犬を飼うということ

いつまでも君と……

すっかり忘れていた過去。それは運命の糸だった ~ハリーがうちの子になったのは~

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撮影&文:ハリーママ

~うちの子がうちにくるまで No.7~

”うちの子がうちにくるまで”とは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイのシリーズです。

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私は幼い頃から犬が大好きで、結婚してからも犬が欲しかったのですが、その頃、主人の叔父のマンションに住んでいて、叔父が生き物を飼うことを禁じていたので、無理と諦めていました。

娘と “犬めぐり” と称して、近所の犬を見て回ったり、よその犬のお散歩をさせてもらったり、ドッグパークに行って、お金を払って、選んだ子を園内散歩させてもらったり、そうやって我慢していました。

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子どもたちが拾ってきて、密かに家族になっていた黒猫のくーちゃんが13歳の春に亡くなり、私は、その夏にハンガリーを旅行したのですが、ハンガリーの教会のマリア様が何でもお願いを聞いて下さるーと言うので、私は迷わず「くーちゃんが帰って来ますように」と、お願いしたのです。

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旅行から帰って二日目、娘とホームセンターに行くと、ペットコーナーに、見たこともない可愛い子がいました。アイリッシュセターと言う犬種はまだ知らなかったので、こんな可愛い子、見たこともない~って思って。

えっ、抱かせてくれるって?

「抱くだけね」
「うちでは飼えないから、抱くだけね」

ふにゃ~として、頼りなさげで、おとなしくて、ペロペロして、天使みたいね~
「でも、うちでは飼うの許してもらえないの。抱くだけね」

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その時、娘が耳元でささやいたんです。
「お母さん、許してもらえるの待っていたら一生飼えないよ。連れて帰ろう」

そうだよね。今思い切らなかったら、一生飼えない。

「連れて帰ろうか?」
「連れて帰ろう!」
「そうだよね」

そうして、家に着いたとたん、天使どころか、赤い悪魔の本領発揮したハリーでした。主人はものすごく怒っていましたね。当時、叔父はもう亡くなっていたので、あくる日から叔母や他の部屋の住人に謝ってまわり、事後承諾を得ました。

だって、猫と違って、犬を密かに飼うことは難しいですしね。とりわけ大型犬のアイリッシュセターは、絶対に不可能。

ハリーの名前は、大好きなハリソンフォードとハンガリーにちなんでつけました。

 

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それから数年後、娘が興奮して一枚の写真を持って部屋から出て来ました。
あの犬めぐりをしていた頃、ドッグパークで、お金を払って(確か、20分2500円くらいだったと)、園内を散歩した時の写真が出てきたというのです。

写真を見て本当に驚きました。

なんと、娘や私が連れているのはアイリッシュセターだったのです。

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すっかり忘れていましたが、私達は数年後にやって来る、とてつもなく落ち着きのない子の予行演習にちゃんとアイリッシュセターを選んでいたのです。

やっぱりただの偶然とは思えません。

ハリーは来るべきしてやってきた、赤い悪魔。
いいえ、マリア様が遣わせてくれた天使です。
この子が私の人生の内の何年かをとてもカラフルにしてくれました。

 

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外から見れば、病気がちの、いつまでたっても落ち着きのない、お留守番もできない手間のかかるワンコだと思われるかもしれません。でもね……

「我が家に、ちょうどおあつらえ向きの子が来たね」
うちでは今もそういって、娘とよく話をします。

他の家に行ったワンコ達も、きっと、その家にちょうど良い子が来てるんだろうな~と思っています。

~うちの子がうちにくるまで No.7~
犬の名前:ハリー
犬種:アイリッシュ・セター(アイリッシュ・セッター)
飼主:ハリーママ

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

――うちの子がうちにくるまで、前話です――

 

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