ロンドン大の学位取得ができるプログラム

「ゼミの武蔵」が実践する日本初の国際教育

高度な語学力と、世界を見渡せる視野を兼ね備えた「グローバル市民」育成を目指す武蔵大学。2015年度から、世界レベルの教育で知られるロンドン大学の国際プログラムが、日本では初めて(※)履修できる「パラレル・ディグリー・プログラム(PDP)」を経済学部に開設した。2017年度には人文学部と社会学部にも新コースを設けた。
(出典:https://apps.londoninternational.ac.uk/onlinesearch/institutions/institutionsCandidate.do

「ゼミの武蔵」はグローバルの武蔵でもあった

世界で勝負できる人材の輩出が教育機関に求められる昨今。2022年に創立百周年を迎える武蔵大学では、創立者で「鉄道王」と呼ばれた実業家・根津嘉一郎(初代)のDNAを受け継ぎ、「自ら調べ自ら考える」「心を開いて対話する」「世界に思いをめぐらし身近な場所で実践する」という3つの目標を掲げている。

2017年に3期目となる、経済学部生を対象にした「ロンドン大学と武蔵大学とのパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)」では、ロンドン大学の国際プログラムを展開。一年次で実施する試験を通過した35名程度を対象に、世界最高水準の学術指導を行う。日本にいながらにしてロンドン大学の学位取得を目指せるのが魅力だ。

そして、2017年度からは、高度な英語力に加えて、異文化理解力を身に付ける「グローバル・スタディーズコース(GSC)」、データから社会現象を分析し、新たな価値を見出す力を養う「グローバル・データサイエンスコース(GDS)」をそれぞれ人文学部、社会学部において新設した。

「PDP」「GSC」は、いずれもほとんどが英語で授業が行われ、「GDS」も英語能力の向上を目指した重点的な授業が行われるため、履修者の多くは毎日予習復習に3時間以上かけているという。ハイレベルな授業ながら学生の向学心を刺激する理由について山㟢学長は「少人数制により指導者の目が行き届くためフォローが手厚いこと、また、高い意識を持った履修者同士が協力して切磋琢磨するため、学問への意欲が衰えないのだと思います」と話す。試験の結果、残念ながらプログラム・コースから外れてしまう学生もいるが、世界標準の教育を標榜するからには、厳しいハードルが必須だ。

武蔵大学 学長
山嵜 哲哉

山㟢学長は手応えについて「先にスタートしているPDPでは年を追うごとに志願者が増加し、なかには最難関校出身者も見受けられます。履修者の成長スピードが速く、本学全体への学習意欲の波及にもつながっていると感じます」と語る。

全学部で環境が整ったグローバル教育の狙いについて、「武蔵大学では、4年間の少人数ゼミで徹底して学生に寄り添うことから『ゼミの武蔵』と高評価を得ており、その強みは『武蔵しごと塾』など実践的なキャリア支援の取り組みにも生きています。伝統であるゼミ教育とグローバル教育との融合により、国内外を問わず広く実社会で活躍する卒業生が増えれば、少人数教育の意義を広く知らしめることができる。それこそが本学の使命だと考えています」と語った。

英語で学ぶ世界レベルの経済経営学

PDP教育センター長
東郷 賢 教授

パラレル・ディグリー・プログラム(PDP)は、経済学部生を対象にした制度だ。PDPでは武蔵大学の授業と並行して、ロンドン大学の国際プログラムを武蔵大学内で履修し、すべての試験に合格すれば両大学の学士号を取得できる。

PDPの教育センター長である東郷賢教授は、ダブルディグリーやジョイントディグリーとの違いについて、「一定期間の海外留学を経て、連携する大学間で学位取得を認め合うのではなく、留学をせずに4年間通して世界の評価基準でロンドン大学のプログラムを受けられるのがメリット」と説明する。

ベースとなる語学力は、1年次の7月までで徹底的に強化する。6~7月には約6週間かけてセブ島での英語研修を行い、ロンドン大学の登録に必要なIELTSスコア5.5以上を取得。そこから、IFP(基礎教育プログラム)の履修がスタートし、IP(国際プログラム)へと毎年の試験を経て進んでいく欧米式のシステムだ。

「プログラムは、世界180カ国以上において5万4000人を超える人が学んでいます。ロンドン大学を構成するカレッジのひとつで、経済学では世界トップレベルであるロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が問題を作り、採点も行います。国籍の分け隔てなくグローバルスタンダードで同等に評価されることは、学生への刺激にもなっているようです」

教員にも高い水準が求められる。研修や模擬授業を通じて、実際にロンドン大学の教員に指導を受ける。PDPには、LSEの大学院を修了した外国人教員もおり、学生達の身近なロールモデルになっている。

卒業後の進路としては、「世界では、同プログラムの修了生がケンブリッジやオックスフォードなどの有名大学院へ進学しています。ロンドン大学の学位は、世界的に評価される強力な武器。本学からも将来的には、そういった海外の名だたる大学院へ進学する学生が現れれば」と意気込みを話す。

学生のモチベーションを維持するためにも東郷教授は「日本の労働市場において英語を使いこなせる人材の重要性や、海外に出て専門職についたらどれくらいの収入があるか、といったことも授業の中で学生に話すようにしています」と語る。PDPにおいて、英語はスコア取得が目的ではなく、あくまで数学や統計学など経済の専門知識を学ぶための必要条件だ。実社会で通用するビジネスにつながる能力を身に付けた学生が、今後どのように活躍していくのか、大いに期待がかかる。

経済学で世界が広がった 将来は大学で教鞭を取りたい

経済学部 経営学科2年
宮坂 光一さん

先生は実際にビジネスパーソンとしてワールドワイドに活躍されてきた方々なので、講義を通して社会や世界への理解が深まります。受け身型の勉強より大学4年間を有意義にしたく、あえて厳しいPDPを履修。テキストも授業もすべてが英語、少人数制で密度の濃いプログラムですが、自身の努力次第で多くの刺激があるので、楽しく勉強にのめりこんでいます。最近では試験対策を兼ねて英語のニュースもチェックしており、国際情勢や時事にも強くなりました。3年次には国際プログラムを学び続けられるシンガポールへの協定留学を目指しています。将来は、尊敬している先生方のように、経済学の知識を生かしてビジネスの分野で活躍し、いつか大学に戻って自分の経験を還元できればと考えています。

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