山尾志桜里議員「自衛権に歯止めかける改憲を」

立憲的手法で“透明人間”を縛る

2017年11月22日(水)

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しばるべきは「自衛隊」ではなく「自衛権」

そのためには9条をどう改めればよいのでしょう。

山尾:安倍晋三首相は9条に自衛隊を明記すると言っています。しかし私は、コントロールすべきは「自衛隊」ではなく「自衛権」だと考えます。そのための改正は9条にとどまりません。例えば、国会が自衛権をコントロールするための条文が必要になるでしょう。同様に、司法によるコントール、財政によるコントロールを定める規定、憲法裁判所を設置する規定が考えられます。

 まず、9条に関しては、いわゆる旧三要件に基づいて個別的自衛権に限定することを明示的にすることを提案します。自衛権は今、透明人間のような存在で実態がない。これに実態を与え明文化することでコントロールが可能になる。

9条の条文は現行のまま残すかたちを取るのですか。

山尾:2つの考え方があると思います。第1は、個別的自衛権に限って行使できることを明記し、それを実行する限定的な「戦力」として自衛隊を認めるかたちを取る。第2は、現状の延長です。戦力の保持は認めない。しかし、個別的自衛権を行使する最小限度の実力として自衛隊を認める。
(関連記事:もし『自衛権』を国民投票にかけたらどうなるか?

 どちらを取るかは、議論して国民が判断することだと思います。私は第1の考えを支持します。

そして9条を改めた上で、内閣や国会、司法からのコントロールを明示するわけですね。

山尾:はい。

 行政からのコントロールを強める手段として73条の修正を提案します。

■第七十三条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。

  • 一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
  • 二 外交関係を処理すること。
  • 三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
  • 四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
  • 五 予算を作成して国会に提出すること。
  • 六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
  • 七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

コメント35件コメント/レビュー

森を見ず木を見て議論してるようです。近隣諸国が危険で日本を侵害しそうな国々の中で日本を守る考えが薄弱です。寝ぼけたことを言わないで下さい。(2017/11/22 12:33)

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「山尾志桜里議員「自衛権に歯止めかける改憲を」」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

森を見ず木を見て議論してるようです。近隣諸国が危険で日本を侵害しそうな国々の中で日本を守る考えが薄弱です。寝ぼけたことを言わないで下さい。(2017/11/22 12:33)

今後の戦争はミサイルもありますが、サイバー攻撃もあります。文字通り一瞬で勝負あり、ともなり得る御時世に必ず内閣の審議が必要、となれば負けしかありません。
即応体制を取れる例外規定を設けておくべきでしょう。(2017/11/22 12:28)

集団的自衛権への反対はおおいに結構。では日本だけで日本の国民を守ることができるまで自衛隊の戦力を強大にすべきということであるのかな。そうでないのなら、平和主義だけ唱えていれば他国の侵略に合うことはないなどという相変わらずお花畑の域を出ない議論である。
大切なのは”国民意思で「自衛権」に歯止めをかけること”ではなく”国民を守ること”である。
しかも国民を守るための自衛権をしっかり確保しようという国民意志が示されていることが見えないのだろうか。
人権を振りかざしているが、自身の考え方が日本人の人権を危険に晒すことに、気が付くべきである。(2017/11/22 12:25)

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