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NEWS / HEADLINE - 2017.11.23

IAMASが発信するメディア・アート研究の「新しい時代」。「岐阜おおがきビエンナーレ2017」開催

岐阜県大垣市に拠点を置く情報科学芸術大学院大学(IAMAS)が、12月19日〜24日の6日間、「岐阜おおがきビエンナーレ2017」を開催する。会期中は毎日シンポジウムが開催されるとともに、そのテーマに沿った資料展示が行われる。

時空間3Dスキャニングシステム(2017)による三輪眞弘《みんなが好きな給食のおまんじゅう》(2013)

 メディア表現を専門とする教育機関、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)が、2004年から開催している「岐阜おおがきビエンナーレ」。

 7回目となる今回は、「新しい時代 メディア・アート研究事始め」をテーマに掲げ、2016年度で開学20周年を迎えたIAMASと軌を一に展開してきたメディア・アートについて、改めて問い直すことを試みる。ディレクターは、同大学で教鞭をとる伊村靖子(芸術学)と松井茂(詩人)が務めている。

久保田晃弘の作品=資料としてのコード

 今回は、従来の作品展示を中心としたビエンナーレとは異なり、会期中毎日開催されるシンポジウムを軸に、そのテーマに関連した資料展示を行う形式となる。取り上げる作家は、それぞれ美術、工学、音楽と異なる背景を持ちながらも、ともにコンピュータと人間の関わり方を表現としてきた藤幡正樹、久保田晃弘、三輪眞弘の3名。

 藤幡は、インターネットを活用したコミュニケーション・メディアの先駆である《Light on the Net》(1996)の筐体と、制作に際してのノートを展示。人工物の設計を通じて「自由」のあり方を問う久保田は、2000年以降のライブ・コーディングを中心とした関連資料を公開。また三輪は、《赤ずきんちゃん伴奏器》(1988)など、作曲のみならず演奏にもコンピュータを使用した初期の楽曲に関連する資料や、3Dスキャニング技術を用いた演奏の記録を発表する。

1996年当時の藤幡正樹《Light on the Net》のwebサイト

 シンポジウムは、ウェブでの中継も行われる予定。IAMASから発信されるメディア・アートの「新しい時代」に注目だ。

information

岐阜おおがきビエンナーレ2017
新しい時代 メディア・アート研究事始め

会期:2017年12月19日〜24日
会場:情報科学芸術大学院大学(IAMAS)
住所:岐阜県大垣市加賀野4-1-7
電話番号:0584-75-6600
開館時間:11:00〜19:00(22日、23日〜20:00)

event

シンポジウム

「新しい時代」
日時:2017年12月19日 18:00〜20:00
会場:セミナーホール
登壇者:久保田晃弘、藤幡正樹、三輪眞弘
モデレータ:松井茂
 
「再演、再制作、再展示」
日時:2017年12月20日 15:00〜18:00
会場:ギャラリー1
登壇者:赤羽亨(メディア表現/IAMAS准教授)、石谷治寛(芸術史/京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)、三輪健仁(芸術学/東京国立近代美術館主任研究員)
モデレータ:伊村靖子
 
「資料の読み書きと教育」
日時:2017年12月21日 15:00〜18:00
会場:ギャラリー1
登壇者:石谷治寛(芸術史/京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員)、松隈洋(建築家/京都工芸繊維大学デザイン・建築学系/美術工芸資料館教授)、渡部葉子(近現代美術/慶應義塾大学アート・センター教授)
モデレータ:伊村靖子
 
「久保田晃弘:コードを記述し、実行し、保存する」
日時:2017年12月22日 15:00〜18:00
会場:ギャラリー1
登壇者:市川創太(建築家/doubleNegatives Architecture Ltd.)、永田康祐(美術家/東京藝術大学大学院映像研究科)、松川昌平(建築家/慶應義塾大学環境情報学部准教授)
モデレータ:松井茂
 
「三輪眞弘《夢のガラクタ市》二つの再演をめぐって」
日時:2017年12月23日 15:00〜18:00
会場:ギャラリー1
演奏:篠﨑史子(ハープ)、有馬純寿(エレクトロニクス)
登壇者:有馬純寿(音楽家/帝塚山学院大学人間科学部准教授)、岡部真一郎(音楽学/明治学院大学文学部教授)、北野圭介(映像理論/立命館大学映像学部教授)
モデレータ:松井茂
 
「藤幡正樹《Light on the Net》を解読する」
日時:2017年12月24日 15:00〜18:00
会場:ギャラリー1
登壇者:飯田豊(文化社会学/立命館大学産業社会学部准教授)、喜多千草(コンピューティング史研究/関西大学総合情報学部教授)、篠原資明(詩人、美学/高松市美術館館長)
モデレータ:松井茂
 
※20日〜24日のコメンテーター:藤幡正樹、久保田晃弘、三輪眞弘(予定)
※シンポジウムはインターネットによる中継の予定あり。詳細はSNS(https://twitter.com/OgakiBiennale)を参照

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