加工用トマト生産から10年 余湖農園、年々高まる需要
恵庭市穂栄の余湖農園(余湖智代表)が加工用トマトの生産を始めて今年でちょうど10年を迎えた。生食用と比較して水分量が少ないために調理しやすく、加熱することでうま味成分が増すことなどが特徴。ピューレにした状態での販売や関連する加工品も売り上げを伸ばし、本州や海外での需要も増えている。
同農園は2008年から加工用トマトの栽培を始めた。生食用トマトと比較して、抗酸化作用があるリコピン酸を2倍、うま味成分のグルタミン酸を4倍含有。水分が非常に少ないために調理時に水っぽくならず、加熱することでうま味が増す。
初年度の生産量は4トン程度だったが近年、イタリアンの普及でニーズも増え、実の状態での販売にとどまらず、ピューレなどに加工した関連商品も注目されるようになった。
商談会などでのPRによって次第に注目されて年々需要が増加。海外産ホールトマトと比較して割高ではあるが、安心安全に食べられるため、名古屋市の加工会社が学校給食としての利用を13年から始めた。
本州、道内でも新たなマーケットが広がり、今年の生産量は130トンに膨らんだ。市の友好都市の静岡県藤枝市からも、本州にはない素材として注目され、藤枝市内の企業による商品開発プロジェクトもスタート。恵庭市内の北海道ハイテクノロジー専門学校との連携も進め、成分分析も進んでいる。
加工用トマトは「さまざまな商談会に参加し、プレゼンをして実際に試食もしてもらうことで『おいしい』との評価を頂ける。別名『加熱用トマト』といわれ、科学的証明はまだできていないが、熱を加えることでうま味成分の『ギャバ』ができるのではという専門家の話も頂いている」と余湖代表(70)は話す。
関連する加工品もこれまで20種類ほど開発。中でも人気は15年に誕生した「完熟トマト鍋スープ」。鍋やパスタの味付けなどに幅広く使用できるソースで、年間売り上げ個数は1万8000個。昨年11月以降は海外マーケットにも進出し、台湾での販売も始めた。余湖代表は「アジアには鍋文化があり、この商品が皆さんに受け入れていただいている。今後は鍋と、日本のだし文化とを合わせ、アジアの国々に広げていけるような新たな商品開発も視野に入れたい」と抱負を語った。
ピューレは一般用にも余湖農園敷地内の直売所で販売している。1キロ1100円(税込み)。問い合わせは同農園 電話0123(37)2774。