セキュリティ企業のUpGuardは11月17日、米国防総省による情報収集活動を通じて、個人のSNSなどから収集したと思われる大量のデータが、誰にでもダウンロードできてしまう状態で、クラウドベースのストレージサーバに保存されているのが見つかったと伝えた。
UpGuardによると、今回見つかったデータは、中東とアジア太平洋で米軍の活動を担う米中央軍と太平洋軍によって収集されたものと思われ、Amazon Web Services(AWS)S3のクラウドストレージで、AWSに認証されたユーザーであれば、誰でも閲覧してダウンロードできてしまう状態で2017年9月6日に発見された。
問題のバケットは3つあり、それぞれ「centcom-backup」「centcom-archive」「pacom-archive」というサブドメイン名が付けられて、データレポジトリの重要性が一目で分かる状態だったという。
3つのバケットのうちの1つでは、世界各国のユーザーがさまざまな言語でインターネットに投稿したニュースのコメントや、FacebookなどSNSへの投稿、Webフォーラムへの投稿など、過去8年分の投稿が少なくとも18億件保存されていた。
これらデータの保存に使われていたソフトウェアは、国防総省の請負業者で、今は存在しない「VendorX」という民間企業が開発、運用を行っていたという。
収集内容には、米国のユーザーによる投稿も多数あったことから、「国防総省の米国人に対する監視活動の程度や合法性について、深刻な懸念を生じさせる」とUpGuardは指摘。法を順守している世界中のユーザーのデータを収集する理由や目的もはっきりしないとしている。
UpGuardはこれまでにも、AWSの設定ミスが原因で、米国の有権者情報やVerizonの加入者情報などが、無防備な状態に置かれている問題を相次いで報告していた。
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