米CBS、著名ニュースキャスターを解雇 セクハラ疑惑
米テレビ報道業界の重鎮、チャーリー・ローズ氏(75)に対して8人の女性がセクハラ被害に遭ったと糾弾する米紙報道を受け、ローズ氏が番組司会を務めていたCBSニュースは21日、ローズ氏の解雇を発表した。
CBSの社内向けメールは、ローズ氏が「本日をもって直ちに解雇された」と説明している。番組制作の現場で「非常に不快で容認しがたい行動」が明らかになったための措置だという。
ローズ氏は長年にわたり、取材記者や報道番組のキャスター、インタビュアーとして米テレビ報道業界で確固たる地位を築いてきた。そのローズ氏について米紙ワシントン・ポストは20日、複数の女性が1990年代から2011年にかけて、ローズ氏に不適切に触られたり、わいせつな電話をかけられたり、裸を見せられたりしたなどという内容を報道した。
ローズ氏は報道後、不適切な行動について謝罪したものの、記事内容の全てが正確ではないと述べている。
報道を受けて、CBSのほか、ローズ氏が出演していたPBSとブルームバーグはいずれも、出演中止を決定していた。ローズ氏はCBSの朝の情報番組と、日曜夜の名物報道番組「60ミニッツ」の司会をしていた。PBSとブルームバーグは「チャーリー・ローズ・ショー」を放送していた。
CBSニュースのデイビッド・ローズ社長は社内向けメールで、「チャーリーはわが社のニュース部の報道に重要な貢献をしてくれた。しかしこの組織でも他のどの組織でも、安全でプロフェッショナルな職場環境を確保することほど大事なことはない。誰もが最善を尽くすことができる、支援してもらえると感じる職場環境づくりが何より大事だ。この会社もそういう場所でなくてはならない」と書いた。
「かつてはそうではなかったと、そういう話はよく聞かされた。そして過去を是正することは誰にもできないかもしれない。しかし、以前は容認されたかもしれないことは、決して容認するべきではなかった」
ローズ氏はエミー賞を複数回受賞し、2014年にはタイム誌に最も影響力のある100人に選ばれた。1991年に放送が始まった「チャーリー・ローズ・ショー」は、バラク・オバマ氏やウォーレン・バフェット氏など、名だたる各界の著名人と深く語り合うインタビューで有名だった。
米国では10月に大物映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏の長年にわたる性的加害行動疑惑が表面化したのを機に、多くの映画やテレビ関係者、政界関係者などのセクハラ疑惑が次々と噴出している。
(英語記事 Charlie Rose: CBS sacks talk show host over harassment claims)