このサイトは人対人のハーツの攻略を述べたものですが、Windowsに付属のハーツが一般的には最もとっつきやすいと思われるので、一応攻略法らしきものを載せておきます。ちなみに私はWindows 7ユーザーなので、以下の攻略はWindows 7のハーツについてのものです。他のOS付属のハーツとは若干異なるかもしれません。
Windows付属のハーツのAIには、以下の様な特徴があるようです。
以上のことより、次のような戦略が適切だと考えられます。
まとめると、ひたすら独善的なハーツに徹するのが一番良いという、色々な意味であまり面白くない結論になりました。まあWindows付属のハーツなんてそんなものですよ。
うまく立ち回れば勝率50%は超えられます。ちなみに私が戦績をリセットして100回やってみたところ、勝ちは56回でした。参考までに。
現時点で、444回中勝ちが282回です。上記の100回を除くと344回中勝ちが226回で、勝率65.7% (SD = 2.6ポイント) ということになります。
ハーツには好調・不調があるのは当然ですが、それにもまして私の技術の向上(特にWindows付属ハーツ向けのテクニックの向上)が勝率増にもっとも貢献したと思います。
詳しく説明するとキリがないのですが、以下に戦術の一部を挙げます。
その他にも、左へのパスなら積極的にCAをパスするとか、自分がトップで他の点差があまりないなら西→北→東の優先順位でSQを落とすとか、細かいテクニックはいろいろあります。実際にプレイされて体得するのが良いでしょう。一部のテクニックは対人戦でも使えそうですね。
パスの後、次のような手札になりました。
正面のNorthのC2リードをEastがAであがり、自分はCTを落としました。2トリック目にEastからSJリードを受けたためS6をフォローしたところ、Westは驚きのHQディスカード。NorthがSKでこれを取り、S9を返してきました。EastはS4をフォロー。さてどうしますか。ムーンの危険はないものとします。
このトリックを取らずにS5をフォローするのを正解とします。スペード以外のスートはロウカードの寄せ集めなので、このハンドでSQを取ってしまうのはスペードを5回リードされた場合だけです。NorthとEastのスペードが4-4に分かれていれば問題ありませんので、5-3や6-2の場合に備えなければなりません。
このトリックを即座に取ってクラブでイグジットすると、スペードが5-3に分かれていた場合にNorthまたはEastのどちらが勝ってもスペードをリードされてしまいます。まだ1回は勝てますが、残った2枚のスペードを持っているオポーネントからS7以上をリードされてしまうとアウトです。
このトリックをダックし、次のトリックを勝つことで、スペードが5-3だった場合にスペード3枚のオポーネントのスペードを刈り切ることができます。するとそのオポーネントは次にリード権を得てもスペードをリードすることができないので、1トリック分の猶予ができるというわけです。
スペード2トリック目をSTで取ると、Eastにリードが入ったときにS2をリードされてしまい、次にNorthにリードが入った時にSQを取らされてしまいます。S5で負けて次にSTで取ることでEastのスペードを刈り切り、Northに2回リードが入らない限りは安全となります。各自確認してください。
このように、あるスートのリードを嫌う場合にあえてそのスートを先に負けておくことで、あとあとそのスーツをリードされることを防ぐテクニックをホールドアップといいます。頻出のテクニックではありませんが、覚えておいて損はありません。
Spear Playとは、スペードをカウンティングし、残りがSQとSKまたはSAのみとなったときにSQをリードするプレイのことです。 (参考: Hearts Column of the Month - March 2001)
スペードの枚数をカウントしていればこのプレイはできますが、特筆事項としてSK,SA以外のスペードが残っている場合でもSQをリードすべき状況があります。以下のハンドはHearts Column of the Month - April 2001からの引用です。
South
- ♠ QT3
- ♥ J873
- ♦ AT3
- ♣ T97
パスはありません。EastがC2をリードし9,A,Jとなりました。CAで勝ったWestはSJをリードし、5,2,3と出ました。続けてS7がリードされ、NorthはS9を、EastはS8をフォロー。STで勝った後、何をリードしますか。
リンク先で述べられている通り、すぐにSQをリードするのが正しいプレイです。既に8枚のスペードが現れており、自分のSQを除くと残りは4枚で、そのうちの2枚がスペードのAKです。パス無しのため他の3人のハンドもバランスしている確率が高く、このSQのリードを誰かがSKまたはSAで取ってしまう確率はかなり高いと言えます。さらに、クラブもダイヤモンドも3枚ずつあり、マイナースートの下にSQを捨てられる見込みもほとんどないため、このプレイが正解となるわけです。
(なお、付け加えると、スペードをNorthは5→9、Eastは2→8と、どちらも「ロウ→ハイ」の順にプレイしているのも見逃せないポイントです。SKやSAを持っていない場合、通常はWestのように「ハイ→ロウ」の順にプレイするものです。NorthかEastの一方、または両方が、SKかSAを裸にしている蓋然性は非常に高いと言えます。)
"Smoke"(あぶり出し)を行ったことのないプレイヤーはいないでしょう。スペードのロウをひたすらリードし、SQが現れるのを期待するプレイです。ところが、実際には自分がSQを持っているのに、あたかもSmokeを行なっているように見せかけてスペードのロウをリードするプレイがPhony Smokeです。"Phony"は「にせの」とか「いんちきの」という意味らしいです。以下のハンドはHearts Column of the Month - August 2000からの引用です。
South
- ♠ AQJT9
- ♥ KQ8
- ♦ QJT
- ♣ A5
ご覧の通りイグジットカードのほとんどないハンドで、ムーンチャンスもまずありません。唯一C5でイグジットできる可能性はありますが、他の3つのスートを剥がし終わる頃にはC5は刈り取られているか既にイグジットはできなくなっているでしょう。よってほとんど望みはないように思えますが、ここからSouthは巧妙なプレイで失点を4点に抑えることができたのです。
第一トリックをCAで勝った後、SJをリードします。WestはSKを持っていますが、Westの目からは誰がSQを持っているのかわからないためダックせざるを得ません。SJで勝ったSouthは次にSTをリード、WestはこれもダックしまたSouthが勝ちます。SouthはさらにS9をリード、WestはNorthかEastがSQを持っていると信じて3回目のダックをしました。ところがNorthとEastは悲しくダイヤモンドをディスカード。直後のSouthのSQリードでWestのスペードの王様は捕まってしまいました。全員のスペードの持ち方を以下に示します。
Northからスペードがリードされるか、Southがいかにもスペードリードを嫌う素振りをしてからEastからスペードがリードされると、WestはSKをあがってしまったかもしれません。いかにもSouthがSQを持っていないように振る舞うことでWestに3回もダックさせ、SQを押し付けることができました。このプレイはたまにしか出現しませんが、どうしてもSQを回避できそうもない場合の最後の手段となる可能性があります。ただし、運は必要です。