グーグルは2019年秋、本社を東京都渋谷区に移転する。東京急行電鉄などが主体となって建設を進めている複合施設「渋谷ストリーム(SHIBUYA STREAM)」のオフィスフロア(14~35階)を全フロア借りた上で、現在の本社(東京都港区)に勤務する全従業員を新本社に移す。
グーグルは米Googleの日本法人。2001年にGoogleとしては初めての海外拠点(法人)として東京都渋谷区に設立された。設立時、当時新築したばかりのセルリアンタワーにオフィスを構えた。その後、従業員の増加に合わせてオフィス面積を拡大してきたが、追いつかなくなったことから、2010年に本社を現在の六本木ヒルズ(東京都港区)に移転した。
今回の移転で、グーグルは約9年ぶりに拠点を渋谷区に“戻す”ことになる。
今回の発表に合わせて来日した米Googleのルース・ポラットCFO(親会社の米AlphabetのCFOを兼務)は、「日本は『あって当たり前』な多くのテクノロジーが生まれた場所。渋谷は(日本の首都である)東京のイノベーションの中心地でもある。ベンチャー企業、イノベーター(革新者)、クリエイターや投資家を引きつける磁石のような場所である」と、渋谷への再移転の狙いを語った。
渋谷ストリームの事業主を代表してあいさつに立った東京急行電鉄の野本弘文社長は、「(2010年のグーグル本社移転で)一抹の寂しさを感じつつ、また戻ってきてもらえるようなビルを作ろうと思い、足掛け10年かけて『渋谷ストリーム』ができた。グーグルが戻ってくることで、渋谷という街を世界に発信してもらえる」と、渋谷に“戻ってくる”グーグルに期待を寄せた。
グーグルの新本社は、約1300人いる従業員の「倍以上」の人員を収容できるという。ただし、現時点では「具体的な増員の計画はない」(関係者)という。本社移転に伴う人員計画は今後検討していくことになりそうだ。
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