Amazonのスマートスピーカー、Amazon Echo 3モデルが限定的ではあるが日本のユーザーに届き始めた。筆者は残念ながら購入招待メールリストから漏れ、Echo Dot争奪戦に敗退してしまったが、ITmedia NEWS編集部にはレビュー用のAmazon Echoが届いたのでさっそくセットアップしてみた。試してみたいのはなんといっても「あの言葉」での呼びかけにEchoが応じてくれるかどうか。
現在のスマートスピーカー、音声エージェントは、ウェイクワード(ホットワード)が設定されており、そのキーワードが認識されると、その後に聞き取った言葉を命令として判断する。Clova WAVEなら「Clova」、Google Homeなら「OK Google」、Siriならば「Hey Siri」、Amazon Echoなら「Alexa」。その源流となったのは、スター・トレックというSFドラマだ。
1966年に放映開始された最初のスター・トレック作品「宇宙大作戦」は23世紀の宇宙を舞台に、人間と異星人が混在したクルーを乗せたUSSエンタープライズ号の冒険を描く。続編の24世紀ではクルーが日常的に音声を使ってコンピュータとやりとりをしている様子がたびたび登場し、英語版のSiriにもスター・トレックに関するジョーク的なやりとりが含まれている。
米国版Amazon Echoのウェイクワードは「Alexa」なのだが、それ以外にも使える言葉がある。Amazon、Echo、そしてもう1つがComputer。これが日本版に入るかどうか不安だった。スター・トレックでは「コンピュータ」と音声で呼びかける。これはスター・トレック愛好家としてはとても重要な情報なのである。
スター・トレックの全作品はNetflixで視聴でき、さらに最新作のテレビシリーズ「ディスカバリー」もここで放送中だが、競合するサービスであるAmazon Prime Videoでも視聴可能なスター・トレック映画が1本だけある。映画としては最新作の「スター・トレックBEYOND」だ。
なぜかというと、Amazonのジェフ・ベゾスCEOがスター・トレックの大ファンで、この作品に異星人としてカメオ出演したから(実に似合っている)だと推測できる。そこまでのファンなら、Amazon Echoのウェイクワードに「コンピュータ」が含まれているのも当然だろう。
「呼びかけてみろ」
「コンピュータ、こちらはUSSエンタープライズ。宇宙連邦の調査船だ」
「呼びかけに応じません。武器を装填しています」
「シールド最大、回避パターンガンマなんとかかんとか」
とはならず、ちゃんとEchoが「コンピュータ」という呼びかけに応じてくれるのは素晴らしい。さすがベゾス。
これで思う存分スター・トレックごっこができるようになったのだが、「コンピュータ」という言葉が編集部ではおそらく誤動作が起きまくるだろう。やはり自分のEchoを我が家で使うしかない。
「コンピュータ、Amazon Echo Dotを買って」
「検索したところ、Amazon Echo Dot New Model Blackが一番最初に見つかりました。税込合計は5980円です。すみません。このアカウントでAmazon Echo Dot New Model Blackを注文できません」
「(……)コンピュータ、アールグレイ、ホットで」
「すみません。わたしには分かりません」
「抵抗は無意味か……」
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