ジュニアNISAとロールオーバー
ジュニアNISAは年間80万円までを非課税枠で子ども名義の口座で積み立てていくことが可能な制度です。これに関してはセゾン投信さんが分かりやすい図表を作成されていますので、下記に紹介します。
ジュニアNISA|積立投資・つみたてNISA(積立NISA)ならセゾン投信
いくつかの特徴がありますので、まとめます。
- 子ども1人につき、年間80万円まで非課税で積み立てが可能
- 積み立て上限は5年、400万円まで。
- 子どもが18歳になるまで払い出しできない
- 5年目以降はロールオーバーできる
- ロールオーバー上限はなし
このような特徴があります。
80万円で5年間積み立てができる、その後はロールオーバーといって持ち株をそのまま繰り越すという対応になります。以前はロールオーバー時に80万円以上になっていれば、超過分は認められないという説明でした。
しかし、今後は値上がり分も含めてロールオーバーできるということで、非常に安心して積立できる制度になっています。
たとえば、
1年目=80万
2年目=80万
3年目=80万
4年目=80万
5年目=80万
と積み立てていきます。6年目以降は、ロールオーバーになります。このときに、1年目の投資評価額が200万に値上がりしていた場合、ロールオーバー枠は200万ということになります。
もちろん、すべての株式が値上がりするわけではありません。ですから、逆に値下がりしてしまう可能性もあります。ただ、長期で投資してロールオーバー枠が無制限ということになると十分な旨味があると言えるでしょう。
こうしたことを踏まえて、ご質問にお答えしたいと思います。
ジュニアNISAでの学費積立
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お疲れ様でございます。
毎回米国株知識向上のために楽しく拝見させていただいております。
さっそくですがご質問させていただきます。この度息子が誕生しまもなく2歳になりますが、楽天証券にて口座を開設しジュニアNISA積立を利用し息子の学費等の将来の為に資産形成を考えております。私としては、楽天バンガードに投資していこうと考えています。
たぱぞう様的に何か良い御指摘などございましたらよろしくお願いいたします。
ジュニアNISAのリスクについても一応触れておきます
楽天バンガードでのジュニアNISA積み立ては最適解の1つであることは間違いありません。ただ、弊ブログでもさんざん長期投資の良さや、NISAやイデコのメリットを説いてきましたので、今日はあえてリスクについても触れておきたいと思います。
- 資金拘束リスク
- 値下がりリスク
「資金拘束リスク」
まず、リスクとしては18歳まで払い出しができないということです。これは全体だけでなく、一部でも不可能です。つまり、一度ジュニアNISAで始めたらお子さんの年齢が18歳になるまでずっと口座に入れておかなくてはいけないということです。
一種の資金拘束ということになりますから、本当に右肩上がりの可能性の高いものに投資をする必要があります。ただ、災害などに見舞われた場合は、特例的に下ろすことができます。
「値下がりリスク」
ジュニアNISAは多くの場合、学費を想定して積立されるのでしょう。しかし、もし必要とするとき、つまり子どもが18歳になったときに〇〇ショック、つまり暴落が起きてしまうとどうでしょうか。
ややもすると、買い付けした価格よりも値下がりをしている可能性があります。もちろん、0歳児からジュニアNISAの積み立てをしていれば時間を買えますので、リスクは減らせます。
しかし、小学生や中学生から始めた場合はマイナスに転じる可能性も否定できません。マイナスに転じると、通常の一般口座や特定口座と違って損益通算で相殺できないことになります。
ロールオーバーの条件が良くなったジュニアNISA
一応リスクを書いておきましたが、米国株の過去の平均成長率である6.8%が18年達成できたとすると122.4%にもなります。最後の5年目の利回りで88.4%ですから、ざっくり2倍の皮算用ということになります。
400万が2倍で800万になる可能性もあります。800万あれば、私立理系や医薬系を除いてかなりの部分を充足できる計算になります。上がりそうな銘柄を選定しておけば、ロールオーバーは初期投資の枠を尊重してくれますので、かなり使い勝手が良くなったと言えるでしょう。
低金利で運用先の限られる中、間違いなく魅力的な制度のうちの一つということになります。つみたてNISA、通常のNISA、ジュニアNISA、イデコと制度が拡充されつつあります。
これらの制度をうまく使って資産形成をして、計画的に人生設計をしたいですね。
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ジュニアNISAは投資期間が長いので、つみたてNISA同様に長期で値上がりが見込める商品に投資するのが望ましいですね。
長期の投資と言えば、私はVTI、投信なら楽天・全米株式インデックス・ファンドが最適だと思っています。アメリカ市場全体に投資するので、米国の経済成長の恩恵に浴することができるからです。
ただ、投資に絶対はありません。年ごとのばらつきは当然に視野に入れておいたほうが良いでしょう。長期投資というのは短期の値下がりリスクをカバーできる、ノルマの無い個人投資家に有利な方法です。