あなたは、どうしても英単語を覚えられなくて困っていませんか?
また、一度覚えたら忘れない方法をお探しではないでしょうか?
中学3年間で覚える英単語は英検2級程度とも言われています。これは、リスニングや英会話を難なくこなせるレベルです。リーディングも同じで、それくらいの英単語を覚えているのであれば、英語圏内で問題なく暮らせます。
でも、多くの方が“覚えては忘れる”ことの繰り返しで、英単語を覚えることは日本人にとって永遠のテーマだといっても過言ではありません。
よって、ここではそのような繰り返しをすぐに断ち切り、誰でも面白いように英単語が身に付く英単語の覚え方マスター法をご紹介します。
【目次】
1 TOEIC満点者が教える!英単語の覚え方マスター法
2 英単語の覚え方|フラッシュバックを使った日々の実践トレーニング
3 英単語が覚えられない人にありがちな単語の覚え方3つの間違い
4 英単語覚え方のコツ|頭から取り出せる記憶に変わる13のコツ
1 TOEIC満点者が教える!英単語の覚え方マスター法
英単語をマスターするためには、まずは正しい覚え方を知っておくことです。
そのためには、暗記を止めて、長期記憶からいつでも単語を取り出せる状態を作ることです。
1-1 英単語は「線で覚える」と単語の使い方までわかる
単語だけで絶対に覚えず、文として覚えるのが一番効率がいい覚え方です。
単語は”点”であり、その点の集まりである文は”線”となります。
1-1-1 なぜ、英単語を「点」で覚えてはいけないのか?
点だけで覚えるとその単語の使い方が全く分からなくなるからです。
例えば、「Have」という単語を見てみましょう。Haveの意味は辞書では、持っている、所有する、知っている、理解している、しなければならない、経験する、させる、保つ、してもらう、してしまった、詐欺など多くの意味を有するとの説明があります。
“例:haveの使い方”
- I have a business to do. 私にはやる仕事がある。
- I have to go. もう行かなければならない。
- I have him reply. 彼に答えさせる。
- I have been to US before. 過去にアメリカへ行ったことがあります。
上記の例文は全て使い方や意味も全く異なります。
このように、単語の点だけで覚えると、どの場面でどのように使うのかさっぱり分かりません。TOEICでも同様で、いくら単語だけを覚えても、点数UPにつながることは考えにくいのです。
“TOEICの単語も”線”で覚える必要がある”
Myスキでは、決して単語単体で単語を吸収させるようなことはしない!それは、いかに単語単体で覚えることが非効率的なのかを分かっているからだ。TOEIC単語|高確率で出るPart別厳選306個の表現の記事にもあるように、必ず英文として”線”に触れるようにしています。
1-1-2 必ず、英単語は「線」で覚えよう!
日本語にしても、点で覚えた人は誰一人いないはずです。文の中で、新しい表現があればそこで覚えてを繰り返しています。英語でも全く同じで、線全体で覚えるようにしましょう。
1-2 英単語は「映像」で覚えよう
そして、線と一緒に英文を「映像」でとらえることです。線で覚えるのと同時にイメージという刺激を脳に与えることで、忘れない記憶力を作り出すことができます。
1-2-1 脳で「映像」が出ない限り、英単語は使えない
よく、同時通訳者やバイリンガルの人は「英語をしゃべっている時には日本語がまったく出てこない」と言いますが、それは英語を意識的にせよ、無意識的にせよ描写的にとらえているからです。英語をマスターしている人は、英語を聞いている時、日本語はまったく出てきません。
例えば「car」と聞いたら「車」、または「car」というつづりの文字情報は出てきません。そうではなく、車そのものの「イメージ」が頭に浮かぶのです。
しかも、赤いポルシェ、緑のワゴン、小さな黄色い車など、頭の中のイメージもさまざまです。
日本語で「疲れた」をイメージするともっとわかりやすいでしょう。
「疲れで頭が痛い」「肩コリによる疲れ」
「仕事で疲れている」
「ソファーにうたた寝している」
これでわかりましたよね?
