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 司法試験に合格した司法修習生に、国が実質的な給与として一律月13万5千円を給付する制度の適用が27日に始まる。かつては月約20万円を給付していたが、合格者数増加に伴い2011年から貸与制に移行。ところが、法曹志望者が減少したことなどから給付制を事実上復活させる。ただ、貸与制で修習期間を過ごした“谷間世代”の兵庫県内の弁護士からは「不公平だ」と疑問の声が上がり、県外では違憲訴訟まで起きている。(田中宏樹)

 「平等の観点で、返済を免除してほしい」。10月中旬、兵庫県弁護士会館(神戸市中央区)で新制度についての意見交換会があり、貸与で修習期間を過ごした野村洋平弁護士(31)が声を上げた。

 野村弁護士は11年秋から修習を受けた貸与制の1期生。来年7月から始まる返済を前に「常に負担感や不安がつきまとっている」と話す。15~16年修習の小笠原博弁護士(39)は「修習中は借金をしながらの生活だった」といい、修習生の身分保障を訴える。

 一方、貸与を受けなかった正木耕平弁護士(32)は「もし返済が免除になるのなら『借りておけば良かった』と思いそう」と複雑な胸の内を明かす。

 貸与制は希望者に月18万~28万円を無利子で貸す。最高裁によると、11~16年の修習生計約1万1千人のうち約8割が貸与を申請した。ただ、返済の負担が大きく、法曹志望者減少の一因とも。日弁連による15年夏の調査では、当時の修習生の約9割が修習への影響を指摘し、書籍代や交通費を節約するなど厳しい生活状況が浮き彫りになった。

 貸与制で修習を受けた弁護士らの一部は「給費制廃止は違憲」として全国7地裁で国を提訴。今年9~10月、東京や広島、福岡などの各地裁で出た判決ではいずれも請求が棄却された。

 法務省は「制度を利用していない人もおり、事後的な救済は国民の理解を得られない」とし、貸与制を利用した元修習生の救済措置は予定していないという。

 兵庫県弁護士会の法曹養成制度検討プロジェクトチーム座長の平田元秀弁護士(51)は「貸与制を利用しなかった人でも、親に借りたり貯金を取り崩したりと負担を強いられた」とし、「給付制との不平等さを是正するため、国が何らかの手当をする必要があるのではないか」とする。

 【司法修習】 司法試験の合格者が約1年間、法曹実務の場で必要な知識や技法を身に付ける。法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)のいずれの進路においても同じカリキュラムを受ける「統一修習制度」。司法研修所(埼玉県和光市)での導入修習に続き、全国各地に分かれて法曹三者の実務を学ぶ。最終試験に合格すれば法曹資格を得る。27日に始まる制度では給付金に加え、必要に応じて住居費や転居費も支給。貸与制も継続する。

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