連続テレビ小説 わろてんか(42)「風鳥亭、羽ばたく」[解][字][デ] 2017.11.18
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」・「ありがとうと言いたいあなたのために」・「ごめんねと言えないあなたのために」・「パレードはまわり続けてる」
(出囃子)
(拍手と歓声)よっ!「千両みかん」やってくれ!「百年目」やって!「たちぎれ線香」やったって!
(楓)「師匠十八番の大ネタに注文殺到す」。
(文鳥)今日はめったにやらんもんを一つやらしてもらいます。
(どよめき)災難やと思うておつきあいを願うときます。
(笑い声)東京では「時そば」というそうですがこちらでは「時うどん」。
大ネタでも十八番でもないわ。
(文鳥)ぶら〜りぶらりと歩いております。
そんなところから噺が始まります。
「清や〜ん」。
(笑い声)「腹減った〜なんぞ食お」。
「時うどん」とはおなかをすかせた2人組の男が主人公。
合わせて15文しか持っていないのに1杯16文のうどんをなんとかして食べようとするお話です。
「夜なきのうどんってのは1杯16文と相場が決まったある。
1文足らんがな!」。
「心配すな。
わしに任せとけ。
お前横からいらん事ごちゃごちゃ言うたらアカンで。
ちゃ〜んと半分残しといたる」。
「ホンマに半分残しといてや〜」。
「残しといてや〜」。
「心配すな!」。
(すする音まね)「あ〜うまいなこれ。
うまいうまい」。
(すする音まね)「あ〜。
ええだし出てるがなこれ」。
「ひっぱりな!」。
(笑い声)「今食い始めたとこや。
ひっぱりなおい。
ちゃんと半分残しといたる」。
「ホンマに半分残しといてや」。
「心配すな!ひっぱりなアホ」。
(すする音まね)「うまいなこれ」。
(すする音まね)
(笑い声)「ひっぱりな!そないに引っ張ったらお前だしがこぼれるやないか!見てみ!うどん屋のおっさん顔見てわろてるがな」。
(笑い声)「引っ張らんで待っとれアホ」。
「ひっぱりな!何かいお前そないにこのうどんが食いたいか。
何っ食いたい?食いたけりゃ食え!」。
「く…く…く…食わいでか!」。
(笑い声)
(泣きまね)
(笑い声)「これしかない。
これ…これでしまい」。
(文鳥の泣きまねと客の笑い声)「これ半分?半分これかいな」。
(笑い声)「へえおおきにごっつおさん。
あのな銭が細かいねや。
手ぇで受けてくれるか?ほないくで。
一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ…うどん屋今何時や?」。
「へえ九つでんな」。
「十十一十二十三十四十五十六」。
「へえおおきにありがとさんで」。
「清やん清やんちょ…ちょっと待ってえな。
お前15文しか持ってないいうてちゃんと16文払てたな」。
「お前何にも分かってないやないか。
ええかわしが8文まで払うた時に時を尋ねたやろ。
うどん屋が『九つでおます』と言うたさかいに十十一十二と。
な!」。
「へ?」。
「しゃ〜!」。
(笑い声)「昨夜とちょっとも変わらんようにやって1文ごまかしたんねん。
ハハハハハ!」。
(笑い声)
(すする音まね)「あ〜うまいわ」。
(すする音まね)「ひっぱりな!」。
(笑い声)「こら今食い始めたとこや!そないにひっぱりな!ちゃんと半分残しといたる!ホンマに半分残しといてや!」。
「あんた一体誰としゃべってまんねん?」。
「アハハハハ〜」。
(すする音まね)
(すする音まね)「ひっぱりな〜!」。
(笑い声)「そないに引っ張ったらだしがこぼれるやないかい!見てみ!うどん屋のおっさん顔見てわろてる〜!」。
「わたいわろてまへんで」。
(笑い声)「あんたの隣誰ぞいてまんのんか?」。
「アハハハハ!」。
(すする音まね)「ひっぱりな〜!ひっぱりな〜!何かいそないにこのうどんが食いたいか!何っ食いたい?食いたけりゃ食え!食わいでか〜!」。
「気色悪い人やなこの人」。
(笑い声)「誰ぞ人通らんかいなぁ」。
「アハハハ!」。
「おおきにごっつおはん!あのな銭が細かいねや。
手ぇで受けてくれるか?」。
「へえ」。
「エヘヘヘヘいよいよや。
いよいよや。
楽しなってきたハハハハハハハハ。
一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つうどん屋今何時や?」。
「へえ五つでんな」。
「六つ七つ八つ…」。
(拍手と笑い声)
(藤吉)師匠おおきにありがとうございました!
