10月も沢山の漫画を読みました。
先月の面白かった漫画の感想まとめはこちら。
今月から読んだ漫画は全て読書メーターに記録することにしました。
他にも色んな管理アプリを教えてもらったのですが、他人の感想が見聞きできるものでツイッターやAmazonレビューより参考になるものが多く、意見も聞き入れやすいためやはり読書メーターが一番肌に合うようです。
10月の読んだ漫画の冊数は38タイトルの109冊。
中旬まで多忙で4冊しか読めていませんでしたが1日最高38冊読んだりと怒涛の追い上げをキメました。
冊数が誇れるものとは言いませんが、より幅広く知見できるのはメリットだと思います。
なるべく好き嫌いせず、無理のない範囲で多読を継続していきたいです。
というわけでその中から面白かった作品を紹介をしていきます。
興味を持った作品があればぜひ読んでみて下さい。
それでは紹介していきます。
今月のオススメ新刊6選
あまり順位を付けるのが好きでないのと、よりフラットに読んでもらいたいのでベスト3は廃止して特に面白かったものをピックアップして紹介することにしました。
とはいえ年度末に2017年ベスト50の記事を更新予定です。そちらで改めてこんな順位なのかと参考にしていただければ幸いです。
新刊の定義は今年発売されたものとします。10月発売じゃない作品もたまに含むと思いますが、そこはご了承下さい。
この音とまれ!(1~15巻/アミュー)
長らく積んでいましたがようやく一気読み。筝曲部を舞台にした青春王道ストーリー。
音楽漫画はいくつか読んできましたがその中でも相当面白い部類だと感じました。
一人一人の背景がしっかり描かれており、演奏シーンに説得力があり、要所での台詞の一つ一つにパワーがある。そして15巻がまた良いんです!
というわけで『四月は君の噓』『BLUE GIANT』に続いて面白い音楽漫画四天王にランクイン!(もう一つは空席)登場人物の誰もが魅力的です。
ショート・ピース(1巻/小林 有吾)
とある高校の映像研究部を舞台にした青春物語。
才能溢れる者の苦悩と挫折をときに残酷に描くが、そうした辛さだけでなく、まさに己が殻を破らんとする瞬間を切り取った描写には心揺さぶるものがあり、読後感は爽快なものに仕上がっている。
酸いも甘いも味わうため作品の濃度は非常に濃いものとなっているが、飲み込ませる力量はアオアシで折り紙つきであろう。
今後の成長が更に楽しみな作家の一人。
ブタイゼミ(2巻<完>/みかわ 絵子)
10年経っても忘れられない芝居があるんだ。 明確に、ふとした瞬間に、唐突に沸き立つ悪夢のような芝居だ。
そんな芝居を目の当たりにすることができたなら、なんて不幸でなんて幸せなんだろう。
例えるならサナギから成虫になろうともがくセミのように、一度殻を破り飛び立てば、けたたましく己の感情を騒ぎ立てる。
全2巻で、あっという間に読み終えるため、もう少し長く読みたかった気持ちもあるが、セミのように太く短く心をざわつかせたその演劇シーンには非常に心惹かれるものがあった。次回作にも期待したい。
また、片想う。(2巻/タチバナ ロク)
「また」片想いの状態から再スタート。
前とは違う状況でそれでも惹かれあう二人というのはなかなかロマンチックで素敵だ。
壮大なようで適度な距離感を持って繰り広げられる恋模様は果たしてどうなっていくのか続きが楽しみ。つらら可愛い。
白星のギャロップ(2巻/西 連助)
もっと知られていい漫画の1つ。丁寧な描写に加え、2巻はモンキー乗りの手本として見せられたシンプルな美しさに魅入るものがある。
競馬を知ってても知らなくても面白い内容だと思います。
身近なところに一癖ならぬ人物が浮上してきたりと各々キャラが立ってきた。
かぐや様は告らせたい(7巻/赤坂 アカ)
毎回高い位置で安定して笑えて面白い。
今回は新キャラを投入してきたり、選挙戦で珍しくシリアス展開で白銀のかっこいい姿が見られたりと緩急をつけて新生徒会として締めなおしてきた感じが良かった。
