安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党代表質問が21日午前、参院本会議で始まった。与野党が協議中の国会での質問時間配分に関し、首相は「国会で決めることで、首相が答弁するのは控えたい」としつつ、「一般論として数万を超える得票で国会議員になった以上、与党野党に関わらず、国会の中で責任を果たすことが有権者の負託に応えることだとの指摘もある」と述べ、質問時間増を求める与党への理解を示した。
民進党の大塚耕平代表への答弁。
大塚氏は「民主主義は、少数意見にも耳を傾けることを求めている」と指摘し、竹下登首相(当時)の「可能な限り少数意見に耳を傾けるというか、野党に時間を差し上げるのが、私どもが教わり、守っているところだ」との国会答弁を引用。「この考えこそ、保守政治家の矜持(きょうじ)ではないか」とただした。
北朝鮮が2カ月以上ミサイルを発射していないことに関し、首相は「言葉による挑発が続いている」と指摘。「圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況を作ることが必要だ」と改めて語った。
自民党の橋本聖子参院会長も登壇し、参院の合区解消を取り上げた。「選挙制度を含めた参院の抜本的な改革、(合区解消の)憲法改正の議論の必要性を強く呼びかける」と訴えた。
午後は衆院で2日目の代表質問が行われ、公明党の井上義久幹事長、「無所属の会」の岡田克也代表、共産党の志位和夫委員長、日本維新の会の馬場伸幸幹事長が質問する。【水脇友輔】