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デスマーチからはじまる異世界狂想曲 作者:愛七ひろ
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16-23.陸王討伐戦

 サトゥーです。演出というのは重要です。見せ方一つで、視聴者の印象が大きく変わります。テレビなどで希に見かけますが、自作自演はバレると逆効果なので禁じ手と言えるでしょう。





「マスター、危険が危ないと告げます」

 陸王が大きく開いた口に、光の粒子が集まっている。
 たぶん、あれはブレスの予備動作だ。ヤツが狙うのは王城だろう。

「そうだね。助けに行こう」

 オレは仲間達を連れて、王城と陸王を結ぶライン上にある塔の天辺に移動する。

「ご主人様!」

 転移終了と同時に、リザが焦りをにじませた声で警告する。
 彼女の視線の先では、陸王の中央の頭が今まさにブレスを吐こうとしていた。

 リザが魔槍に魔刃を宿し、いつでも特大の魔刃砲が撃てる状態で待機する。
 ナナも額に魔法陣を光らせ、理術の準備を始めた。

「任せて――」

 オレはさっき砂海から回収した「黄金の剣ヘラルサゥフ」を構える。

 剣単体なら勇者達が持つ神授の聖剣と同じくらいの性能だ。
 聖句は柄に刻まれており、神代語で「ヘラルオン神に栄光あれ」と言うらしい。

 神の栄光なんてどうでも良いが、一応使ってみよう。

『ヘラルオン神に栄光あれ』

 魔力を流して聖句を唱えると、剣の根元にある太陽石が明るく輝いた。
 支援効果があるらしく、反応速度アップや身体能力アップなどが状態欄に付加されていく。

 それはいいのだが――。

>「黄金の剣が生命力を要求しています」

 ――なんていうヤバそうな表示がログに追加され、最後にイエス/ノーの選択肢が出た。

 普通に体力ゲージやスタミナゲージが減るだけならいいのだが、寿命や魂的なモノをドレインされても困る。
 オレは速やかに「ノー」を選び、「黄金の剣ヘラルサゥフ」本来の力を使わない事に決定した。

 ――GWAMWUEEEEEEE。

 陸王の口から暗赤色をした光線状のブレスが放射された。

「秘絶技――《太陽閃剣》」

 剣聖達が使っていた必殺技の名前を叫んで、目コピー版の必殺技を放つ。

 黄金の光刃が剣身から放たれ、陸王のブレスと空中で激突する。
 光刃は激しい閃光と火花をまき散らし、ブレスを縦に両断していき、陸王の額へと届いた。

 だが、ブレスで減衰した光刃では陸王の防御壁を打ち砕き、額に小さな傷を負わせるのがやっとだったようだ。

 太陽閃剣の光刃で裂かれたブレスが、オレ達や王都へと迫る。

「やっぱ、砲弾系の技だと、継続放出する技の迎撃には向いてないかな」

 黄金の剣を正眼に構えるオレの眼前で、ブレスが切り裂かれ無害な粒子となって消えていく。
 これは剣技ではなく、空間魔法の「隔絶壁(デラシネーター)」と「次元斬デイメンジョン・スラッシャー」によるモノだ。

 遠目から見たら、オレが持つ「黄金の剣ヘラルサゥフ」が斬り裂いているように見えるはずだ。

 その目論見が成功した証拠に、城の方や高台に避難する人達から歓声が巻き起こった。
 人々の視線が十分に集まったようなので、ヘラルオン神への信仰を高めるためのパフォーマンスをしよう。

「我が名はペンドラゴン! ヘラルオン神の威光と神授の聖剣『黄金の剣ヘラルサゥフ』を以て古き魔物、陸王を討ち滅ぼさん!」

 拡声スキルと一緒に風魔法を用いて、サニア王国の人々の耳に届ける。
 ついでに、舞台効果を狙って光魔法で剣を黄金色に輝かせてみた。

「「「おぉおおおおおおおおおおおお!」」」
「「「ヘラルオン神! ヘラルオン神! ヘラルオン神!」」」
「「「ペンドラゴン! ペンルラゴン! ペンゴラドン!」」」

