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スマホ 「ウイルス感染」アプリへ誘導 詐欺的商法指摘も

ウイルス感染の警告を装ったスマートフォンの広告の例。利用者の不安をあおり、アプリのインストールを誘導する=鈴木理之撮影
うその広告をスマホに表示させて収入を得る仕組み

 「あなたの携帯電話は危険なウイルスに感染」--。他人のスマートフォンに突然こんなうその警告画面を表示させ、特定のアプリをインストールするよう誘導する新手の商法が横行している。実はこの画面は警告を装った広告で、アプリのインストール数などに応じて得られる報酬を狙ったもの。アプリの多くは無料で金銭的な被害などは確認されていないが、専門家は「モラルのない詐欺的行為」と批判する。

 この警告画面は、スマホを使用中に本体のバイブレーション(振動)とともに突然、画面全体に表示される。広告表示機能を利用したもので、ウイルス削除をうたって特定のアプリのインストール画面に誘導するが、実際にはスマホはウイルスに感染していない。

 独立行政法人「情報処理推進機構」によると、昨年6月ごろから相談が目立ち始め、現在は月に数十件の報告があるという。誘導先のアプリは無料のものがほとんどで、ウイルス対策など数種類が確認されている。

 広告作成者は、自らの広告を通じてアプリがインストールされれば、その数に応じて仲介業者を通じて報酬が得られる。警告画面を装ってスマホ利用者の不安をあおり、報酬を増やす狙いがあるとみられる。一方、多くの場合、アプリにも広告が掲載されており、インストール数が増えるほどアプリ開発者にも広告収入が入る。

 誘導先の一つとなったファイル圧縮アプリは、11月上旬までに1000万件超のインストールを記録。一時はインストール数のランキングで1位となった。アプリの評価欄には「不安をあおる広告にだまされた」などと非難する声が殺到した。このアプリはすでに削除されている。

 スマホ利用者側に金銭的な被害やデータ流出などは確認されていない。サイバー犯罪を手がける捜査関係者は「広告が出る画面は刻々と変わり、広告を出す人の特定は困難。実害もなく立件は難しい」と明かす。

 情報セキュリティー大手「トレンドマイクロ」の高橋昌也シニアスペシャリストは「脅迫めいた文言で報酬に結びつける行為で悪質。遭遇しても無視してほしい」と注意を呼びかける。【鈴木理之】

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