ここ数日各地で初雪が観測されました。私が住む函館も見事な雪景色となりました。
私は雪の季節になると、必ず地元新潟の雪男の話を思い出します。
雪男と聞くとビックフットやイエティ等恐ろしいイメージがあるかと思いますが、この新潟に住む雪男はなんともチャーミングなので是非紹介させて下さい!
私はこの雪男が大好きなのです。
『北越雪譜』の異獣
それは鈴木牧之による江戸時代の書物『北越雪譜』で語られている謎の獣のお話です。
分かりやすいように挿絵を書きましたので参考にして下さい。
以下
より
ある年の夏の初めのこと。越後国(現・新潟県)の問屋が遠方の問屋へ急ぎの届け物をすることになり、竹助という男が大荷物を背負って使いに出た。7里(約28キロメートル)の道のりの途中、山中で竹助が一休みして食事を取ろうとした。
そこへ谷間の根笹を押し分け、奇妙な獣が現れた。
サルに似ているがサルではなく、頭の毛が背中に垂れるほど長く、背丈は人間よりも大きかった。獣が弁当を欲しいそぶりをするので、竹助は用心しつつも弁当をわけると、獣は嬉しそうに食べ始めた。
雪男)もぐもぐ!
竹助)よかったね。
安心した竹助は、帰り道にも弁当をわけてあげようと告げ、そろそろ出発しようと荷物を手に取ろうとすると、それより先に獣が荷物を背負い、竹助の前を歩き始めた。お陰で竹助は苦もなく山道を歩ききることができた。
目的地が見えてくると、獣は荷物を降ろして山へと駆け去った。その速さたるや、疾風のようであった。
以来、この獣は山を通る者にしばしば目撃された他、人家を訪れて食べ物をねだることもあったという。
可愛い!!
どうですか!とってもチャーミングですよね?
お弁当の匂いにつられて、うっかり草間をかき分けて出て来ちゃう雪男さん。
で、見事お弁当を分けて貰うと、美味しくて嬉しくてもう、ついついお礼に荷物を持って歩き出しちゃいました。。
だけど、荷物を置いた途端なんだか恥ずかしくなったんでしょうね。疾風のように帰って行くのです。
まぁ、竹助サイドもお人好しと言うか、天然というか…。
突然現れた謎の異獣にお弁当を分けてあげるなんて。
私だったら逃げるか、失神します。
しかも、その後何も言わずに荷物を持たれたら普通泥棒されるのでは、と警戒しますが、竹助はそのまま後ろを歩いて行くのです。
んー、なんて言うか、皆んな良い人。ほっこり。
私の一番好きなシーン。きっと照れ臭くて物凄い勢いで走り出したんだろうなぁ。
日本酒『雪男』
なんとこの雪男をモチーフに作られた新潟の日本酒があります。
画像はHPからお借りしました。
実はこの日本酒の雪男の絵に一目惚れして、このお話を知りました。
ラベルは疾風のように逃げ帰るシーンに見えますが、荷物を背負っているので多分山道で「こっち?」って言っているシーンでしょう。
因みにこの日本酒私まだ飲んだことが無いのです。
関連商品で雪男サイダーと言うものがあり、それは綺麗な水で作られているに違いない!と思わせるピュアな美味しさでした。
ストラップとか売り出してくれたら即買いするのですが、今のところそれは無い様子。
ここまで読んだ方はもう雪男と言ったら
①ドラクエのモンスター「イエティ」
②スターウォーズEP7に出てくる「イエティ」
では無く、新潟のイエティを思い出す事でしょう。
でも、私は上の①、②のイエティも好きなので、イエティ好きなのかも!?
このブログを書く事で思わぬ事を発見しました!わーい。
もっと上手な絵で再現してくれる人が現れて欲しい。
こんなにほっこりハートウォーミングな話なので、もっと上手な絵で再現しているものを見たい。
カラーで(私は色塗りが苦手なのです)。
特に疾風の如く走り去るシーン。
どなたか描いてくれないでしょうか。
ワンシーンだけでも良いので……。