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世界に誇るりんご王国!青森・弘前で絶品アップルパイ食べ比べ

2017.11.17

りんごの生産量が日本一を誇る青森県弘前市(農林水産省調べ)。この街ではりんごを使ったスイーツが人気です。特にこだわりのある「アップルパイ」を提供する店が多数あり、食べ歩きを楽しむ観光客も多いのだとか。また、アップルパイのガイドマップがあったり、巨大なアップルパイを作ってギネスに挑戦する団体があったりと、街をあげてアップルパイをPRしています。

「アップルパイ」が食べ歩きできる街

東北新幹線の終着地、JR新青森駅から30分ほどの場所に位置する弘前市。JR弘前駅を降りるとさっそく大きなりんごのオブジェが、りんごの街ならではのお出迎えをしてくれます。そのほかにもガードレールやミラー、マンホールなど市内の至る所にりんごのモチーフがあります。
▲弘前駅構内にあるリンゴのオブジェ

さらに観光施設などには、アップルパイを提供している洋菓子店やカフェなどを紹介した「弘前アップルパイガイドマップ」なるものも用意されています。「りんごを使ったスイーツはありませんか?」という観光客からの問い合わせに応えるかたちで作られたといいます。
▲「弘前アップルパイガイドマップ」(第10版)。市内の観光案内所や協賛店舗などで無料で入手できる

このガイドマップを制作した「弘前観光コンベンション協会」によると、アップルパイを取り扱っている店舗40余りを独自に調査。甘味、酸味、シナモンの強弱を5段階で評価し、イートイン情報や営業時間などをしっかり紹介しています。

ただし、このガイドマップへの掲載には条件がありました。それは“青森県産りんごを使っていること”。つまり裏を返すと、県内産以外のりんごを使ったアップルパイを提供するお店もあるということです。県内産のりんごを使ったアップルパイを提供するお店が40店以上も市内にあることだけでも驚きですが、それ以外も加えるとさらに多いとは驚きを越えて言葉が出てきません。
▲ガイドマップに載るアップルパイ提供店にはのぼりが設置されている

そこで、マップに掲載されたお店の中から選りすぐりのアップルパイを食べ比べます!

シャキッとした食感がたまらない窯出しアップルパイ「パティスリー ヴェルジェ」

まずは市内でも特に人気の高いアップルパイを求めて、弘前の中心商店街・土手町に足を運ぶことにしましょう。その途中で外観が真っ白なお店を見つけることができます。
▲古い商店街の中に突然現れる白い建物

店の名前は「パティスリー ヴェルジェ」。創業は2004年。2013年に今の場所に移転した、弘前市内でも人気の高いアップルパイがある洋菓子店です。店内を見渡すとさっそく発見。
▲きれいに積み上げられた「窯出しアップルパイ」

こちらの「窯出しアップルパイ」は「食感を特に大事にしている」と、紹介してくれたのはオーナーパティシエの蟻塚あらしさん。

一般的にアップルパイに合うりんごは酸味の強い「紅玉」と言われますが、蟻塚さんは「ふじ」を使い「りんごが持つシャキッとした食感を表現した」と話します。もちろん県内産のりんごを使用。シロップの加工も市内の業者に依頼しているそうです。
▲「窯出しアップルパイ」は、陶芸家の作品のように一つひとつ丁寧に作りたいという想いから名付けたという

実際に買って食べてみると、りんごをそのまま食べているような食感で、甘さと酸味が程よく調和されている上品な味わいです。

さらに驚くのはこのクオリティで1個260円(税込)ということ!「看板メニューだからなるべく価格は維持している」と蟻塚さん。なんと、平日でも多いときだと100個以上は販売すると言います。
▲カットされたりんごをたっぷり使う

こだわりは随所に見られます。当初は有塩バターでパイ生地を作成していましたが、お客さんに時間が経ってもおいしく味わってほしいという想いから、発酵バターに変更したそう。時間が経ってもバターの香りが抜けにくい仕上がりになるとか。

また、焼いて膨らんだときに、少しりんごが覗いて見えると食べる楽しみが増すのではと、包み方を四つ折りにしたというこだわりも。
▲四つ折りにするとこんな感じ

弘前市出身の蟻塚さんは、ケーキ職人を目指して向かった秋田の洋菓子店でチーフパティシエを経験。神戸のカリスマパティシエに技術を学ぶ機会などもあり、多くの技術を習得したのち2003年に帰郷。そして、青森の基幹産業であるりんごを使って地域に貢献したいと、アップルパイの提供を考えたそうです。
▲蟻塚あらしさん