要するに、同じ単語でもイメージは人によって異なるということです。そして、これは英語でも同じです。
英単語を文字化すると「car= 車」「tired=疲れた」というように答えが1 つしかありませんが、映像やイメージはたくさん存在します。
これが私の言う「英語を英語でとらえる感覚」です。この自由にイメージする感覚が、英単語をマスターする上でとても重要です。
1-2-2 五感の8割以上が「視覚」で認識する
その理由は脳の3分の1が視覚野だからです。五感の機能する割合は、視覚87%、聴覚7%、触覚3%、嗅覚2%、味覚1%と言われています。
つまり、脳のほとんどは「視覚」で認識していることになります。ということは、英単語は視覚と聴覚をうまく連動させることが重要です。
1-3 落ちこぼれの私が英単語2万5000語を習得した方法
それでは、視覚と聴覚、線を使って実際に私が英単語を習得した方法をご紹介します。
1-3-1 英単語2万5000語を習得できた理由
私は学生時代から落ちこぼれでした。テストでは常に赤点ばかりで学年最下位。偏差値40 以下で机に30分座るのも苦痛でした。そんな私でさえ、今では大量の英語がペラペラと出てきます。
ちなみに、英語検定1 級を取るために必要な単語数は1 万5000 語以上、TOEIC900点を取るためには1万語以上が目安と言われていますが、私は約10年間の海外赴任生活で、たくさんの英語表現を身につけたため、おそらく、私の英単語習得数は2万5000語程度だと思います。文法以外は全てマスターしました。
そして、それを可能にしたのが「フラッシュバック法」という独自の方法です。
1-3-2 英語の語彙力を驚異的に伸ばす「フラッシュバック法」
(1)フラッシュバック法とは
フラッシュバック法とは、英単語や英文を無意識レベルに落とし込み、一度覚えたら、二度と忘れない記憶を作り、会話の状況に応じて再現できるようにするための覚え方です。
例えば、日本語での会話を考えてみてください。普段の何気ない会話では、頭の中に何も単語を準備していないはずです。それでも自然と会話ができています。もちろん、英語の時のように「文字化」しながら対応しませんよね。
これは、しっかりと日本語を忘れない記憶に落とし込まれていて、日本語がフラッシュバック(記憶の中から思い起こされる現象)している感覚なのです。
(2)英語の記憶を再現する覚え方
これは日常の中で誰でも使っている感覚です。
例えば、私は息子の洗濯物をタンスに入れます。しかし、畳んでいる洗濯物だけ見ても、私はいつもピンときません。
どういう事かというと、もの覚えが悪く、「ん、どこだっけ?2段目だっけ?」などと考えてしまうからです。何度繰り返してもそんな感じです。ですが、こんな私でもタンスの前に行くと、「そうそう、パンツは2段目だったな。靴下は3段目で…」というふうに自然に思い出すことができます。
なぜ、私はタンスの前に立つと、自然に思い出せるのでしょうか?それは頭の中で「どこに何が入るのか?」の記憶を再現できるように理解しているからです。だからこそ、その場に行けば条件反射的に思い出せるのです。
英語の語彙力で大切なのはこの感覚なんです。
(3)単に英単語を書き出す能力とは違う
じゃあ、「今すぐ2万5000語の英単語を書き出しなさい」と言われても、私自身も全然出てこないでしょう。100語でも難しいと思います。これは、単に覚えている単語を書き出す能力とは違うからです。
しかしながら、この感覚を応用すれば、「今はわからないけど、目の前に行けばわかる」というタンスの例のように、英語に触れた瞬間に「意味」「発音」「文脈」などが、すべて頭の中によみがえるのです。
要するに、しっかりと長期記憶に落とし込み、いつでも目の前で取り出せる覚え方をすることで、日本語と同じように対応できるようになるということです。そのためにも、脳に何らかの刺激を与えることが大切になってきます。
1-4 英単語の覚え方マスター法|フラッシュバック法の具体例
それでは、実際にフラッシュバック法の具体例や手順をご紹介します。
1-4-1 英文から3つの単語を抜き取る
まずは、下記の例文を見てください。
「I am very tired because I worked too hard.」
(今日は働き過ぎで疲れた)
この例文から「tired」「worked」「hard」の3つの単語を抜き取って、順番に書き出します。
1-4-2 3単語から映像と英文をフラッシュバックさせる
そして、抜き取った3 単語だけを見て、元の英文を「映像」と一緒に復元させます。例えば、抜き取った3単語が「tired」「worked」「hard」の場合、この3 語で英文と映像をフラッシュバックさせます。
