンクロボティクス主催のロボットカンファレンス「SoftBank Robot World 2017」(11月21~22日)の基調講演で、4足歩行ロボット「SpotMini」を「第1番目の商品」として開発していることを明らかにした。現在、テストの真っ最中という。


SpotMini商品化 SpotMiniと米Boston Dynamicsの創業者(兼CEO)のマーク・レイバート氏

 SpotMiniは、屋内での活用を想定した小型ロボット。頭部には、複数の角度から同時撮影できるステレオカメラが付いており、これによって空間を立体的に認識。奥行き情報などを記録しているそうだ。

 他にも、「BigDog」や「Spot」といった4足歩行ロボットや、バク宙に成功し話題になった2足歩行ロボット「Atlas」など、同社では先進的なロボットを開発している。しかし、このようなロボットはどのように使われるのだろうか。お掃除ロボットでもなければ、aiboのようなペットロボットでもない。その活用に期待する企業が基調講演に登壇したのだが、少し意外な分野だった。

 その分野とは、警備会社と建設会社だ。産業用ロボットの分野であれば分かるが、このようなロボットをどのように活用するのか。

 セントラル警備保障の鎌田伸一郎社長は、力強くこう話す。「ソフトバンクは『ロボット』『AI』(人工知能)、『IoT』(Internet of Things)を新しい成長エンジンとして3本柱に掲げているが、警備会社はまさにそのど真ん中にいる。警備会社は現在、人で成立している業界。技術の進展が必要な業界だ」

 実際、警官25万人、自衛隊23万人に比べ、警備員の数は54万人となっており、現在の警備は人が中心。ロボットで代替できることはロボットに任せるというスタイルに移行したいのだという。ロボットに人の仕事が奪われるのではないかという議論もある中、鎌田社長は堂々と言う――「最終的には人。だが、8割の業務がロボットで代替可能だ」。

 セントラル警備保障ではPepperの導入も真っ先に行い、「警備はロボットに代替できる」と考えているようだ。その理由として、従来は現場に行くまで何が起こっているか分からなかったが、ロボットを使えばそれが事前に分かり予防へとつながることなどを上げている。

 「技術サービス産業への脱皮が必要だ」(鎌田社長)


SpotMini商品化 セントラル警備保障がロボットに求める3つの機能

SpotMini商品化

 一方、建設会社のフジタと竹中工務店も、人手不足などを理由に「建設作業のロボット化」を求めている。「例えばSpotの手を4手にしたら、操作性が上がって危険な場所の安全点検も任せられるようになるかもしれない」(竹中工務店 取締役 専務執行役員 岡本達雄さん)。


SpotMini商品化

 今回、「詳しくは……お楽しみに」と書かれた「新しいSpotMini」と題した動画が公開されたことからSpotMiniの登場を期待していたが、その期待はかなわなかった。しかし、その準備は着々と進んでいるようだ。

太田智美

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

- PR -

Special

- PR -

働き方改革の進みぶりは米Dellのキーマンも“想定外” パナソニック北米法人で20年要職を務めたポウラ氏が示す「日本のワークスタイルが変わる道」とは

旧来型のメインフレームやオンプレミスサーバよりも高い価値をクラウドで実現するためには──。一歩踏み出した先人たちの【声】をお伝えします。

AIが人間を手助けすることで「1万8000人の社員を半分に」「4万6200時間かかる仕事を150時間に短縮」──本当に実現できる? AIのビジネス活用はここまで進んでいます。

それまで“チラシで宣伝”だった会社が、Webでの集客に「本気」を出した! そのために必要だった、サイト改革とは?

初のオールインワン型ワークステーション発売から約半年。「日本のPCユーザーが抱えて いる課題感に気付いた」――担当者がこう話す理由とは?

「もう10分待ったよ……」 なかなか始まらない“グダグダ会議”にイライラ。そんな編集部のピンチを救ったのは?

デジタルトランスフォーメーションの革命時代を生き抜くために 国内屈指のクラウドサービスを多くのお客さまへ

2020年のWindows 7サポート終了を控え、Windows 10の導入と運用を検討する企業担当者はいま何をすべきか。

本来なら処分にお金がかかるPCや家電などを、無料で引き取ってくれる回収業者。なぜ“タダ”でビジネスが成立する? 本当に信頼して大丈夫? その舞台裏に迫ります。

Special

- PR -

なかなか始まらない“グダグダ会議”にイライラ。そんな編集部を救ったのは?

KDDIグループとなったアイレットが目指す、新しい価値創出の方向性とは?

VR/ARは建築・設計の仕事をどう変える? 独占インタビュー映像公開中

処分にお金がかかるのに、なぜ無料で回収できるの? その舞台裏に迫ります。

”チラシで宣伝”してた会社が、Web集客に「本気」を出した! その結果は?

従来よりも高い価値をクラウドで実現 一歩踏み出した先人たちの【声】とは

日々進化する人工知能(AI)は本当に仕事で役立つのか?実践的な話題を紹介

Dell初のオールインワン型ワークステーション発売。購入者の"意外な反応"は?

いま、何をすべき? 課題と対策、見えていますか?

“日本通”の米Dellキーマンも意識の変化に驚いた 企業がさらに変わるには?

1000点中、あなたは何点? 個人情報の入力は不要!

2020年1月に延長サポートが終了。今からWindows 10移行を着実に進めよう。

AI×ビジネスの最新動向がここに! 企業成長を応援する「Changer」をチェック

次代を担うテクノロジーと才能の最先端を追う【先端(ギ)研】

「4万6200時間分の仕事が150時間に減った」その理由はAIのビジネス活用だった

遂に「働き方シンカ論」発表!今やワークスタイル改革は「経営戦略」です。