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【大相撲】

貴乃花親方、貴ノ岩への聴取を拒否 声荒らげ「頭が切れてるんですよ!」

2017年11月23日 紙面から

役員室を退出し、巡業部室に戻る貴乃花親方=福岡国際センターで(佐藤雄太朗撮影)

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 大相撲の横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜=が平幕貴ノ岩(27)=貴乃花=へ暴力を加えけがをさせた問題で、日本相撲協会執行部(八角理事長、尾車事業部長、鏡山危機管理部長、春日野広報部長)は22日、九州場所開催中の福岡国際センター内で師匠の貴乃花親方(元横綱)に対して危機管理委員会による調査を申し出たが、拒絶された。重苦しいムードに包まれながらの25分の話し合いは決裂。貴乃花親方と協会執行部の間に生じている原因不明の溝は深いが、協会執行部は再度の申し出を試みるという。

 日馬富士の貴ノ岩への暴力問題。その真相解明には欠かせない貴ノ岩への危機管理委員会による聞き取り調査。相撲協会執行部は師匠である貴乃花親方に申し出たが、またもや拒否された。

 関係者によると、今回が初めての申し出ではなく「既に2、3回やっている」という。貴乃花親方が固辞する理由として「警察がやっているから」と話したとみられるが、冷静に話し合いを持つ空気ではなかったという。

 貴乃花親方が福岡国際センターに到着したのは午後1時15分。到着を待っていた協会本部の中立親方(元小結小城錦)が声をかけたが、巡業部の会議があるとの理由で断られた。その5分後に再び中立親方が巡業部へ出向き、貴乃花親方を役員室へと案内した。

 それを聞いたある親方は「巡業部の会議とこの問題のどっちが大事なんだ」と憤ったが、役員室の中の様子にも「すごく険悪だった。かなり激しいところもあった」と聞かされたという。

 協会は協会員を守る立場であり、協会からのお願いという形で役員室へ招いた。「貴ノ岩は被害者なんだから責めているわけじゃない。どうして話ができないのか。何とか協力してほしい。協会のガバナンス(統治力)が問われているときだ」と申し出ても、貴乃花親方は「頭が切れてるんですよ! 頭が!」と声を荒らげたという。

 「話がかみ合わなくて、けんもほろろだったようだ。執行部を怒らせようとしているのかと言っている人もいた」とある親方。

 八角理事長が「もう一回言うけど、協力してもらえないかと」と最後にも願い出たというが、「お断りします」と返され、25分に及ぶ話し合いは終了した。

 この問題が表面化した14日に事情を聴いたときも、「まだ話が終わっていないのに、貴乃花親方は呼び止めても役員室を出ていった」と話す親方もいる。

 「どうしてなのか分からない。何回もお願いするしかないのでは」とある親方は言うが、原因が定かではない貴乃花親方との溝は簡単に埋まりそうにはない。

 

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