おそらく、最初はうまくできないかもしれませんが、その場合は、もう一度英文を確認して「I am very tired because I worked too hard.(今日は働き過ぎで疲れた)」という、自分なりのイメージを脳の中に作ります。
そこで、再度ノートに書き出した3 語を見て、文章をフラッシュバックできるかを試します。
1-4-3 メリットは単語を使う状況が把握できること
この方法が効果的なのは、一度にたくさんの英単語を記憶できるとともに、単語を使う状況が把握できるメリットがある点です。
「tired(疲れた)」という単語は「work too hard(働き過ぎた)」、あるいは「work hard(一生懸命働いた)」という時に使うことが、感覚的に分かります。
海外駐在の日本人に「英単語はしっかり覚えているのに、いざという時に会話では使えない…」というケースが珍しくありません。そうした状況を避けるためにも、フラッシュバックは最適な覚え方になります。
1-4-4 過去の記憶・経験に植え付ける
誰でも過去に何かしら衝撃的なことや、今でも思い出すことを1つや2つ持っているものです。当時の晩御飯のおかずは覚えてなくても、その事柄だけは鮮明にフラッシュバックできます。
もし、英文をイメージ化しても弱いと感じる場合は、自分の過去の記憶や経験にイメージを重ねる癖づけをしてください。
例えば、「She is so happy because today is her birthday.」(彼女は今日誕生日なのでとても幸せです) という英文があったとします。
その場合、毎年の誕生日の中でも、それはもう人生の中でも最もハッピーだった瞬間を映像やイメージで思い浮かべます。例えば、誕生日に好きな人に告白されたとか、プロポーズされたとか、最高にハッピーなはずです。
すでに自分の脳に長期記憶として入っている出来事を取り出しながら、新しく覚える英文や単語と関連させていくことです。それが記憶の定着度を高めます。これは一例ですので、自分自身が主人公になったかのように英文とイメージを結びつけるようにしましょう!
1-5 楽しく英語に触れる覚え方
1-5-1 立体的に面白く考える
英単語の覚え方だけではなく、全ての学習に言えますが、常に勉強するという概念は捨てることです。楽しみながら学習する方が、よりたくさんの事を吸収することができるからです。フラッシュバックさせる英文でも、楽しく触れる工夫を入れることが大切です。
例えば、単語や英文をイメージ化する際も、笑いを入れる、面白い光景や過去の経験に結びつける、ありえないシーンを重ねあわせるなど、脳に効果的に刺激を与えることで立体的な覚え方ができるようになります。
1-5-2 好きな分野から触れていく
例えば、あなたがサッカーに興味があれば、サッカーの英語記事を使って、フラッシュバック法を実践してみることです。
興味のある英語記事は、英字新聞やWebなどで簡単に見つけられます。NHKや読売などであれば、日本語の記事を要約のような形で英語にしてあります。
興味のあるものは、日本語でもある程度の予備知識があるので、英語を読む際にもイメージが湧きやすいので、さほどストレスを感じないはずです。
すぐに「単語力」の改善を始めたい方へ
これまでの義務教育の勉強法というのは、単語を覚えたり、文法を勉強したりと、全てが試験のための勉強です。それを続けていては全くダメです。最初のステップが間違っていて、それらの意識をここで捨てなければなりません。
そこで重要なのが、『プロ直伝の英語のカラクリ』です。
10年間の海外生活で、アジアのバイリンガル達がいとも簡単に英語が話せるのを目の当たりにして、アジアバイリンガルの英語習得の早さと日本人の遅さを解読、研究。私自身、受験英語への疑問、登校拒否といった苦い体験からも、単語の暗記や文法といった従来の堅い学習を180度違う角度から切り込み、短時間であるコツを使って楽しみながら自然な英語上達をサポートします。
「全然違いました」
「単語が会話で出てくる!」
「長期記憶ってこういうことか!」
「3単語で質とスピードが伸びた」
「自分も効果にビックリ」
など、個人差もありますが、日本人の9割が知らない簡単なトレーニングです。不思議な感覚ですが、あるコツで上達度は変化します。是非、興味のある方は試してみてください。
2 英単語の覚え方|フラッシュバックを使った日々の実践トレーニング
それでは、上記の方法を使いながら、英語の語彙力を強化するための日々のトレーニングの仕方をご紹介します。勉強じゃなく、楽しみながらゲーム感覚で触れていきましょう。