 地を揺るがすほどの歓声が、王都に鳴り響く。
 オレの名前を言い間違えている声はけっこうあったが、さすがに神様の名前を間違える者はいないようだ。

 ――GWAMWUEEEEEEE。

 人々の大歓声に反応したわけではないと思うが、陸王が怒りの咆吼を上げた。
 土魔法で襲ってくるのかと思ったが、今のは土魔法による防御支援魔法を自分に使うためのモノだったらしい。

 陸王が瞳に憎悪と怒りを燃やして歩を進める。
 少し間を開けて、ズシンズシンと腹に響く音と振動が伝わってきた。

「上陸~?」
「港がバキバキなのです」

 ナナの後ろに避難していたタマとポチが、港の惨状を見て痛ましそうな顔をする。

 今回は「神の試練」をクリアする事が最優先なので、人的被害はともかく、器物損壊系は放置する事にしている。
 陸王討伐後の素材を原資に復興してもらおう。

「ご主人様、来ます」

 陸王の背中にあるイソギンチャク風の部位から、触手がにゅるりと伸び、弧を描いて上から降ってくる。
 その影が落ちるのはオレ達のいる場所だ。

「あわわ~」
「おうじーざす、なのです」

 迫り来る直径数メートルの触手を見上げて、タマとポチが微妙に嬉しそうな悲鳴を上げた。

「散開!」
「――承知!」

 オレの指示に従って、仲間達がその場から跳び去る。

 数拍の間をおいて、オレ達が立っていた場所に触手が突き刺さった。
 塔を砕いてなお、その勢いは衰えず、そのまま地面を陥没させ、背後にあった塔をも倒壊寸前に傾けてしまう。

 さらに数本の触手が、執拗にオレを狙って降ってくる。

 ――まずい。

 触手の一本の向かう先に、人々が避難した建物があった。
 困った事にオレが走るのとは逆側だ。

「ナナ! 防げ!」
「主命を受託すると告げます」

 ナナがどこかのキリングマシンのようなセリフを呟いて走り出す。
 身体強化と瞬動の組み合わせで若干の余裕を持って到着し、15枚の「自在盾フレキシブル・シールド」と上級術理魔法相当の理術である「自在壁フレキシブル・ウォール」で、触手を受け止めてみせた。

