紹介予定派遣はデメリットが多い?業界人がオススメしない理由とは…
派遣の求人を検索する時に「紹介予定派遣」という条件を見たことはないでしょうか?
なんとなくは理解しているけど、実際にどんな雇用形態になるか知らない人も多いのが現状です。
それに派遣業界人としてはあまりオススメできる働き方ではありません。
えっ!紹介予定だから…正社員になれるチャンスがあるのに何でオススメできないの? |
紹介予定派遣の基礎からオススメできるポイント、できないポイントを解説しくぞ! |
紹介予定派遣ってどんな流れなの?【基礎知識】
まずは紹介予定派遣の流れを確認しましょう。
紹介予定派遣というのは、一定の期間派遣社員として働き、その後派遣先の会社の直接雇用(正社員や契約社員)になる働き方です。
試用期間中は派遣会社が雇用主となりますので時給計算で給与が支払われます。(通常の派遣スタッフとして働くときと全く同じ就業スタイル)
期間は会社によって違いますが、3カ月が多く、期間が終わるタイミングで、派遣スタッフ、企業側双方の合意のもとに直接雇用に切り替わるという流れです。
へぇ~3カ月働いてから判断できるのはいいじゃん!会社の内部も見れるし、私にはメリットしかないように思うけど? |
もちろんメリットもありますが、それ以上に注意をしなければいけない点がたくさんあるんです! |
紹介予定派遣で働くメリット
紹介予定派遣で働くメリットをまとめてみました。
・条件調整など派遣会社が間に入ってくれる
・試用期間中の時給が通常派遣よりも高め
この3つが紹介予定派遣で働くメリットです。
まずは実際に働きながら会社を見極めることができます。試用期間というのは派遣スタッフにとっても企業側にとっても見極めの時期と言えます。
また、働いている中で希望がある場合は派遣会社が仲介に入ってくれます。例えば、直接雇用になった際の条件を見直したい、派遣先の人には聞きづらいことなど派遣会社の担当が間に入って調整・質問をしてくれます。
時給に関しては、通常派遣の時給よりもちょっぴり高めに設定されているケースが多いです。
試用期間中でも派遣会社の担当が間に入ってくれるのは嬉しいわね! |
試用期間は派遣会社の所属なので何かあった場合は派遣会社側が派遣先に相談などしてくれるんです! |
紹介予定派遣で働くデメリット
次に紹介予定派遣のデメリットを見ていきましょう。
②エントリーするまで企業名がわからない
③必ず直接雇用になるわけではない
④必ず正社員になれるわけではない
⑤給与が下がるケースがある
⑥有休が発生するのが遅い
あれ?デメリットが多い… |
◆応募できる求人が圧倒的に少ない
紹介予定派遣といわれている求人は実はとっても少ないんです。
例えば、全国で2万5千件以上の求人を扱っている大手派遣会社で紹介予定派遣の検索をしてみると…約2,000件しかありません。
地域、職種、条件などを入れて検索をしたら、ほとんど引っかかりません。どこの派遣会社も同じで、通常派遣の求人数の方が圧倒的に多く存在しています。
求人数が少ないということは選べる企業が少ないということになります。直接雇用として働くのに選べる企業が少ない…なんか矛盾していると思いませんか?
紹介予定派遣の求人は通常派遣の1/10程度の求人数しかないんです。 |
◆エントリーするまで企業名がわからない
派遣の求人サイトには求人先が特定できるような情報は少なく、会社名などは掲載されていません。要は直接働く可能性があるのに、エントリーするまでどんな会社かはわからないんです。
派遣求人に書かれている多少の情報はありますが、会社名が分かるのはエントリーをした後のことです。それで一定期間が過ぎたら直接雇用ってちょっと不安になりますよね?