まずは、中学や高校で使う英語の参考書か問題集を用意してください。フラッシュバック方式に書き換えて、トレーニングを行います。
※マイスキ英語のプログラムを実践している方は、目的別・レベル別のガイド付フラッシュバック・トレーニング素材を活用してください。その場合、下記のようなノートは作らず、ガイドに従うだけで大丈夫です。
それでは、具体的な手順は以下のとおりです。
2-1 トレーニング1日目|英単語ノートの作り方
(1)例文を書く
英語の参考書、問題集などから例文を抜き出し、ノートの左側に書く。
(2)具体的なイメージを描く
例文の和訳を文字として覚えるのではなく、脳に具体的なイメージを描く。
(3)3単語を抜き出す
例文から単語を3 語を抜き出して、ノートの右側に書く。
2-2 トレーニング2日目|英単語ノートの作り方
(4)翌日に3単語からフラッシュバックさせる
翌日、ノートの右側に書いた3 語だけを見て、文章全体をフラッシュバックさせる。
ノートの左側は隠しておき、フラッシュバックができたら、答え合わせをする。
オススメな英単語帳としては、例えば、
「( )内に入る適切な単語を書きなさい」
「( )内に入る適切な単語を以下の4 つから選びなさい」
といった問題が入っている参考書です(もしなければ、どんなものでも構いません)。
これらの問題を解いている時間はムダなので、あらかじめ答えを見て、文章を完成させてしまいましょう。
(5)自分の過去の体験などに照らして文章をイメージする
さらに、自分の過去の体験などに照らしてイメージします。特に、喜怒哀楽の感情や笑い、ツッコミを入れて脳に刺激を送ります。
例えば、下記のような文章があったとしましょう。
My father is in good shape.
(私の父親は健康です)
まずは、ノートの左側に文章を書き込み、「父親が健康なイメージ」を頭の中に思い浮かべます。自分の父親をリアルに浮かべながら、ツッコミや笑いを入れたくなるような映像を浮かべます。
もしも英語の文章が理解できなければ、日本語訳からイメージしてもかまいません。イメージがしっかりとできたら、次にその文章から「自分が難しいと思う単語」「覚えにくいと思う単語」を3 語ピックアップして、ノートの右側に書き出しましょう。
「動詞」「形容詞」「副詞」「名詞」など、何でも構いません。この作業が終了したら、この日はおしまいにします。
2-3 トレーニング3日目|英単語ノートの作り方
再度、前日に書いたノートの右側の3 語を見返してみて、文章全体をフラッシュバックできるかどうかをやってみましょう。
その単語だけを見て、文章全体をフラッシュバックできればOK です。もし、フラッシュバックさせることができなければ、ノートの左側を見て文章全体を確認し、翌日や1週間後、1カ月後に再度挑戦してみてください。
この時も、英文の映像には笑いや面白い光景を意識しながら感情を入れて楽しみましょう。
2-4 最初は「クセづけ」に特化すること
最初の段階で大切なのは「英語を聞いて即理解できる能力」ではありません。それよりも大切なのは「英語を聞いてイメージするクセ」をつけることです。
なぜなら、このクセがつけば「日本語に訳さなければ英語を理解できない…」という負のスパイラルから徐々に抜け出すことが可能になるからです。
訓練を重ねれば、そのうちに意識しなくても、英語を聞いて単語のイメージ化ができるようになるでしょう。
ぜひ、ここで「日本語を使わずに英単語や英文をイメージ化する感覚」をつかんでください。
2-5 英語表現のシグナルを脳に送り続けよう
このトレーニングで大切なのは「線(かたまり)」として、英語表現を残すシグナルを脳に送り続けることです。
最初のうちは、1 日5 分、2 ~ 3 個のセンテンスでかまいませんが、慣れてくると30 分ほどで20 個くらいのセンテンスを覚えることができるようになります。私が教えてきた人の中に、実際にそういう人がいらっしゃいました。
何度もお伝えしてきましたが、英単語は単体で覚えるよりも、1 つのセンテンスで「かたまり」で覚えることの方が、何倍も単語を一度に吸収することができます。
2-6 さらにフラッシュバックを強化する英単語の覚え方
問題集を使ったトレーニングでフラッシュバックの感覚がつかめてきたら、さらに下記の覚え方で強化しましょう。
もし、まだ余裕がある方は試してみてください。
2-6-1 「同義語」を使って英単語の暗記を脱却する
例えば、下記のような問題が入っている参考書を用意してください。
問 次の下線に最も近い単語を選びなさい。
I almost missed the train.