 もっとも、ナナが立つ地面はそこまで頑丈じゃなかったようで、地響きを上げて陥没し、周囲の地面や建物を歪める。

 ナナの秘匿装備に仕込まれた「城塞防御フォートレス」や「不落城キャッスル」の機能があれば、もっと簡単に防げたと思うけど、今回は使用を解禁していない。

 相手はレベル88もあるが、防御系スキルや魔法が豊富なナナなら十分に防げるようだ。

「おおお! すごいぞ!」
「誰だ、あの綺麗な人は」

 ナナが助けた人達が、九死に一生を得たテンションで大声でナナを称賛する。

「今のうちに逃げろと告げます」
「お、おう! わかったぜ!」

 ナナに促されて、建物から這い出した人達が城の方に向かって走っていく。

 引きつけるのは、もう十分だろう。
 オレが逃げる背後にあった高台は、触手に砕かれて悲惨な状態だし、オレの向かう先はもう少し先で途切れている。

「――さて、そろそろ反撃しようかな」

 オレは光魔法で剣を黄金色に輝かせる。

 二本の触手が斜め上方から襲ってきた。

「秘絶技――《太陽閃剣》」

 秘絶技をまねた技は威力が弱いので、黄金色の光刃が届いた瞬間に空間魔法の「次元斬デイメンジョン・スラッシャー」で切断してやる。

 ――ZYBMWUOOOOO。

 陸王の悲鳴が聞こえた。
 あの巨体でも触手を切断されたのは痛いようだ。

 オレは人々に手を振りつつ、太陽閃剣モドキを連発していく。

 オレが陸王の触手を切断するたびに、人々から轟音に負けない歓声が上がった。

 切断された触手が下町に落下して建物を砕き、もうもうと土煙が周囲に満ちていく。
 刺激臭のする陸王の血は強酸らしく、血を浴びた建物が焼けて白い煙を上げる。

 ――GWAMWUEEEEEEE。

 陸王の咆吼が王都の空に響く。
 土煙と白煙をブラインドにして、陸王のヒゲが紅色の輝きを纏ってオレに向かって飛んできた。

「ひげ・すらっしゃー」
「させないよ、なのです!」

 オレに追走していたタマとポチが、楽しげにヒゲを迎撃に向かう。
 ヒゲは二人に任せればいいだろう。

「リザ、行くよ」
「承知!」

 オレは黄金に輝かせた剣でアピールしつつ、リザを引き連れて陸王の頭部を目指して高台の崖から飛び降りた。
 背後で人々の間から悲鳴混じりの歓声が聞こえてくる。

 オレ達はそれを背に受けつつ、王都の建物の屋根伝いに陸王の頭部を目指す。
 移動中にも何度か、オレ達に向かって触手攻撃やブレス攻撃が放たれたが、先と同じ方法で迎撃および排除を行った。
 犠牲になった建物は幾何級数的に増えているので、後で仮設住宅や炊き出しの手配をした方がいいかもしれない。

「わぉおお~?」
「絶叫マシンも顔負けなのです!」

 頭上をタマとポチの声が通り過ぎた。

 ヒゲに掴まったタマとポチが、しゃかしゃかとヒゲを伝って陸王に向かっている。
 二人を引き剥がそうと陸王がすさまじい速度でヒゲを振り回すが、二人にとってはアトラクションと同じ感じらしい。

「楽ちんそうだね」
「そう、でしょうか?」

 オレの言葉にリザが首を傾げる。

 ――GWAMWUEEEEEEE。

 陸王が咆吼と共に触手を向けてきた。
 今回は土魔法によって防御障壁を触手にまとわりつかせて、オレの光刃による迎撃を防ぐつもりらしい。

「リザ、あれを使って陸王の上に行こう」
「承知!」

 地面に突き立つ触手をジャンプで回避し、空中を蹴って触手の上に着地した。

 触手はヒゲより重い分、俊敏じゃないらしい。
 地面に突き立った状態で硬直する触手が動き出す前に、その上をリザと一緒に駆け抜ける。なかなかスリリングだ。

 別の触手や他の首から伸びた髭が襲ってくるが、オレ達の走る速さを見誤っているようで、わざわざ避けるまでもなく後方を虚しく通り過ぎていく。

「リザ、陸王を背中から攻撃してくれ」
「お任せください!」

 リザにそう頼み、オレは触手の途中で飛び降りる。

 ――GWAMWUEEEEEEE。

 陸王の足下から巻き上がった砂が、竜巻のように陸王の頭部を襲ってきた。
 たぶん、オレを排除するための虫除去的な技なのだろう。

 オレは砂竜巻を魔力鎧を展開して防ぐ。

 陸王は頭部を振り回すが、オレは「理力の腕マジック・アーム」で保持しているので問題ない。

 ――ZYBMWUOOOOO。

 陸王の悲鳴が聞こえた。
 背中に到着したリザが、魔刃砲や必殺技で暴れ回っているのだろう。

 苦し紛れなのか、三本ある首がでたらめにブレスを吐き始めた。

 ブレスは砂海を引き裂き、砂海から伸びていた山や小島を消滅させていく。
 気軽に防いでいたが、あのブレスを喰らっていたら、サニア王国の王都はヤバイ事になっていたに違いない。

 オレは陸王の頭部を移動し、額にある宝石状の棺へと向かう。

「ハイファ」

 陸王の首に埋め込まれたハイファに声を掛けてみたが、当然のごとく反応はない。

 万全を期すなら、原始魔法を使うか陸王に吐き出させるのだろうが、ハイファの為にそこまで手間を掛ける気になれない。
 普通に空間魔法で良いだろう。

「――転移、っと」

 オレは空間魔法の禁呪「万物引き寄せ《アポート・エニー・オブジェクト》」を使って、ハイファを宝石棺の奥から取り出す。
 一応、生きているようだが、あまり状態は良くなさそうだ。

 瘴気視を有効にすると、ハイファと陸王の間に呪いのような魔力経路(ライン)が存在しているのが分かった。
 オレは指先に聖刃を生み出して、魔力経路(ライン)を切断してやる。