「自分が学んできたスイーツを通して、弘前という地元に貢献することが自分の役割なのではないか。これからも続けていきたい」と最後に蟻塚さんが夢を語ってくれました。

1度に4種類のアップルパイを食べ比べできる「大正浪漫喫茶室」

「アップルパイの食べ歩きを楽しみたい。でも今回は時間がない…」そんな人には、市内の有名店のアップルパイを常時4種類以上も提供しているだけでなく、レトロでおしゃれな店内で味わうことができる「大正浪漫喫茶室」がおすすめ。
▲弘前公園の南西に隣接する「藤田記念庭園」内にあり、赤い帽子のような屋根が特徴の洋館

ここは弘前出身の実業家が別邸として1921(大正10)年に建てた洋館で、店名の通り大正ロマンの趣が溢れる、ちょっと贅沢な気分が味わえる場所です。
▲大正浪漫喫茶室の店内

人気のサンルームを利用したテラス席は、日本庭園を眺めながらアップルパイだけでなく軽食やコーヒーも味わうことができます。
▲天井いっぱいの窓ガラスからは日本庭園を眺めることができる

そして、お待ちかねのアップルパイ。複数店舗の味を食べ比べできるため、何度も足を運ぶリピーターがいたり、友達同士でシェアしたりする姿も見られるとか。納得ですね。
▲右から時計回りに「ピーターパン洋菓子店」「田村ファーム」「ないすらいふ」「津軽ゆめりんごファーム」のアップルパイ(各370円・税込)
▲アップルパイとコーヒーのセット(720円・税込)。「津軽ゆめりんごファーム」のアップルパイは紅玉を贅沢に使い、パイの中はりんごでいっぱい
▲「ピーターパン洋菓子店」のアップルパイはチョコスポンジが特徴。シナモンの香りとクルミやアーモンドも使用した人気の一品

「田村ファーム」のアップルパイはりんごジャムの甘さとルビー色に染まったりんごの果肉が特徴で、甘酸っぱさが楽しめました。また、「ないすらいふ」のアップルパイはりんごゼリーとりんごの相性がよく、シナモンがアクセントになっていました。

どのアップルパイも使っている品種や製法にこだわりがあり、個性のある味や風味は食べ歩きを楽しくさせてくれます。ちなみに、日によっては今回紹介した4店舗以外のお店のアップルパイが提供されることもあるとか。訪れたときのお楽しみですね。
他にもガイドマップに紹介されたお店の中には、和菓子屋やレストラン、パン屋などもあります。さらに2017年からは「タルトタタンマップ」なるものも制作されているんだとか。リンゴの街ならではの取り組みにこれからも注目ですね。
▲和菓子屋ならではの和風「アップルパイ」を販売する「菓子司みしま」

巨大アップルパイってなんだ?

弘前市民の有志たちによって結成された「巨大アップルパイ世界に挑戦する会」では、ギネス認定を目指してその名の通り、巨大アップルパイの制作にチャレンジしています。

巨大アップルパイの大きさは直径なんと2m。約365人分(750ピース)もできるといいます。かつては3mにも挑戦したこともあったようで、今後の活躍にも目が離せません。
▲当初は1mから始まり、少しずつ大きくなっていったという

専用の焼き窯で約2時間かけて焼き上げたアップルパイは、りんごそのものの味わいとバターの風味が活かされた、いわゆるスタンダードなタイプ。なお、こちらの巨大アップルパイは、市内などで開催されるイベント時の出店のみだとか。もし出合うことができればラッキーですね。
▲弘前市立観光館の外壁にはアップルパイの看板も

たかがアップルパイ、されどアップルパイ。日本一のりんごの街だからこそ、りんごの特質を活かしたさまざまなアップルパイを食べることができます。世界広しといえども、アップルパイだけをこれほど食べ比べられる街は、弘前だけなのではないでしょうか。
くどうたける

くどうたける

東京でウェブライターを経験し、2012年に青森へ移住。地域新聞や地域の情報を発信するお仕事をいただきながら、田舎でせっせと暮らしてます。(編集/株式会社くらしさ)

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