はじめまして。下田美咲です。
26年前に、ナンパ師の父(チャラい)と小悪魔な母(どチャラい)にオギノ式で作られ、誕生しました。クレイジーな姉(恐い)とNo.1ホストの弟(鬼畜)とシラけた犬の5人と一匹の家族構成です。好きな男性のタイプは私にだけ優しい人で、外見だと、何回見てもイマイチ覚えられない感じの顔が好みです。
今日は、私が一目置いた素敵な奢り方をしてくれた男の子の話をします。が、その前に、デート時のお会計についての私の断固としたスタンスを説明します。
「私も半分出しますよ」パフォーマンスはしない
私はデートの際のお会計において「私も半分出しますよ」パフォーマンスをしたことが、一度もない。初デートであっても、何度目かのデートであっても。財布を小脇に抱えて「いくら出せばいいですか」顔を作ったことも、ない。
お願い。断固として払ってほしい。と思っているからだ。これはお金の問題ではない(正直なところ、私はほとんどの同世代の男子よりも稼いでいるので、お金は持っている)。しかし。 デートでワリカンの流れになってしまったら、私は相手を性的な目で見れなくなってしまうのだ(詳しくは後述)。
それは避けたいと思っているから、私は好きになる可能性のある男の人とのデートでは、財布を出すふりをしない姿勢を26年間貫いている。出すそぶりを一切しないことで、相手から図々しい女だと思われる危険性があるとしても。その人と恋をしたい時ほど、財布は出さない。
付き合うかどうか決めかねていた彼
20代前半の頃のこと。私には付き合うかどうか決めかねていた男の人がいた。彼には何回か告白されたのだが、いまいち決め手に欠け、ずっと友達関係を続けていた。そんなある日、彼から「今年の母の日は、美咲さんのお母さんを連れてごはんに行こう」と提案された。こんなにも真正面から脇を固めたがるほど恋をしてくれてて可愛いなぁと思ったので、私はその提案を受けることにした。
当日。彼はギャル男だったので渋谷に集合した。待ち合わせ場所のハチ公近くの交番前に到着すると、器用にセットされた盛り髪(私はストレートアイロンを駆使して髪の毛をスタイリングする男の人が大好きで、むしろアイロンを使わない人は恋愛対象から外れる。だからアイロン文化がない時点で、海外の人はもれなく恋愛対象外。魚肉ソーセージに見える。※どこがってわけではなく存在感が)と、細すぎる脚に対して見事なほどジャストサイズのスキニーデニム、春らしいピンクのシャツを羽織った彼は既にそこにいて、遠目でもすぐ発見できた。
和食のレストランに入り、美味しい鍋を囲んだ。お酒を飲まない母のテンションは一定なため(外づら対応が安定しすぎている)、空気がほどけることがなくて(お酒って大事)なかなか気詰まりな感じだった。けれど、彼のトークはひたすら「美咲さんが好き」を軸に展開されるため、和やかな空間ではあった。そしてお会計の時が来た。
彼が伝票を受け取ると、母が「あらあら、Aくん大丈夫よ、いつも美咲がお世話になっているんだし、私がいるときくらい、私が出すわよ。そのお金は2人のデートで使ってね。顔が良いだけで何もできないワガママな美咲を可愛がってくれて、いつもありがとうね。顔が良いのは私が可愛く産んであげたからなんだから感謝しなさいよ美咲」と言い、右手を財布にかけながら左手を伝票へと伸ばした。すると彼は言った。
「いえ、僕、お金くらいしか良いところないんで! お金だけは出させてください」
お会計の場面というのは、どうであれ基本的に少し気まずい。経費以外は全て気まずい。最も気まずいのはワリカンだと思うけれど、奢ってもらう場合でも、払ってくれる様子を見てるだけとなる手持ち無沙汰な数秒がなかなか気まずい。
だから、世の気が利く男性たちは、女性に気を遣わせないようにするために、トイレに行くふりをしてコッソリ払っておいてくれていたり、女性がトイレに行っている間にさりげなく会計を済ませておいてくれるのだろうし、そういう男性はたくさん見てきたけれど(素敵だ、と毎回思う)、こんな風に真正面から気を使わせない奢り方ができる彼のことは、また別格に「素敵だ」と思い、私はこの瞬間、彼に一目置いた。
そして結果的にこの後、彼と付き合うことにしたのだった。気まずくないお会計ができるってすごい。
ワリカンする男の人を性的対象から外す理由
冒頭でも話したように、私はワリカンをする男の人のことは、性的な対象から外す(だから友人関係にある男の人ならワリカンで別に良いし、ワリカン男子自体をダメだと思っているわけではない)。
ワリカンをする男の人を性的な対象に見れないのは、「お金持ちじゃないとイヤ」とかそういうことではなく、恋愛を始めて13年が経ち「自分にとっての恋愛とは」が、よく解ってきたからだ。私の場合、ワリカン男子は恋愛対象に向かない。
なぜかと言うと、私は彼氏には甘えたい派で、その甘えたいのレベルが尋常ではないのだ。彼氏のことは、部屋の中では座椅子にしたいし、 いつでもどこでも背もたれにしたいし、一緒に電車に乗るのであれば、私のつり革は彼がいい。ハンモックになってほしいし、脚置きでいてほしい。
これは相手を支配したいとか、自分の言いなりにしたいとか、そういう意欲ではない。私はただ、恋人の隣では、赤ちゃんのように守られて、ぐにゃぐにゃで過ごしたい。ずーっとベタベタしていたいし、デレデレしていたい。
なので、彼氏の前でシャキッとしなければいけない場面が発生することが苦手で、ワリカンは、その意味ですごく難しい。デート中に、お会計のシーンになるたびに「あ、じゃ、これ私の分で」って、やらなきゃいけないとなると、もはや甘えん坊モードになれない。その人とのデートでは、しっかり者でいる必要がある。 お会計のとき以外はデレデレしていて、お会計の時だけ、しっかりする、というのは、どうも気まずい。そんなコロコロとキャラの切り替えできない。
ベッドの中だけ男らしくされても……
それに、ベッドの中だけで男らしくされても、なんかなぁ、という感覚もある。男の人って、ベッドで甘えさせてくれる時が1番男ぶるから、実際その時が1番男らしくてカッコイイ瞬間だと思うのだけど、そんなイチャイチャモードの時にどれだけ男ぶってて男らしいことを囁いてくれたとしても、でもこの人ってお会計では私を甘えさせる器ないんだよなぁ、って思っちゃうどうしても。 ワリカンのくせにエロいこと言ってる......って、なんというか辻褄が合わない。
だから、恋人とだけは絶対にワリカンをしたくない。食事に行くにしても、お高いレストランでワリカンをしてグレードの高いものを食べるのと、チェーンの牛丼屋で奢ってもらうのだとしたら、後者の方が断然いい。1杯700円 のカフェでお茶をしてワリカンになってしまうなら、場所は公園でいいから、120円の缶ジュースを私の分も買ってほしい。というかその選択肢以外ありえない。
こういう話をすると、「彼氏がお金ない時はどうするの? デートできないじゃん」と言われるけど、そういう時はお会計が発生しないデートをする。例えば、相手の実家で遊んで、相手のお母さんが作ったご飯を一緒に食べる。もしくは私の家で宅飲みをする。お酒は用意しておく。このために買ってきたわけじゃなく、元から、あったことにする。
というわけで、彼氏は奢ってくれないと困る。コレは私にとって、お金の問題ではなく、自分の性欲を保護するために、どうしても必要なことなのだ。
(次回5/25更新予定)