2017年01月19日

文科省天下りあっせん問題 早大・鎌田総長の関与と責任は?

文科省天下り あっせん数十件か 元局長、在職中求職(2017年1月19日7時00分 毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20170119/k00/00m/040/112000c
『文部科学省が2015年、早稲田大に再就職した元幹部(61)の「天下り」をあっせんした疑いがある問題で、過去にも同様の行為が数十件あったとみられることが関係者への取材で分かった。また、元幹部は在職中に自ら大学側と接触し、再就職の相談をした疑いがあることも判明した。いずれの行為も国家公務員法に抵触する可能性があり、調査している政府の再就職等監視委員会は早ければ19日にも調査結果を文科省に報告する。違法行為が確認できれば、職員の処分などを求める「勧告」を初めて出す可能性がある。関係者によると、文科省元高等教育局長は15年8月に退職し、同年10月に早稲田大の教授に就任したが、監視委が調査した結果、文科省人事課が元局長の経歴などに関する情報を大学側に提供するなど、組織的に天下りをあっせんした疑いがあることが分かった。また、元局長が在職中に大学側と再就職の相談などをした疑いもあるという。高等教育局は大学などに関する業務を所管している。07年成立の改正国家公務員法は、再就職のあっせんだけでなく、職員本人が在職中に利害関係企業などに再就職の要求をしたり、経歴を提供したりといった「求職活動」も禁じている。元局長は文化庁著作権課長などを歴任し著作権に詳しく、大学でも著作権に関する講義をしている。元局長は毎日新聞の取材に「監視委がどのような判断をするか分からないのでコメントできない」と話した。早稲田大は「監視委の調査結果が公表されておらずコメントできない」としている。』


今回問題となっている文科省元高等教育局長とは、吉田大輔氏のことだと思われます。
http://researchers.waseda.jp/profile/ja.994345f134ed57e0280ce85d55eef2af.html
https://jrrc.or.jp/seminar/images/20160226.pdf

吉田元局長といいますと、法科大学院特別委員会の場において、早大の鎌田総長と顔を合わせていた間柄なんですね。
(参考)平成27年6月8日開催 第69回議事録
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/gijiroku/1361202.htm

もちろん、文科省の局長なんですから、これ以外にも当然、接点があってもおかしくはありませんが、
法曹養成や法科大学院の問題を継続的にウオッチしてきた立場からは、この問題はどうにも他人事には思えませんでした。

この問題、推測でしかありませんが、鎌田総長の関与がなかったとは、およそ考えられないように感じます。
鎌田先生の責任が、今後問われていくように思います。
特別委員会の委員辞任にとどまらず、早大総長も辞任に追い込まれるかもしれませんね。


話は変わりますが、
補助金の見直しでも、早稲田ローは配分率がトップ・・・・・おっと誰か来たようだ。



<鎌田先生に関する当ブログ記事>
鎌田先生「それ(補助金)を削って合格した人に回すというのは法科大学院の側から言うと納得はしがたい」(2013年7月15日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52029023.html
適性試験任意化の承認は次回以降に持ち越し?(2016年5月11日 ※適性試験任意化方針に抵抗する鎌田先生の発言に関する記事)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52155393.html

<法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの審査結果>
(平成27年度)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52105872.html
⇒早稲田ローは135%(基礎90%+加算45%)で全国トップ

(平成28年度)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52142790.html
⇒早稲田ローは145%(基礎90%+加算55%)で全国トップ

(平成29年度)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52175746.html
⇒早稲田ローは140%(基礎90%+加算50%)で全国トップ

早稲田ロー「文部科学省より極めて高い評価を受けました。」(2017年1月12日)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52177028.html

【2017/1/20 追記】
吉田・文科省元高等教育局長が早大教授を辞職、鎌田総長が記者会見「不当な癒着はない。不適切な利益供与、便宜供与を求めたこともなければ、受けたことも一切ない」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52177733.html