(てん)ありがとうございました!うどんは温かいうちはええが冷めたらまずい。
寄席も同じや。
いっとき盛り上がったからいうて繁盛する訳やない。
さあここからどうやって味付けしていくかはあんたらの…これやで。
はい肝に銘じておきます。
またいつか辛〜いうどんをつるっとすすりたいけどなぁ。
へえ!そん時は舌がしびれるようなもっと辛い辛いおうどんご用意致します。
ハハハハハハハハハハ。
席主今日は大入り満員でしたね。
ありがとうございます。
文鳥師匠のおかげです。
いやしかし「時うどん」とはびっくりしましたわ。
でも文鳥師匠といえば大ネタを期待してたんですけど。
しっかり笑いをとるところはさすがですね。
はい。
「時うどん」を演じるのは知ってたんですか?
(藤吉)ええまあ。
てんちゃん!楓さん!?あ〜どないしはったん?うち記者になったんや。
へ?職業婦人として働きながら歌人目指してる。
あ…すごいわぁ。
いやあんたらこそすごいわ。
寄席を開いた噂は聞いてたけどホンマにええもん見してもろたわ。
おっきい記事書くさかい毎報新聞楽しみにしててな。
へ?藤吉さんにもよろしゅう。
急いで記事仕上げたいさかいまたな!楓さん?
(キース)「いまだ無名なるも情趣あふるる小演芸場風鳥亭に伝統派大看板の喜楽亭文鳥が出演す!」。
(万丈目)よし!「『時うどん』にて満座の観客をして抱腹絶倒せしめたる快演をなしたり」。
すごいわ〜!
(岩さん)大阪中の話題やで!正夢やで。
ありえへん事が起こったんやで!
(歌子)万歳!
(一同)万歳!万歳!万歳!
(啄子)ほうこれは…。
楓さん一番ええ記事書いてくれはった。
ああありがたいな。
これもみんな栞君が新聞社に声かけてくれたおかげや。
(栞)いやこれはやっぱり文鳥師匠を口説いた席主の君の熱意のおかげさ。
いや…。
ホンマそのとおりです。
それとおてんさんの機転もね。
ああ…へえおおきに。
この記事を読んで居ても立ってもいられない男がいるはずだ。
え?・
(寺ギン)ごめん。
(戸の開閉音)では。
あんたんとこに芸人出したるわ。
(2人)え?伝統派に庶民の味方気取りされたらたまらん。
うちが専属の太夫元なったるで。
(小声で)伊能さんの言うてたんは…。
栞君ここまで読んでたんや。
どないする?おおきに寺ギンさん。
うちら寺ギンさんとこの芸人さんに出てもらいたかったんです。
一日中働いて疲れた人らに難しい事は何も考えんとわろてもらいたいんです。
「芸に上も下もない。
安うてオモロイもんがええ芸や」。
それは俺らも同じ気持ちです。
よっしゃ。
ほなら7分3分や。
はい。
そちらさんの取り分が3分なら文句ありません。
アホ言うな!わしが7分や。
あんたらが3分や。
(2人)え?それ以外は認めん。
ええな!ハハハハハハ!あっいや…。
(亀井)えらいやられましたなぁ。
亀井さん?いや〜そやけどえらい評判や。
わしの見込んだとおりや。
ところで下足番おらんのやろ?わし雇うてくれまっか?え?ええ仕事しまっせ。
ヘヘヘヘヘ!一筋縄ではいかないお笑い商売。
とにもかくにも歩きだしたてんと藤吉でございます。
2017/11/18(土) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 わろてんか(42)「風鳥亭、羽ばたく」[解][字][デ]
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は風鳥亭の命運を文鳥(笹野高史)の特別興行に賭けた。だが文鳥が前座噺(ばなし)の『時うどん』をやると聞いて不満な客が騒ぎ出す。
詳細情報
番組内容
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は風鳥亭の存続をかけ、文鳥(笹野高史)の特別興行を開催した。伊能(高橋一生)の助言で新聞にも取り上げてもらい、風鳥亭にはこれまでで一番大勢の客が押し寄せた。ところが高座に上がった文鳥が前座噺(ばなし)の『時うどん』をやると言うと、文鳥の十八番を期待していた客たちは驚いて騒ぎ出す。だが噺(はなし)が進むにつれ文鳥の巧みな芸に引き込まれ、寄席は爆笑に包まれてゆく。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,大野拓朗,岡本玲,兵動大樹,藤井隆,内場勝則,笹野高史,高橋一生,鈴木京香
原作・脚本
【作】吉田智子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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