持って行く物は前日キャリーバッグに詰めてあり、準備万端です。
ガスよ〜し、エアコンよ〜し、録画予約よ〜し。




バスは8時半京都駅発。その時は7時だったので、まだ大分余裕がありました。
あとは「営業車取ってくるから」と言って家を出た夫を待つばかりです。
ところが、待てど暮らせど夫は来ない。
「あと10分で着くから待ってて」と電話があったのは、7時50分でした。
と言う事は、8時に迎えに来てくれるのか…。家から駅までは20分あれば着くので、まあまあ大丈夫です。
戸締りをして、早めに外に出て車を待ちました。
やっと彼が来たのは8時10分。
…って、ギリギリ間に合うかどうか…。
向かいに人待ち顔で停まっていたタクシーに乗れば良かった。
「お母さんに渡すお土産買っていたら、遅くなった」と言うのが遅れた理由なのですが、そんな思いつきの為に、こんなギリギリになったワケ〜ッ?
ハラハラドキドキが止まらず、車中の私は無言です。
信号待ちの度に、時計を見ながら絶望的な気分になりました。
あと10分…あと3分…。
そして、あと1分でバスが発車という時間に、漸く京都駅に到着。
私は一縷の望みに賭け、バスターミナル目指して猛ダッシュ!
キャリーバッグが、何と重く感じられた事か…。
しかし、息を切らせてやっとターミナルに到着した時、乗る予定のバスはお尻を向けて遠ざかって行ったのです。
「まぁ〜って〜っ」と叫んでも、その声は届きませんでした。
バスは見えてたんだよ。なのに…。
凄く遅れたなら、これ程悔しくはなかったでしょう。
夫を恨むより、夫を信じた自分を恨みました。
窓口で、払い戻し出来ないか尋ねましたが、無理。4000円が消えたのでした。
しかも、次のバスは6時間後なのです。
ガックリ崩折れそうでしたが、モタモタしているわけにもいかず、今度は駅のチケット売り場へ急ぎました。
運良く15分後の電車があり、それに乗車しました。
鳥取着は12時、乗り遅れたバスとほぼ同じです。ほっ。
電車に乗っている間、何度も夫からの謝罪メールがありました。
「いいよ、気にしないで」と返しましたが、怒りの炎は、そんなメールぐらいで消える訳がありません。
この場合、バス代4000円を損したと思うべきか、それとも電車代7550円を損したと思うべきか。やっぱりバス代だよな。
電車では、そんな事を考えていました。
鳥取駅に着いてから、タクシーに乗らず路線バスで実家へ。
だって、少しでも失った4000円を取り返したいじゃないですか。
実家の山茶花が、そんな私を優しく迎えてくれました。
妹にその事を話すと「私は自分の乗る飛行機を見送ったことがあるわよ。しかも、2回」と言いました。
まだ上があった…。
でも飛行機の場合は、半額返ってきたそうです。
執念深いのかケチなのか、数日たった今でも悔しさはまだ消えていません。
南天の実は赤く色づき…。