皆が幸せになる締めくくり方で漫画が上手い。
そして似顔絵回で改めて感じたのはこの二人、付き合ってないのに愛が深いこと海底の如し。さっさと結婚しろ。
以上が今月のオススメ新刊6選でした。
続いては新規開拓した1巻を中心に紹介していきます。
五等分の花嫁(1巻/春場 ねぎ)
キャッチフレーズは『可愛い未来の花嫁は一、二、三、四、五つ子!かわいさ500%の五つ子ラブコメ!』
タイトルは分割してるますが、いわゆる嬉しいことは倍に、悲しいことは分け合うということでしょう。性格が違えば魅力がそれぞれ異なっていて面白い。
従来の複数ヒロインのハーレム漫画だと誰か一人を選ぶとどうしても別ヒロインのファンから非難を受けて作品そのもの評価を無理矢理下げてくる輩がいるのがネック。
そういうデメリットを消してくるのは上手いなと思った。
顔の判別に困るという新たなデメリットが生じているが読み進めればそのうち見分けが付くはず。
少年マガジンのラブコメの中で一番期待してます。
恋を知らない僕たちは(1巻/水野 美波)
虹色デイズの作者の新作。前作みたくわちゃわちゃした感じかと思ってたら、割とシリアス気味のモニョモニョした感じで新鮮な気持ちで読めた。
前作より雰囲気が好み。 中学から高校に進学するまで、そしてこれからの高校生活に含みが持たされていて続きが気になります。次巻も楽しみ。
そしてボクは外道マンになる(1~2巻/平松 伸二)
強烈!血で血を洗うジャンプの世界が想像以上に過酷だった。ヤクザしかいないもの凄い世界。
自伝漫画と称するにはあまりにも突っ込みどころが多く、ある種ギャグ漫画として楽しめる部分もある。がそうした過剰表現によって当時のジャンプの迫力を魅力たっぷりに描かれているのが良いです。
1巻については文句なしの面白さ。2巻は少々女々しさを感じたが外道マンになる布石だと思うので3巻に期待。
北北西に曇と往け(1巻/入江 亜季)
今月の表紙が素敵で賞。内容自体はまだ評価し難く、前作『乱と灰色の世界』を未読ならそちらを先に読んで欲しい気持ちもあるが、清涼感のある作画とハードボイルドさは魅力的。
能力を生かしたストーリーに発展するのかそれとも全く想像と違う方向に向かうのか弟とカトラに個人的に注目していきたい。
零落(全1巻/浅野いにお)
批判の言葉は蓄積され、賞賛の言葉は風化しやすいのが人間の心理。
例え賞賛と批判の割合が9:1であっても批判の声が目につきやすい。
そうした賞賛と批判の言葉に疲れたからこそ生まれた話だと思う。
漫画家の業の深さ、欲望をぶちまけた地獄みたいな話。
ダダダ(1巻/あみだむく)
家族も目標も無くした男の再生の物語。
ボクシング漫画ということで暴力的な描写がやや目立ち、設定も重いため好き嫌いは分かれそう。
しかし感情に訴えかけてくる文字通りパンチの効いたストーリーは一見の価値あり。
フェチに訴えかけられる作家は必ず伸びると信じているので今後も注目していきたい作家です。
以降は新作旧作を適当に紹介していきます。
鉄鍋のジャン!(全27巻/西条 真二)
「料理は勝負」を信条に、勝つためなら何でもありの悪行三昧。
ありきたりの枠からはみ出し続けるアンチヒーローぶりが斬新で面白かった。
色んなジャンルを掛け合わせたグルメ漫画もそれはそれで好きだけど、久しぶりに単体で勝負できるガツッとくるグルメ漫画に出会えたのは良かったです。
秋田書店版は全27巻と長編ですが、KADOKAWAから新たに発行した新装版は全13巻に納められ、手に取りやすい価格になっています。
最近のグルメ漫画に食傷気味の人はこちらを読んでみてはどうでしょうか。
グルメ漫画四天王の一人として攻撃全振りの先鋒に推したい。
ラーメン発見伝(全26巻/作:久部 緑郎、画:河合 単)
色んなグルメ漫画を読んできたが総合評価ではナンバーワンの名作として推したい。
ある程度完成された品を更に発展、改良させる発想力は、あらゆる物事に応用でき、その柔軟性には感嘆するものがあります。