1. perfectly 2. maybe 3. nearly 4. never
受験英語などによく見られる「同義語」の問題です。この英文を和訳すると、「私はもう少しで電車に乗り遅れるところでした」となり、答えは「3.nearly」になります。
これをフラッシュバックさせる手順は、まず答えの「nearly」だけを抜き出してノートの左側に書きとめます。
そして、ノートの右側には「almost」「nearly」を使った完全な文章、つまり「I almost missed the train.」「I nearly missed the train.」を書き出します。
翌日にノートの左側に書いた「nearly」だけを見て、右側の2 つの完全な文章をフラッシュバックできるかどうか、試してみてください。できなければ、先ほどと同じように、翌日に同じことを繰り返します。
2-6-2 なぜ、「同義語」を使うのか?
それは、あなたに単なる英語の暗記から脱却してもらうためです。これはマイスキ英語プログラムのスピーキングトレーニングでも話していますが、英会話などで複数の表現法を知っていれば、それだけコミュニケーションの幅が何倍にも広がるという効果があります。
1 つの英語表現しかできない場合、それは単なる「暗記」でしかありません。ネイティブに通じるコミュニケーション力をつけるためにも、ぜひ、実践しましょう。
2-7 さらにフラッシュバックを加速させる英単語の覚え方
上記でも少し重複しますが、さらにフラッシュバックを加速させる英単語の覚え方として、脳に何らかの大きな刺激を与えることが大切です。
2-7-1 大きな刺激を働かせることで語彙力は加速する
英語の語彙力は自分の強いエピソードや感情など、普段よりもずっと「強い刺激」が脳にかかれば、記憶の定着度が飛躍的に高まります。例えば、
(1)忘れられない夕日
突然ですが、私は海外で、ある綺麗な夕日を見ました。それが今でも私の脳裏に焼き付いて離れません。それくらい綺麗でした。
ですが一方で、その日のニュースに何が流れていたのか?
そういったことは一切覚えていません。なぜ、その日のニュースは覚えていないのに、何十年たっても、その日の夕日は忘れないのでしょうか?
それは、脳に大きな刺激が働いたからだと思います。刺激の強弱が私の記憶に大きく作用していることは、経験的に間違いありません。あなたにも経験がありませんか?
(2)自分や友人の青春時代の思い出をMIXする
例えば、「はじめて海外旅行に行った時のこと」「異性に勇気を出して告白したけど振られたこと」「親から強烈に怒られビンタされたこと」「部活やスポーツで大活躍したり、大失敗した時のこと」など、今でもフラッシュバックする光景、人の言動などが人それぞれにあるはずです。
これらは決して「覚えるぞ!」と思って、頭に詰め込んだものではありません。しかし、普段受けているものよりもずっと「強い刺激」が脳にかかったことで、記憶の定着度が飛躍的に高まり、こうした記憶は頭の中でスッと思い出せます。この自分にしかない事実を、英語の語彙力のイメージ化に応用することです。
2-7-2 聴覚など五感を使う
(1)意識しながら他の五感も使う
日本人は教科書を使い、文字で英語を勉強することに慣れてしまっていて、聴覚をあまり使いません。つまり、五感をフルに使うチャンスを、自ら潰してしまっています。
これほどもったいないことはありません。視覚と聴覚を一緒に使えば、より多くの刺激を脳に与えることが可能です。
覚えた英単語を効率よくフラッシュバックさせるために、五感(特に聴覚)を効果的にフル活用しましょう。
(2)自分の声を録音した音で聴覚を使う
具体的にはノートに書き出した3単語をIC レコーダーに自分の声で吹き込みます。
音声を聞いて、文章全体とそのイメージをフラッシュバックさせることができればOK です。あなたにも経験があると思いますが、自分自身が発声して直接聞こえている声と、録音した声はまったく別に聞こえます。
実はその新鮮さが、あなたの脳にプラスアルファの刺激を与えてくれます。このトレーニングを続けていくと、音楽を聞くと象徴的なシーンがフラッシュバックされるのと同じように、単語を聞いただけで文章がフラッシュバックされるようになるはずです。
以上のように、英会話やTOEICでも成果を出す単語の覚え方には「コツ」が存在します。もし、色々な覚え方を試しても上達しなかったのであれば、今までの覚え方に「コツ」が入っていないからです。
3 英単語が覚えられない人にありがちな単語の覚え方3つの間違い
今後、英単語の覚え方で間違った方法をやらないためにも、単語が覚えられない人にありがちな間違いを述べておきます。下記のような間違った認識をしていないかをチェックして、改善できる点がないかを洗い直してみて下さい。
