太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

Web 2.0 ノスタルジア

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Web 2.0 ノスタルジア

 ここのところで、改めて「インターネットとは何か?」を考えることが増えた。落ち着いたとはいえ、未だに僕自身の仕事や趣味の中心がそこにあることは間違いないし、必須インフラともなっている。フェイクニュースやアドフラウドなど闇が増えていくのも、それだけの経済規模があることの証左だ。

 2005年頃には「Web 2.0」という言葉も流行った。結局のところで明確な定義はないし、そもそもiPhoneが日本で発売されたのが2008年。Twitterが流行になったのも同じぐらいの時期だから、Web 2.0 にはモバイルウェブの視点が決定的に欠けているのだけど、それでも馬鹿みたいなワクワク感があった。

  • ほとんどのサービス・アプリケーションのプラットフォームはWebとなる
  • 発信・共有のハードルが下がる
  • API公開によるマッシュアップが前提となる

 セマンティックWeb も RSS も衰退したことになっているけれど、特定の範囲に閉じれば Restful API によるシステム間連携は未だに主流だし、RSS も Slack への更新通知や Podcast などに利用されて続けている。

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ウェブは進化したのか

 4年前に敢えて超楽観主義で読み直した『ウェブ進化論』の礼賛は、現実と近くて遠い。

  • 神の視点からの世界理解
  • ネット上に作った人間の分身が金を稼いでくれる新しい経済圏
  • (≒無限大)×(≒ゼロ)=Something

 それぞれビッグデータ・広告/ECサイト・ロングテールが対応するのだけど、個人にとっては狭いデータを集めても何もできないし、人間の分身を作るよりもアルバイトの労働コストのが安いし、(≒ゼロ)は企業に掘り尽くされていくのが実際だろう。個人の力で云々といった話とはほど遠くなってしまった。

Web 3.0 に進むためには

 とはいえ、そもそも個人の力が強くなることが「進化」なのかと問われると答えに窮する。検証のされない健康情報やデマまみれの政治主張が増えただけではないか。当時の Web 3.0 の条件として「世界中の人々の常時接続」が挙げられていたのだけど、むしろ棲み分けの方が大切であり、僕自身のクラスタにおいては、ほぼ常時接続なのではないかとも思われる。

 スマートスピーカーとか、IOTとか、ディープラーニングとか個々のトピックとしては色々とあるのだけど、ここから先の進化ってなんなんだろうなぁ。あの頃はワクワクしてたのだけどなぁってノスタルジーに浸りながらウィスキーを飲む夜。