新しいラーメンを発見していく話だがラーメンという枠組みに囚われず、人情あり、笑いあり、ときにシビアな話ありと、それなりの巻数があるが一辺倒の話にならず、常に新鮮な話を提供してくれる素晴らしいグルメ漫画でした。
ギャルごはん(2巻/太陽まりい)
可愛い。それだけで大いに評価できる。
ギャルごはんと銘打っているが特徴的な料理シーンはなく、料理漫画としては正直一切評価できない。
しかしヒロインの可愛さという点では素晴らしい破壊力がありその純心で一途な姿に心奪われる。
ストーリーのないキャラ物漫画は数巻で飽きてしまうことがままあるが、新キャラの投入でメリハリを付けてきた。
少なくとも3巻はそのシチュエーションのセンスの良さに飽きることはないというのが雑誌でも読んだ感想だ。
うちのメイドがウザすぎる!(2巻/中村 カンコ)
ハイテンションで飽きることなく笑い続けた。
ぶっ飛んだキャラと幼女特有のぷにぷに感がとても魅力的です。
「~しょっ!」が口癖の子の回はオチも含めてお気に入りの回。
尊すぎて浄化されてるシーンは色んな場面で使える保存版。
剣姫、咲く(2巻/山高 守人)
言葉ではなく目で語り合う感情のぶつかり合いが迫力あってカッコいい。
1巻の時点ですでに高い画力だったが、より勢いを感じられる作画になってる。
内容に拙い部分もあるが、楽しませようとする心意気は随所に感じられるし登場人物、作者共々更なる成長に期待。
重版出来!(10巻/松田 奈緒子)
フォントの話が興味深かった。「本当にいい仕事は目立たないもんだ」という台詞はいつか自分も使いたい。
映画化の話は漫画原作が全部こんな感じだったらいいなあと若干夢物語さはあるがプライドを持って取り組む姿勢に胸が熱くなる。
そしてその夢物語と対照的に中田伯に悪夢がやってきそうで、引きは良いが胃が痛くなる。
のぼさんとカノジョ?(8巻<完>/モリコロス)
完結。素晴らしい大団円でした。
登場人物がみんな優しくて、ドキドキしたり笑えたり素敵な話があったりと最後まで温かい気持ちで読めました。
カノジョの顔はちょっと見たい気持ちもあるけどホワイトボードの顔が馴染んでるしこれはこれでありでしょう。次回作も楽しみにしています。末永く愛される作品です。
絢爛たるグランドセーヌ(9巻/Cuvie)
才能の方向性は違えど彼女たちには目標があり、悩みがあり、それを乗り越えようとする胆力がある。
応援したくなる登場人物が多いのがこの作品が好きな理由の1つです。 1巻と比べるとクオリティは格段に上がってきているのが見てとれるのは、それだけ丁寧に進行してきたおかげである。
ぜひこの調子で長期連載を狙って欲しい。
僕らは自分のことばかり(2巻<完>/ハルノ 晴)
天才と凡人を描いたオムニバス作品と書けば単純な話のようで、舞台が違えばこうも描き方が変わってくるのかと驚かされる。
陸上部を舞台にした天才と凡人の話はそれが顕著。
見方が変われば天才と凡人の立場がそっくり入れ替わってしまうのは悲劇か、はたまた喜劇か、意見が別れそうで面白いなとひっそりと笑ってしまった。
前を向いて歩き出すために、振り返ると青春だったと笑えるように。
今、このときだけは、僕らは自分のことばかり考えたっていいんじゃないか。読み終えてそんなことを一人考える。
おわりに
以上21タイトルでした。10月は2巻が1巻からより面白くなってきた作品が多かった印象です。
9月が豊作すぎて若干物足りなさもありましたが、新規開拓した作品に大当たりが多かったのは嬉しい誤算でした。
11月はどんな作品が出てくるのか楽しみです。
一応こちらでチェック入れてる作品については紹介しています。
来月は特大の新作があります。『ここは今から倫理です。』と『火色の文楽』この二つ、多くの人に評価されて欲しい作品です。
それでは今回はこの辺で。読んでくださりありがとうございました。それではまた。
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