ロヒンギャ迫害非難決議を採択、国連委 日本は棄権

北米
2017/11/17 4:17
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 【ニューヨーク=高橋里奈】国連総会で人権問題を扱う第3委員会は16日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの迫害を非難する決議を賛成多数で採択した。ミャンマー政府に、ロヒンギャへの組織的な人権侵害を主導した軍事作戦を終わらせ、国連や国際機関の人道支援を行き渡らせるよう求めた。日本は、ミャンマーに配慮して棄権した。

16日、国連総会第3委員会はミャンマーのロヒンギャ迫害を非難する決議を採択した(ニューヨークの国連本部)

 賛成は135カ国で、中国やロシア、シリアなど10カ国が反対。日本を含む26カ国は棄権した。決議案はイスラム協力機構(OIC)が提出し、米英仏なども共同提案国となった。

 ミャンマー代表は採択前に「政治的圧力は受け入れられない」とし、「一貫して反対する」と表明。すでに国際機関と協力していると主張し、「地政学的圧力に懸念を覚える」と反発した。中国代表は「ミャンマー政府は(問題解決に向け)積極的に努力している。国連や国際社会には問題を複雑化するより忍耐が必要だ」と述べ反対した。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によるとロヒンギャ系武装集団と治安部隊の8月25日の衝突以降、隣国バングラデシュに逃れたロヒンギャ難民は12日時点で61万5500人にのぼる。

 国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチは16日に国連本部で記者会見し、ミャンマー西部ラカイン州で治安部隊によるロヒンギャの女性や少女へのレイプが繰り広げられたと発表した。ロヒンギャの村への大規模な攻撃中、ミャンマー治安当局の制服を着た兵士が犯行に及んだという。

 現在もラカイン州への人道支援が当局に制限された状態が続いているとし、国連安全保障理事会は制裁を科すよう訴えた。

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