「好みの男性のタイプは?」と訊かれたら、私はいつもこう答える。
「ギャル男」
すると100発100中で「えっ」という反応をされるし、結構な確率で「ナルシストが好きなの?」と訊かれる。世間は、ギャル男に対して、「常に鏡ばっかり見て髪型を気にしてチャラチャラしてる自分大好き人間」と思っているけれど、それはとんでもない勘違いだと思う。
ギャル男のこと、みんな勘違いしてる
だって、ギャル男というファッション、あの外見には、とても手間ひまがかかる。あんなに時間をかけて髪の毛をスタイリングしたり、カラコンを入れたり(絶対に裸眼の方が快適なのに)、履くのにも脱ぐのにも時間がかかる服を着たり、一日に何度も前髪を直したり、前髪が崩れていないかを確認するために鏡を探したり。これはどう考えても、自分のことを「イケてる」と思っている人が取る行動ではない。
ありのままの自分を素敵だと思っていたら、こんなにも手間ひまのかかる生き方をするわけがなくて、「寝て起きたままの自分じゃ全然ダメ、カッコよくない。やれるだけのことして、少しでもマシになりたい」という気持ちがなければ、ギャル男にはならないし、なれないし、ギャル男を維持できない。
ギャル男とは、ナルシストの逆で、コンプレックスの文化だ。ナルシストに関して言えば、それは起きてすぐ出かけられる系の男性のことだと思う。一日に鏡を一度も見ないような人。髪型で言うと、坊主。
ありのままの自分をヨシとしているだなんて、そのままで大丈夫だと思っているだなんて、とんでもないナルシストだな、と思う。それに比べて、ギャル男のように身支度に時間がかかる男子って、とても謙虚だと思う。自己評価が低くて、可愛い。
外見に手間ひまかけていない男はずうずうしい
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。