アニメ大手ピクサー創設者ラセター氏 「不適切なハグ」指摘され休職

ラセター氏はディズニーとピクサーのアニメ部門を主導してきた。写真は2015年撮影 Image copyright Getty Images
Image caption ラセター氏はディズニーとピクサーのアニメ部門を主導してきた。写真は2015年撮影

米映画会社ディズニーとアニメ会社ピクサーのアニメ総責任者、ジョン・ラセター氏が、スタッフを不用意に抱きしめるなど不適切な行動を繰り返してきたと指摘され、半年間休職することになった。

映画業界紙ハリウッド・リポーターによると、複数の元従業員や現従業員が、ラセター氏にしばしば一方的にハグ(抱擁)されたり、居心地が悪くなるほど接近されパーソナルスペース(自分の空間)を侵害されたと話した。他にも、「いきなりつかんだり、キスしたり、(不適切な)ことを言った」という指摘もあるという。

報道を受けてラセター氏は声明で、「ハグされたくないのにされてしまった人たち」に謝罪。自分の「軽率」な行動や、「どのような形にしろ、一線を越えたと思われた真似」について、謝った。

「みなさん全員、自分にとってとても大事な人たちです。がっかりさせたなら、心から謝ります」とラセター氏は述べ、「自分がどれだけ善かれと思っていたとしても、誰でも自分の境界線を設定する権利があるし、周りはそれを尊重しなくてはならない」と認めた。

ロイター通信が伝えた声明で、ディズニー社はラセター氏の「正直で誠心誠意からの謝罪」を受け止め、休職するという判断を支持すると表明した。

John Lasseter is pictured comically frowning in exaggerated sadness, seated between the characters of Joy and Sadness from Pixar's Image copyright Getty Images
Image caption 数々のヒット作を生み出してきたラセター氏は、「モンスターズ・インク」、「アナと雪の女王」や「インサイド・ヘッド」、「ズートピア」などのプロデューサー

ピクサーとディズニーのアニメ部門で最高製作責任者を務めてきたラセター氏は、30年近くにわたり優れたアニメ映画を次々とヒットさせてきた。

「トイ・ストーリー」、「バグズ・ライフ」、「カーズ」の物語作りと監督を務めたほか、「モンスターズ・インク」、「ファインディング・ニモ」、「カールじいさんの空飛ぶ家」、「アナと雪の女王」、「インサイド・ヘッド」、「ズートピア」、「モアナと伝説の海」など、数々のヒット作の製作総指揮にあたってきた。

メキシコを舞台にしたピクサーの最新作「ココ」は、米国では22日公開。ラセター氏はここでも製作総指揮を務めている。

「ココ」は英国では来年1月、日本では来年3月公開予定。

(英語記事 John Lasseter: Pixar founder on leave over 'unwanted hugs'

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