アメリカ食品医薬品局が、今月(2017年11月)13日、「デジタル錠剤」というものを世界で初めて承認しました。
大塚製薬と米プロテウス社が共同開発した抗精神病薬「エビリファイ・マイサイト」。
飲むと興奮が抑えられたり、幻覚が見える症状が治まったりします。
元々あった「エビリファイ」という薬に、デジタルバージョン「マイサイト」という名前がついています。
デジタル錠剤とはなんなのか?
錠剤の中に、約0.5ミリの金属チップセンサーが入っています。
これを飲むと、胃液、特に酸に反応してセンサーが信号を出します。
すると、あらかじめ脇腹に貼った装置がその信号情報を読み取り、スマホなどに転送します。
これで、医師や介護者らは「何時にこの薬を飲んだか」というのを確認することができます。
このセンサーは体内で吸収されることはなく、排泄されるということです。
デジタル錠剤の利点は、
薬の飲み忘れを防ぐことによって、患者の病気の悪化や別の治療を行うということを事前に防げるため、国の膨大な医療費も削減することができるということです。
もう一つの利点は、情報収集にも役立ちます。
薬を飲んだ時の心拍数や呼吸状態など、治療計画に役立つ情報を収集することができる。
その他にも、患者が正常に歩いているのかなど、体のバランスなどもわかるということです。
このデジタル錠剤、残念ながら、今のところ日本では導入の予定はないそうですが、
世界に広まる日は来るのでしょうか。