ドンキやノジマが5万円台で4Kテレビ-「ノンブランド志向」を喚起

4K TV

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Don Quijote Holdings
  • 価格はソニーやパナ製の3~4分の1、画質は同等も機能は限定
  • 重装備の有名ブランドが席巻する市場に、シンプル・低価格で参戦

ディスカウントストアのドンキホーテホールディングスや家電量販店のノジマが5万円台という低価格を武器に、きめ細かく鮮明な映像が楽しめることで人気の4Kテレビ市場に相次ぎ参入。安さと基本機能があればメーカーにこだわらない「ノンブランド志向」の消費者の心をくすぐろうとしている。

  11月上旬、ドンキ中目黒本店の家電売り場には同社企画の50型4Kテレビが並んだ。価格は5万4800円(税抜き)。ノジマも10月、49型で5万3800円(同)で予約販売を始めた。ソニーパナソニックが量販店などで販売する価格の3分の1から4分の1だ。ドンキ本店では何人もの客が価格に驚き足を止めた。

  ドンキAV機器担当マネージャーの寺尾尚之氏は、既に同型の液晶テレビを4万ー5万円で販売しており「4Kテレビも安くないといけない。6万円以下でないと売れない」と価格ありきで商品開発を進めたと明かした。ノジマの東浦秀也氏は低価格品の投入で「お客さまに購入を検討してもらうきっかけになってほしい」と語った。

  ドンキは、録画などの機能を絞り込んだ上、国内外の部材を個別に集めて中国企業に組み立てを委託することなどで安さを実現した。逆に日本の有名ブランド品は全裏番組の録画や2Kの受信データでも美しく見せる機能を備えるなど「重装備」。これに対しドンキなどの4Kテレビは安さとシンプルさが売り物だ。

年末商戦の行方  

  BCN総研の道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは、主要メーカーの製品と比較しても「テレビそのものの実力は大差ない」と指摘。「機能を厳選してブランド料をなくしたらここまで安くなるということを示したのは大きい」と評価する。ドンキの寺尾氏は基本仕様の低さに対する顧客の許容度を知ることができたという。

  ドンキでは6月の第1弾の初回販売分の3000台が1週間で完売した。その後追加販売し、10月には輝度を高めた第2弾を価格据え置きで発売。年間5000台の販売計画は早々に達成し、品薄状態ながら現在も安定供給を続けている。ノジマのオンライン予約は即完売した。両社とも4Kテレビ事業は黒字だという。

  ドンキなどの参入により、ソニーやパナソニックは4Kテレビの潜在購入層の一部を奪われ始めている。日本の電機メーカーは既にテレビの国内生産を大幅に縮小しており、東芝はテレビ事業を中国のハイセンスに売却することを決めた。こうした中、ノジマやドンキは年末商戦に向け4Kテレビの販売戦略を練っている。

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日本株続伸、世界的な株高連鎖と米税制期待-機械など輸出、石油上げ

更新日時
Tokyo Stock Exchange and Stock Boards As Japan Shares Dip With Banks As Volatility Returns to Markets
東証内
Bloomberg
  • 米中古住宅販売は予想上回る、情報技術主導で米S&P500は最高値
  • 23日は日米とも祝日休場、ブラックフライデー控え午後伸び悩み

22日の東京株式相場は続伸。米国の中古住宅統計の堅調に加え、世界的に良好な企業業績を背景とした株高連鎖の流れが波及した。税制改革による一段の米景気刺激の可能性に期待感も根強く、機械や電機など輸出株、海外原油高を受けた石油株のほか、銀行や証券株も高い。

  TOPIXの終値は前日比5.95ポイント(0.3%)高の1777.08、日経平均株価は106円67銭(0.5%)高の2万2523円15銭。

  アセットマネジメントOneの浅岡均ストラテジストは、「米国の感謝祭を控え材料不足の中、これまで発表された企業業績の改善をベースとし、世界的なリスク選好で株高となっている」と指摘。さらに、設備投資の一括償却を認める項目が盛り込まれた米国の税制改革が実施されれば、「これまで先送りされてきた設備投資の回復が期待でき、一段と日本企業の収益が伸びる可能性もある」との見方も示した。

東証内
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  全米不動産業者協会が21日に発表した10月の中古住宅販売件数は4カ月ぶりの水準に増え、市場予想を上回った。同日の米国株は、情報技術セクター中心に上昇し、S&P500種株価指数は一時2600ポイント台と最高値を更新。終値は0.7%高の2599.03だった。ドイツやフランスなど欧州株も総じて堅調。米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティー指数(VIX)は4営業日連続で低下し、9.73と2週ぶりに10を割り込んだ。

  米統計の堅調や世界的なリスク選好の流れを受け、きょうの日本株は朝方から輸出や金融、資源セクター中心に買いが先行。日経平均は一時260円高の2万2677円まで上げ幅を広げた。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「米国の景況感は良くなっているが、物価は上がらないため、金利は低いまま」と株式市場にとって良好な投資環境だと指摘。こうした中、「日本株は割安で、押し目があったら買い」と言う。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は21日のニューヨーク大学でのイベントで、拙速な利上げはインフレ率を2%の目標未満にとどめてしまうリスクがあると警告した。

  世界株堅調の背景にあるのが、良好なマクロ環境に支えられたグローバルな企業業績の良さだ。大和証券によると、東証1部の7ー9月期経常利益は前年同期比22%増と4四半期連続で増加。数量増や費用削減、値上げ効果に加え、円安効果もあり、機械や電機、情報技術、化学などが全体をけん引している。ブルームバーグ・データによると、向こう12カ月の日経平均採用企業ベースの1株利益はプラス6.6%、米S&P500はプラス19.5%、ストックス欧州600はプラス31%となっている。

  ただ、朝方の買い一巡後は徐々に伸び悩み。東京市場はあす23日が祝日休場、米国も感謝祭の休場を控え、持ち高をいったん整理する売りも出やすかった。きょうの為替市場では、早朝の1ドル=112円40銭台から午後は同10銭台まで円がやや強含みで推移した。いちよしアセットの秋野氏は、「ヘッジファンドのショートカバーや、それを見越したCTAのトレンドフォローが一巡し、さらに上を目指すのは難しい」と話している。

  東証1部33業種は石油・石炭製品、機械、鉱業、銀行、証券・商品先物取引、海運、電機など24業種が上昇。小売、医薬品、食料品、サービス、陸運など9業種は下落。石油や鉱業は、前日のニューヨーク原油先物の反発がプラスに寄与した。

  売買代金上位では、新たなセラミック固体電池を開発したTDKが急伸し、野村証券が中国建機需要は好調との見方を示し、コマツも高い。クレディ・スイス証券が目標株価を上げたTHKも買われた。半面、米ベインキャピタルの保有株売却で、需給悪化懸念が広がったすかいらーくは安い。SMBC日興証券が目標株価を下げた味の素も下落。

  • 東証1部の売買高は16億339万株、売買代金は2兆7064億円
  • 値上がり銘柄数は1062、値下がりは868
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