【2017/1/23 追記】
文科省元局長天下り問題と法科大学院制度との関係性について(まとめ)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52177927.html

schulze at 08:44│Comments(11)9拍手司法試験 | 司法制度

この記事へのコメント

1. Posted by うな重   2017年01月19日 12:47
記事の趣旨とズレますが在職中の求職も禁止なんですね。それはそれでどうなんだか
2. Posted by schulze   2017年01月19日 13:04
うな重様は、どのあたりを疑問に感じられておられるのでしょうか。よく分かりませんでした。失礼ですが、在職中の転職活動全般が禁止されているものと誤解されておられませんか。

<参考>国家公務員法の再就職等規制の概要(内閣府)
http://www5.cao.go.jp/kanshi/gaiyou.html
3. Posted by ロートル二年目弁護士   2017年01月19日 20:39
奥島総長による細山田の再就職あっせんは美談なんだが(´・ω・`)
4. Posted by schulze   2017年01月19日 20:57
>奥島総長による細山田の再就職あっせんは美談

良かった!癒着の象徴とかでなくて。
(^^;)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52053607.html
5. Posted by 弁護士Y   2017年01月20日 01:58
これは本当に重大な問題だと思います。
ロースクールや大学のせいで、若手弁護士、司法修習生、ロー生が経済的困窮に苦しんでいるとき、
大学と文科省は裏で甘い蜜を吸っていたのですから。やはり、という感じです。

文科省からロースクールへ他にも天下りがいないかについては、徹底追及していきたいところです。

また、鎌田薫さんは、弁護士登録もしているようですが、今回の件に関与しているなら、弁護士としての品位を害していると思います。
6. Posted by かんさいじん   2017年01月20日 10:34
昔話で恐縮ですが・・

 かつて「司法試験なら中央」が世間の常識だった頃、法職過程教室を立ち上げて受験指導に乗り出した結果、合格者を大幅に増やし東大を抜いた年さえありました。

その原動力となったのが、当時助教授だった鎌田総長。
赤門白門何するものぞと勝負に挑んだ気概は今いずこ。

既存の権益の擁護者と成り果て、お手盛りで補助金トップの我田引水を苦々しく見ていましたが、これを天下りで誘導していたのなら事は重大。

一部では早稲田の建学の精神である「学の独立」が脅かされるなどと書かれていたりするようです。
 中国や韓国ならいざ知らず、学問の自由が揺るぎない我が国で、少々役人の禄を引き受けた程度で介入を招くはずもなく、いささか大仰な議論ではと思いますが、天下りと補助金にまつわる話はいただけませんね。

事務次官辞任にまで発展した以上、鎌田総長の責任は免れないと思います。
7. Posted by schulze   2017年01月20日 10:42
>既存の権益の擁護者と成り果て、お手盛りで
>補助金トップの我田引水を苦々しく見ていま
>したが、これを天下りで誘導していたのなら
>事は重大。

↑ココが大事なとこです。
早くマスコミが追及して欲しいです。
8. Posted by 弁護士Y   2017年01月20日 12:11
>既存の権益の擁護者と成り果て、お手盛りで
>補助金トップの我田引水を苦々しく見ていま
>したが、これを天下りで誘導していたのなら
>事は重大。

↑おっしゃるとおり、ココが一番大事と思います。
賄賂罪に該当する可能性さえあるように思います。
9. Posted by 傍観者   2017年01月20日 17:14
ニュース速報によると、結局辞職したそうですね。
文部科学省は、文部省の時代から碌なことをしない。
10. Posted by 弁護士Y   2017年01月22日 14:12
吉田大輔元文科省局長は、平成26年2月4日に法科大学院特別委員会に初めて出席したようです。
もちろん、鎌田薫早稲田大学総長は当時も法科大学院特別委員会の委員でした。
(参考)平成26年2月4日開催 第59回法科大学院特別委員会の議事録
11. Posted by 弁護士Y   2017年01月22日 21:45
先ほどのコメントの補足なのですが、
時系列的に、「吉田氏と鎌田総長が平成26年から顔を合せるようになった後、平成27年以降、早稲田が補助金トップになった」という流れが明らかな方が、一般人が分かりやすいように思いました。

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