→つづき この暴行が許されるためには正当防衛の要件を満たしていることが必要です。簡単に説明すると、被害と反撃のバランスがあっていることが必要です。手でお尻を触る行為に対し、自分の手で振り払う、押し返す等はバランスが取れていますが、「回し蹴り」という格闘技を使うことはどうか。 →
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→行為のバランスは崩れていると思います。格闘技は積極的な攻撃行為とみなされやすいでしょう。ただ、このときも、痴漢が尻餅ついてこけた、程度なら大事にはならないかもしれません。傷害結果が生じていないからです。では、転倒の際、不運にも頭部を強打して死亡したら?重大な傷害が生じたら?→
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→痴漢被害という結果に比べ、死亡や傷害の結果は「身体への侵襲の程度」で見れば重い結果と考えられます。痴漢は精神の陵辱でもありますから、上記の比較に強く反発を抱きたくなる気持ちはありますが、「身体への侵襲」で比較すれば以上の結論になります。許される正当防衛か、行き過ぎた過剰防衛か→
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→法律に無関係な人が、いちいちこんな理詰めで考えることは珍しいかもしれません。そんなことしらんわい、卑劣な痴漢に見せしめがてらやり返して何がわるいんや、あいつら懲らしめたったらええねん。素朴にそんな感情を持つのは当たり前と思います。ですが、仮に予期せぬ不幸な結果を起こしたら? →
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→被害者だったはずが、たちまち加害者として、刑事・民事の責任を裁判で問われることになりかねません。 「許せない」という気持ちはあっても、自分で懲らしめることまでは控えるべきなのです。法は原則として「自力救済」を許していません。正当防衛の範囲は思っているほど広くありません。 →
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→でも、格闘経験者であったり、運動神経がよければ、ついやり返したい思いを抑えられないこともあるかもしれません。が、抑えきることが大事だと思います。映画やマンガの世界なら痛快アクションですかっとできても、現実はそうではありません。反射的にやり返してしまいそうな人ほど知識と自覚を。→
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→お医者さんが風邪や病気の予防の指導を考えるように、弁護士は、紛争の未然防止を考えます。自分の自制心と心がけで回避できる紛争があるなら、回避する道をお伝えするのが役割だと信じています。 回し蹴りしたという女子高生を貶めたいわけでも,非難したいわけでもありません。→
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→できることなら、彼女にこの知識を共有してもらいたいと思います。法学部の学生が刑法を学んだら、最初の方に出てくるほんの基礎知識です。知識を生かして、強い彼女がより適切な選択があることを知り、選択できるようになってもらいたいと老婆心ながら思います。そして法学と縁のなかった皆さんにも
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