人には得手不得手があって、「苦手を克服すること」に精を出せる人もいれば、僕なんかは卑怯者で、「苦手なことは一切やらず、得意なことだけを徹底的にやること」を徹底しています。

たとえば僕はテレビの「ひな壇」が苦手なので、その競争には参加しません。
ひな壇で活躍されている芸人さんを見るたびに、「うわー、スゲー」「なんで、あの一瞬で、あんなことが思いつくの?」の連続。
競う気にもなれません。
同じ理由で「大喜利」も絶対にやりませんし、「コーナーライブ」なんかもやりません。

考えてみれば、やらないことだらけで、つまり、「キングコング西野は芸人として負けている部分が多すぎる」ということか浮き彫りになってきます。

ときどき『ゴッドタン』に出演していますが、あの番組に関しては「得意」というわけではなく、問答無用でスケジュールが押さえられているのです。
奴隷契約。芸能界の闇です。
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僕が言ってしまうと、どうしても身内贔屓みたいに聞こえてしまうのですが、芸人さんが持っているスペックはとんでもなくて、そもそも、どうして芸人さんがそんな能力を手にすることができたのかというと、「笑い声が起こらなかったらアウト」という単純明快ルールのもと、毎日毎分毎秒「ウケた」「スベった」の判断を下され、今、何を求められるかのマーケティングが誰よりもできているからではないでしょうか?

芸人活動そのものが“コミュニケーションのスパルタ教育である”という話です。

マーケティングはつまるところ統計学による『未来予測』です。
それに加えて、『コミュニケーション能力』。
これらは、ほとんどの仕事で必要とされる能力で、考えてみりゃ、「芸人としては売れることができなかったけれど、芸人を辞めて他の仕事に就いたらメチャクチャ上手くいった」という話を、よく耳にします。

もう解散してしまいましたが、僕の後輩で、『ロシアンモンキー』というコンビの川口君という男の子がいました。
テレビにはあまり出ていませんでしたが、ライブシーン…とくにコーナーライブのMCをやらせたらトップクラス。
彼がMCを務めるライブが盛り上がらなかったことを見たことがありません。

そんな彼は今、不動産屋さん。
これが、かなり上手くいっていて、今じゃすっかり大人気営業マンです。
芸人時代よりもファンが多いとの噂で、お笑いライブを開催すれば、今の方がお客さんを呼べるらしいです。

ホームレス小谷君もそう。
芸人としては、10年間鳴かず飛ばずでしたが、ホームレスに転職した途端、大当たり。
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今じゃすっかり、『信用経済』を象徴する革命児です。
芸人時代には2~3人しかお客さんを呼べなかったのに、今年の年末には1500人を集めます。
僕も観に行きます。
芸人としても現役で成功されていますが、たむらけんじサンしかり、シャンプーハットのてつじサンしかり。

もう当たり前になっちゃっていますが、品川さんは映画と漫画でメガヒットを飛ばしています。

ちなみに、僕も絵本作家でチョコっとだけ(嘘です。メチャクチャ)売れました。
2017年は日本一売れました。

そして、説明の必要もない人達がコチラ。
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芸人活動で身に付けたスキルを持って、音楽活動やファッション活動や小説活動にスライドさせた人達です。

当然、その陰で、「芸人を辞めて、別の仕事に就いたものの上手くいかなかった」という者もいるわけですが、しかし成功確率があまりにも高い。高すぎるのです。

毎日毎分毎秒、マーケティングとコミュニケーションを繰り返してきたことが、この結果に繋がっているのだと僕は考えています。

そう考えると「芸人のスキル×○○(職業)」は、まだまだありそうです。
そのとき大切なのは、「芸人はかくあるべし」といった肩書きに縛られないことだと思います。




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