 後はエリクサーを頭から掛けておけば良いだろう。

 処置を終えたハイファを、他の人達と同様にサニア王国の外縁部へと転移させておく。
 向こうなら、誰か介護してくれる人がいるはずだ。

「ん? あれは?」

 ハイファのいた宝石棺の奥に、太陽石の嵌まった杖が残っている。
 たぶん、ハイファの持っていた杖だろう。

 ハイファと同様に「万物引き寄せ《アポート・エニー・オブジェクト》」で取り出し、ストレージに一時収納しておく。

 ――危機感知。

 杖があった場所の近くにある黄色い石から、暗黄色のオーラが湧き上がり、こちらへと伸びてくる。
 AR表示によると、「魂楔の黄石」というらしい。

 詳細情報を流し読みして、それの正体が分かった。
 ハイファはコレを使って陸王を支配しようと思っていたようだ。

 なんとなく、天罰事件の時に砂糖航路で海王から助けたララキエの王女に施されていた術式と同じような臭いを感じる。
 海王を支配しようとしていた術式は、黄肌魔族が与えたモノだったし、こっちのアイテムも黄肌魔族、あるいはその眷属によってもたらされた可能性が高そうだ。

「危ない品物は消去、消去っと」

 オレは「空間消滅ディスインテグレイト」で「魂楔の黄石」を消去する。

 ――ZYBMWUOOOOO。

 陸王が足下の頭から、大きな悲鳴を上げた。
 ちょっと消去範囲が広かったらしい。

「ちょいや~」
「でやぁああああ、なのです」

 タマとポチが他に二つある陸王の頭上で、必殺技を放っている。
 本来の武器ではないので、ダメージの通りが悪いようだ。

「タマ、ポチ、戻っておいで」
「あいあいさ~」
「らじゃなのです」

 タマが影移動でポチを拾ってからオレの所に戻ってきた。
 相変わらずタマの忍術が便利すぎる。

「秘絶技――《太陽閃剣》」

 オレはそう叫んで、さっきまでよりも派手に黄金の輝きを煌めかせて、陸王の首の一つを「次元斬」で切り落とす。

 ――ZYBMWUOOOOO。

 陸王の悲鳴がやかましい。

「秘絶技――《太陽閃剣》」

 さらに陸王のもう一つの首を切り落とす。

 ――ZYBMWUOOOOO。

 陸王が悲鳴を上げながら、オレを振り払おうと首を振り回す。

「わお~」
「しぇいくなのです」

 タマとポチが楽しそうな悲鳴を上げながら、オレの足に抱きついてくる。
 オレは二人の頭を撫でながら、少し思案する。

 残りは今オレ達が立っている首だけだ。
 これを切り落とすのは簡単だが、「ヘラルオン神の威光をあまねく広める」には、もう少しドラマが欲しい。

「リザ、こっちに引き戻すよ」
『はい、ご主人様』

 オレは空間魔法の「戦術輪話タクティカル・トーク」でリザに話しかけてから、ユニット配置で引き戻す。
 リザ達にこの後の展開を伝えてから、三人をナナ達の近くに空間魔法で転移させる。

 一人残ったオレは、三度目の秘絶技モドキの構えを取る。

「秘絶技――《太陽閃剣》」

 三度目の太陽閃剣モドキは光だけのダミーだ。

 陸王の表面に、光魔法の「幻影」で紫色の光をまとわせ、太陽閃剣ダミーを凌いでみせさせる。
 ついでに上級水魔法の治癒系呪文で、再生しつつある陸王の二つの首を回復させてみた。

 元々、首を再生する能力があったみたいで、ギリシャ神話のヒュドラみたいに、陸王の首が数を増やして生えてきた。

「ちょっとやり過ぎたかな?」

 そう思わなくもないが、目的は達成できたから良しとしよう。
 これで王城や王都の高台で観戦している人達にはピンチに見えるはずだ。

 オレは陸王が首を振るタイミングに合わせて、王都方面へ吹き飛ばされる。
 もちろん、ちゃんと吹き飛ばされたのが分かるように、剣を黄金色に輝かせるのも忘れない。

 ちょっと物理的におかしい軌道だが、それを気にする者は希だと思う。

 砲弾のように建物の一つに激突し、いくつかの建物を倒壊させる。
 魔力鎧を張っていたので怪我どころか服も汚れていないが、演出のために激戦の後のようなメイクと血糊風の塗料を服に塗っておく。