◆必ず直接雇用になるわけではない
紹介予定派遣だからと言って、必ず直接雇用になるわけではありません。
試用期間が終わるころに面談や面接があり、そこをクリアしなければ直接雇用になれません。要は企業側から「このスタッフは直接雇用に値しない」と判断されてしまったら派遣と同様に契約が終了してしまうんです。
はっきりした数字は出せませんが、直接雇用になれる確率は6割程度と言われています。派遣スタッフ側から断るケースもありますが、企業側から打ち切りを切り出すことも多いのです。
試用期間は会社を判断できる期間ではあります。でもその一方で企業側が派遣スタッフを見極める期間でもあると言われています。
3ヵ月頑張っても直接雇用になれる確率は6割程度か…意外と低い… |
◆必ず正社員になれるわけではない
これ、注意です!直接雇用と聞くと「正社員」と考える方もいるかもしれませんが、紹介予定派遣は契約社員の方が圧倒的に多いのです。
正社員が多いんじゃないんだ! |
契約社員も悪くはありませんが、雇用が派遣会社から直接雇用になるだけで契約期間が終わって更新されなければそれまでです。
契約社員は正社員よりも給与やボーナスが低いのが一般的ですから、そこまでメリットを感じられないのが実態なんです。
求人票をチェックすることと紹介を受ける際には派遣会社の担当者にしっかり確認をしましょう!
◆給与が下がるケースがある
実はこれは意外と多いケースなので注意が必要です。
1600円×8時間(1日)×20日(1ヵ月の出勤数)=256,000円
「お!これだけもらえれば十分」なんて考えでエントリーをしている人もいると思います。しかしこれは派遣会社に属している時の話です。
簡単に言うと試用期間中だけの給料です。
最初にみる求人票には、派遣の時の時給は大々的に掲載をされていますが、求人の詳細をみると下の方に、
「直雇用後は月給19~21万円、残業代別途支給、賞与年2回(2か月)」
なんて書かれていることも少なくありません。派遣スタッフに喰いついてもらいやすくするために時給を通常の派遣時給よりも高く設定をしているのです。
は!騙されるところだった! |
派遣会社は直雇用になれば派遣先から「紹介料」をもらえます。だから試用期間中の時給を高めに設定しても全く問題ないんです。 |
◆有休が発生するのが遅い
実は有休が発生するタイミングが遅くなるのも紹介予定派遣の特徴です。
試用期間中は派遣会社が雇用主になり、そのあとは直接雇用となるために有休が発生するのは直接雇用になってから半年後の話になってきます。
う…これは落とし穴。知ってないとびっくりするわね… |
紹介予定派遣を利用する会社はどんな会社?
メリットよりもデメリットが目立つ紹介予定派遣ですが、なぜ企業はこのシステムを利用するのでしょうか?
それは圧倒的にコストがかからないからです。
通常の求人サイトに掲載をする場合は1ヵ月数十万円(サイトによって異なる)、転職エージェントを利用して人材を採用る場合は1人につき100万円前後(年収の約30%)かかります。
紹介予定派遣の場合は採用しなければお金はかかりませんし、派遣期間で人物の見極めができます。また派遣から直接雇用に切り替わるタイミングの紹介料は派遣会社との交渉で決まるために、安く人を採用できるのです。
あくまでも傾向ですが、採用にあまりお金をかけられない会社や転職サイトなどの掲載では人が集まらないような会社が目立ちます。
紹介予定派遣は会社名を全面的に出さなくて済むので、知名度がない会社でも人を集めることができます。それに条件だけ伝えれば派遣会社が人を探してくれるので時間をかけなくても済むんです。
紹介予定派遣で掲載されている会社は中小規模の会社が多いんです! |
直接雇用を目指すなら転職の方が何倍も良い
正直なところ紹介予定派遣はあまりオススメできる働き方ではありません。
もし直接雇用を考えているなら正社員として転職活動をする方が良いでしょう。
紹介予定派遣は企業側(派遣先)にメリットが多い雇用の仕方です。
正社員や契約社員でなかなか採用されないから紹介予定派遣からスタートするという方にはいいかもしれません。でも「派遣よりも時給がいいから」という単純な理由だけで紹介予定派遣を選ぶのはやめましょう。
もし、どうしても紹介予定派遣を希望される場合は大手の派遣会社を選んで下さい。その方が対応もしっかりしていますし、選べる求人数も多いので選択肢は広がります。
『派遣会社なんてどこに登録しても同じ』なんて思っていませんか?
派遣会社は規模の大きさはもちろん、社風や風土によって大きく違います。
自分に合う派遣会社を選ぶことで納得できる仕事を紹介してもらえると思いますので、
しっかりと派遣会社を選ぶようにしてください。
働き始めてから「この派遣会社に登録をして失敗した!」なんてことがないように、
自信をもってオススメできる派遣会社を下記に紹介しておきます。
■ オススメの派遣会社はこちら >