【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルは、人工知能(AI)で音声に自動応答するスピーカー端末「ホームポッド」の英語圏での発売時期を、当初予定していた2017年12月から18年に延期する。先行するアマゾン・ドット・コムなどに対抗するため高級感を打ち出していたが、消費が盛り上がる年末商戦に間に合わない。後発だったAIスピーカーでさらに出遅れることになる。
アップルは17日、「お客さまに体験してもらう前に、もう少し時間が必要です」との声明を出した。米国、英国、オーストラリアの出荷時期を18年初めに変更するという。延期の理由や、もともと「18年以降」としていた日本や中国などの発売時期については明らかにしていない。
アップルは17年6月に開いた開発者向けイベントで、ホームポッドを発表。部屋の空間をセンサーで検知して最適な音質になるようにしたり、個人情報の保護を強化したりして、先行企業とは異なる独自性を打ち出そうとしていた。価格は349ドル(約3万9千円)を予定する。
音声で操作するAIスピーカーは「ポスト・スマートフォン」の代表格とされる。14年に初代の「エコー」を発売したアマゾンが高シェアを握り、16年に参入したグーグルが追随する構図だ。両社はすでに日本語に対応したスピーカーも発売した。