『ご主人様、お怪我はありませんか?』
「ああ、大丈夫だよ」

 繋いだままだった「戦術輪話タクティカル・トーク」で、心配そうにリザが話しかけてきた。
 むしろ、心配なのは手加減をミスして陸王を瞬殺してしまう事だ。

「おっと、油断大敵――」

 上から落ちてきた瓦礫や周囲を満たす土煙を、剣を一振りして吹き払う。
 倒壊した建物の底から近くの建物の屋根に飛び上がると、観戦していた人達から歓声が上がった。

「「「ヘラルオン神! ヘラルオン神!」」」
「「「ペンドラゴン! ペンドラゴン! ペンドラゴン!」」」

 良い感じに観戦している人達の声援がヒートアップしてきた。

「さて、そろそろ止めを刺しても大丈夫かな?」

 太陽閃剣連打でもいいけど、もう少しドラマチックな攻撃がしたい。

 そういえば、「剣の一族」のザンザ少年が「太陽閃剣」の上位版らしき技名を口にしていたっけ。
 たしか――「真・太陽閃剣」ってベタな名前だったはず。

 ついでに剣聖のセリフを拝借しよう。

「ヘラルオン神よ、天よりご照覧あれ!」

 オレは光魔法で自分自身の周りに黄金の輝きを広げていく。
 もちろん、最初の名乗りと同様に、風魔法で中継してある。

「『黄金の剣ヘラルサゥフ』よ! その輝きで邪悪なる魔王の使徒を滅せよ!」

 オレは剣を天に突き上げ、それと同時にオレの身を包む黄金の光を天に伸ばす。
 さらに、天に伸びたシンプルな光柱を、黄金剣と同じ映像へと変化させる。

「「「ヘラルオン神! ヘラルオン神! ヘラルオン神!」」」
「「「ペンドラゴン! ペンドラゴン! ペンドラゴン!」」」

 演出は上手くいったようだ。

 なぜか、陸王も幻影の剣を見て後じさりを始めた。
 案外、はったりだけでも追い返せたのかもしれない。

「秘絶技――《真・太陽閃剣》」

 オレはタイミングを見計らって、恥ずかしいセリフを言いながら剣を振り下ろす。
 幻影の剣が命中するタイミングで、上級空間魔法の「神威次元刀ディバイン・シン・ブレード」を使って、陸王を縦に真っ二つにしてみせる。

「「「おぉおおおおおおおおおおおおお!」」」

 人々の絶叫をBGMに、二つに割れた陸王が砂海に没していく。

「――やったか?」

 ベタなフラグを立ててみたが、特に復活の予兆はない。

 魔王なら、ここから再生して二段階変身くらいしそうだけど、魔王の眷属でしかない陸王にそこまでの再生能力はないようで、素直に砂上のオブジェクトとして死骸を晒していた。

「「「ヘラルオン神! ヘラルオン神! ヘラルオン神!」」」
「「「ペンドラゴン! ペンドラゴン! ペンドラゴン!」」」

 オレは声援に応えるように、黄金の剣を輝かせ続けた。

 さて、これでヘラルオン神のオーダーは満たせたかな?

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※タイトルが変更になります。 「とんでもスキルが本当にとんでもない威力を発揮した件について」→「とんでもスキルで異世界放浪メシ」 異世界召喚に巻き込まれた俺、向//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全390部分)
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  • 最終掲載日:2017/11/14 21:56
聖者無双 ~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~

地球の運命神と異世界ガルダルディアの主神が、ある日、賭け事をした。 運命神は賭けに負け、十の凡庸な魂を見繕い、異世界ガルダルディアの主神へ渡した。 その凡庸な魂//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全362部分)
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  • 最終掲載日:2017/09/06 20:00
レジェンド

東北の田舎町に住んでいた佐伯玲二は夏休み中に事故によりその命を散らす。……だが、気が付くと白い世界に存在しており、目の前には得体の知れない光球が。その光球は異世//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全1555部分)
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  • 最終掲載日:2017/11/19 18:00
Re:ゼロから始める異世界生活

突如、コンビニ帰りに異世界へ召喚されたひきこもり学生の菜月昴。知識も技術も武力もコミュ能力もない、ないない尽くしの凡人が、チートボーナスを与えられることもなく放//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全443部分)
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  • 最終掲載日:2017/06/13 01:00
二度目の人生を異世界で

唐突に現れた神様を名乗る幼女に告げられた一言。 「功刀 蓮弥さん、貴方はお亡くなりになりました!。」 これは、どうも前の人生はきっちり大往生したらしい主人公が、//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全381部分)
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  • 最終掲載日:2017/11/15 12:00