集中審議で浮き彫り “加計ありき”認可プロセスのデタラメ
元文科省審議官の寺脇研氏(京都造形芸術大教授)は言う。
「特区による獣医学部新設そのものが“加計ありき”で始まり、プロセスを積み上げずに突破したものだから、説明材料となる記録もないということなのでしょう。それにしても、ブザマな国会審議だった。質問に立った自民党の義家前文科副大臣なんか、前川喜平前文科次官への批判に時間を費やしていましたからね。大モメして野党から分捕った質問時間を個人攻撃に使うなんて、ちょっと信じられない感覚です」
■損害賠償なんて論外
一方、認可答申に二の足を踏んだ設置審の背中を押したのは、内閣府の事務方がチラつかせた「加計からの損害賠償訴訟」のようだ。民主党政権時代に田中真紀子元文科相が大学新設の不認可に動いたが、賠償請求が持ち上がって頓挫。しかし、「把握している限り、不認可による損害を請求された事例はありません」(文科省大学設置室)という。