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ブレイクから約3年―今だから明かせる「ドン・デ・マカロニ」誕生秘話

佐々木康弘
Written by 佐々木康弘

函館・道南の手軽なお土産品として人気がある「ドン・デ・マカロニ」をご存じでしょうか。2015年1月にGLAYのTERUさんが「とんでもなく美味しい!」とTwitterで紹介し、一躍全国区になったことを覚えている方も多いのでは。

あれから間もなく3年が経過するにあたり、製造元・やごし本舗の村田優(すぐる)代表に、初公開の開発秘話や今だから明かせる「あの日の話」などを語っていただきました。

ドン・デ・マカロニとは

ドン・デ・マカロニは乾燥マカロニで作ったどん菓子(ポン菓子)。マカロニを専用の圧力釜に入れて圧力をかけ、一気に開放すると膨張してサクサクした食感になります。これを北海道産の砂糖とバターで味付けした「シュガーバター」味が基本です。

▼2017年の夏は限定商品としてココナッツ味が発売された
ブレイクから約3年―今だから明かせる「ドン・デ・マカロニ」誕生秘話

まったく売れなかった「すぐるどん」

村田代表がどん菓子製造を始めたのは、事故が原因で約2年間も入院した後のこと。当時は体もあまり動かすことができず、退院後に何をして食べていこうかとあれこれ考えていました。

そんな時にたまたまインターネットで目にしたのが、どん菓子を作る圧力釜の画像。子どもの頃に食べた思い出がよみがえり、どん菓子がどのように作られるのかにとても興味がわきました。どん菓子で地元・知内町の土産品を開発できたらと構想がふくらみ、さっそく圧力釜を購入して昔ながらのどん菓子を作り始めましたが、当初はなかなか売れませんでした。

▼当初はマカロニではなくお米のどん菓子を作っていた(イメージ)
ブレイクから約3年―今だから明かせる「ドン・デ・マカロニ」誕生秘話

自分の名前にちなんだ「すぐるどん」というお米のキャラクターまで考案したものの、なかなか成果は上がりません。応援してくれる人がいる一方、「これで本当に食べていけるのか」と周囲からは心配の目で見られていたといいます。

お米からマカロニへ、ブレイクの兆し

そんななか、村田さんは密かに圧力釜に様々な食材を入れてどうなるか実験を繰り返していました。昆布やジャガイモなど地元の食材も試してみましたが、失敗続き。ところがある時マカロニを入れてみたところ、サクサクとした独特の食感に変わっていたため「これはイケる」と直感。その後、偶然の失敗によりさらに軽快な食感を実現する方法が見つかり、現在の「ドン・デ・マカロニ」が完成しました。

▼様々な食材でどん菓子作りにチャレンジし、マカロニにたどり着いた(イメージ)
ブレイクから約3年―今だから明かせる「ドン・デ・マカロニ」誕生秘話

お米のどん菓子はなかなか売れませんでしたが、ドン・デ・マカロニは一転して地元からの評判も上々。友人などを訪ねる際に地元のお土産として持っていくとの引き合いも多くなり、それを食べた人が「おいしかったからうちの店に置かせてほしい」と連絡をくれるなど、じわじわと広がりを見せ始めました。

筆者について

佐々木康弘

佐々木康弘

札幌市北区新琴似出身。30歳で函館に移住してからふとしたきっかけでライターの道へ進み、旅行情報誌やネット媒体などを中心に年間70万字以上を執筆。道南地域で毎年100本以上のイベントに足を運ぶイベントウオッチャーとしても活動。【Sクラス認定ライター】

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