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リビア奴隷市場の「地獄」 脱出の移民らが語る
2017年11月23日 6:06 発信地:アビジャン/コートジボワール
【11月23日 AFP】リビアで移民の奴隷売買が行われているとされる問題で、被害に遭った人々が奴隷市場での「地獄」の経験を回想した。
米CNNテレビは先週、欧州へ向かう移民らの中継地点となっている同国での奴隷売買の現場を映したとされる映像を放送。黒人男性らが農場労働者として北アフリカ出身の買い手の前に引き出され、時にたった400ドル(約4万4000円)の値段で売り飛ばされる様子に国際社会の怒りの声が高まっている。
今週、リビアからコートジボワールへと帰国したムサ・サノゴさん(22)は「私たちは奴隷だった」と語った。サノゴさんはリビアで過ごした4か月余りの間、繰り返し殴られ、農場での労働を強いられた。「アラブ人(リビア人奴隷主)にとって、肌の黒い男たちは動物以外の何物でもない。動物に対する扱いの方がましだった」
21日夜にカメルーンに送還された移民250人の一人、マキシム・ヌドンさんはAFPに対し、8か月間滞在したリビアは「全くの地獄だった」と語った。「あそこでは黒人が売買されていて、奴隷を買い求める人々が集まっている。抵抗すれば撃たれる。死んだ人たちもいる」
カメルーンへの移民送還は、約850人を帰国・再定住させるプロジェクトの一環として国際移住機関(IOM)が手配した飛行機によって行われた。前述のサノゴさんも、IOMの支援によりリビアからの送還が手配された約600人のコートジボワール移民の一人だ。
サノゴさんは、無政府状態にあるリビアでは無法者がはびこっており、警察までもが人身売買に関与していると証言。「一度、警察を名乗る人々に捕まったことがあった。その警察は私を500ディナール(約4万円)である男に売り飛ばした。私はその男のトマト農場で1か月間働かされた」と語った。
「彼ら(アラブ人の買い手)はまるで商品のように人間を値踏みする。買われた人は、奴隷のように働くことになる。彼らからはいつでも殴られる。私のように体が大きいと特にそうだ。棒や金属、銃床を使って、血が流れるまで。食べ物は、パンとチーズを1切れずつしかもらえない。帰国できてうれしい」
国連(UN)は、リビアでの奴隷売買は人道に対する罪に相当する可能性を念頭に調査すべきだと表明。この問題は、コートジボワールのアビジャン(Abidjan)で今月29、30日に開かれるアフリカ連合(AU)・欧州連合(EU)サミットでも議題に上る予定だ。(c)AFP/Patrick FORT