蹴球探訪
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【大相撲】白鵬乱心!待ったアピール通じず 土俵の上で下で物言い要求1分間2017年11月23日 紙面から
◇九州場所<11日目>(22日・福岡国際センター) 一人横綱となった白鵬(32)=宮城野=は関脇嘉風に寄り切られて初黒星を喫した。待ったをアピールしたものの、立ち合いは成立していた。後続と1差に縮まったが、依然として単独首位。白鵬を追う平幕2人は、北勝富士が大関豪栄道を押し倒し、隠岐の海とともに2敗を守った。 あっさりもろ差しを許した白鵬が「待った」をアピールするように、嘉風の肩越しに回した右腕を浮かせた。立ち合いはしっかり成立し、そのまま寄り切られて土俵下へ。今場所初黒星の後に、信じ難い振る舞いが飛び出した。 砂かぶり席まで吹き飛ばされた横綱が、立ち上がると土俵下でサッと右手を挙げて再び「待った」を主張。その場で立ち続けた約1分間、早口でまくしたてるなど抗議の意志をむき出しにした。勝負審判に促されて土俵に戻ったが、嘉風の勝ち名乗りの間に改めて挙手。打ち出しの拍子木が鳴っても、土俵上で仁王立ち。未練タラタラだった。 首を何度もひねり、弓取り式直前でようやく引き揚げ。支度部屋では「1回(ビデオで)見てもらいたかった。納得いかないわけじゃないけど…」 だが、物言いの権利があるのは、勝負審判5人と土俵下に控える力士だけ。大リーグで導入されているチャレンジのような勝負の当事者によるリプレー検証の要求は、無理な相談だった。 勝負審判として、白鵬の視線の先にいた式秀親方(元幕内北桜)は「白鵬は『物言いだ』『待ったです』と言ったのかな」と振り返り、きっぱり言い切った。「横綱も序ノ口の力士も一緒。正々堂々とね。横綱でも負けたら潔く、礼に始まって礼に終わる。大横綱の白鵬だからといって、そういうのはない」 八角理事長(元横綱北勝海)も「勝負に対する執念は分かるが、潔くだよね。立ち合いは難しい。でも、自分で決めちゃいかん」とバッサリ。その上で「あした(12日目)気合を入れてくるんじゃない」と立て直しを予言した。 思わぬ1敗だが、優勝争いは1差でリードしている。一人横綱となってより注目が集まる中、優勝40回の大台を目指す一年納めの土俵。「終わったことだから」と切り替え、残り4日間でしっかり綱の威厳を示したい。 (志村拓)
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