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石川カヌー日本代表指導に専念を ブラジル人コーチ 家族と小松移住
カヌー・スプリントの日本代表コーチ、ペドロ・セナさん(42)=ブラジル・リオデジャネイロ出身=が、日本代表の合宿地の木場潟がある石川県小松市に家族とともに移住した。もともと単身赴任だったが、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて家族を呼び寄せ、腰を据えて指導に専念する。国際的にも評価が高い練習環境を備えた木場潟を拠点に、日本代表のメダル獲得を狙う。(谷大平) セナさんはカナディアンの元選手。ブラジル代表コーチを経て、昨年四月、日本代表では唯一のカナディアン専門のコーチに就いた。以来、妻(38)、長女(8つ)、次女(3つ)をリオに残して単身赴任。日本国内で合宿や大会がある時は、他の選手と同じくホテルに泊まっていた。 小松市とブラジルは飛行機を乗り継いで片道二十五時間。コーチ就任後の一年半で、大会や合宿の合間に日本と家族のいるブラジルを四往復した。「離れていると家族が心配。一緒に住めば自分の精神的な支えにもなる」。十月上旬に引っ越し、長女の小学校の入学手続きも済ませた。 不安に感じていた異国での生活も「周りの人も学校も私たち家族を温かく迎えてくれた」と心配はなくなった。すしをはじめ日本食も大好き。週末にはブラジル人が集まる集会に参加して情報交換をしている。 木場潟には今、ブラジルのパラカヌーやモザンビークの選手が訪れている。恵まれた練習環境だけでなく、セナさんの指導を受けられるのも理由の一つ。「種目やカテゴリーが違っても、他の人のフォームを見て自分にフィードバックできる」とセナさん。国籍や障害の有無に関係なく一緒に練習することは、日本選手の技術面や精神面の成長にもプラスになると考えている。 二〇年まで残り三年を切った。セナさんは木場潟を拠点に選手と一緒に夢をつかむ決意だ。「日本代表は若い選手が増えた。成果は出ている。一歩一歩、練習を積み重ね、メダルにつながれば」と話す。 カヌー・スプリント 決められた距離の直線コースをどれだけ速くゴールできるかを競う。両端に水かきが付いたパドルを左右交互にこぐ「カヤック」と、立て膝の姿勢で片方にだけ水かきが付いたパドルで艇を進める「カナディアン」がある。
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