これを、あなたの英単語習得に活用すれば、能力やスキルがなくても、使える語彙力に変わっていくと実感して頂けるはずです。
3-1 「単語を覚える=知っている状態」が最終ゴールと勘違いしている
多くの日本人は単語や文法はたくさん知っていてもすぐに使えるような知識になっていません。英語を話しているときに単語がとっさに出てこないですよね。そして、ようやく頭から単語や英文が出てきた時には、もう会話は終わっていたというのが日本人によくありがちパターンです。
この原因の根本にあるのは、英語を「知っている」状態にすることが最終地点という間違ったゴールを設定してしまうからです。
例えば、バタフライの泳ぎ方を知っていても、実際にバタフライで泳げるというわけではありませんね。
つまり、英単語を覚えることに対して、どこを最終ゴールに設定するかによって、覚え方も全く変わるということです。単に知識を入れるだけなら、暗記しても構いません。
ですが、そんな単語の暗記じゃ、とっさに言葉が出るようにはなりません。
「使える」語彙力とは、ある単語を聞いたり見たり、単語を発したり、書くときに、自分の頭の中にある語彙の倉庫から、必要な情報を正確に取り出せるか、そしてどれだけ素早く取り出せるかという両面を兼ね備えたスキルです。
ですから、もう一度、本来の単語習得の目的を再認識しておきましょう。
3-2 和訳や文字化という間違ったプロセスをやっている
私は社会人を中心とした英語塾を開催しています。ですが、多くの参加者が「スペル」→「和訳」というプロセスを経て英語を理解しようとします。これは日本人共通の悪癖とも言えるでしょう。
単語を始め、英語をマスターするためには、英語を聞いた時に、和訳したり文字化するのではなく、無意識にイメージ化(映像化)するまでに能力を高めなければいけません。
もし、英語を和訳したり文字化する癖が取れないという人は、「英語のリスニング力が驚くほど開花する超簡単な勉強法」の記事でも紹介している方法で自動的に消えますので、トライしてみて下さい。
3-3 英単語を覚えられない人ほど「手続き記憶」を使っていない
英単語を覚えられない人ほど短期記憶を活用しています。ですが、単語の覚え方で重要なのは、長期記憶化です。特に手続き記憶を活用しなければいけません。
この手続き記憶とは、自転車の乗り方やパソコンのキーボードのブラインドタッチ、楽器の演奏など一度覚えたら忘れないような記憶のことです。
3-3-1 英単語をアウトプットするまでの記憶の流れについて
では、短期記憶で止まらず、長期記憶化するためにはどうすればいいのでしょうか。
まずは、情報がインプットされたら、脳ではどのように情報処理されて、情報がアウトプットされるのか、その記憶の流れを見てみましょう。
例えば、りんごという情報をインプットしてアウトプットした場合、下記が記憶システムの全体の流れとなります。
(1)インプット情報の形式を頭の中で変換する
まず、「apple」という英単語の情報がインプットされると、「りんご」と文字化して浮かべたり、「アポ―」という音声に変えたり、脳内で処理しやすい形式に変換されて、頭の中に表示されます。
あるいは、すでに頭の中に格納されている単語集から引っ張り出して、単語を意味理解する場合があります。前者は英単語が覚えられない人、後者はネイティブ感覚を持つ人に多いでしょう。
(2)脳内に記憶化・保管
次に、音や文字、映像に変換された情報は脳内に記憶化して保管されます
この間の記憶は大きく3段階に分けられ、視覚や聴覚からの情報を、感覚記憶に一瞬保持します。
その後、短期記憶に進み、さらに一部の情報だけが長期記憶に移行します。そして、それ以外の記憶はそのまま放置しておけば、すぐに意識から消えてしまいます。
このことからも、英単語が覚えられない人というのは、短期記憶から長期記憶に移行できずに、覚えた単語が次々と記憶から消えているわけです。
(3)記憶の倉庫から検索して最適な情報をアウトプットする
最後は、記憶内から最適な情報を検索してアウトプットされます。もちろん、これらの記憶は時間の変化とともに記憶の形を変えていきます。
例えば、エピソード記憶の細かいエピソードは記憶が薄れ、意味記憶を形成します。その他にも、何度も遭遇する知識に関しては、繰り返し出会うことで反復学習になり、意識しなくてもすぐに取り出せる状態に変わり、必要に応じてアウトプットができるようになるということです。
3-4 英単語を長期記憶に落とし込む方法
では、どうすれば英単語を長期記憶に落とし込めるのでしょうか。
3-4-1 長期記憶の種類
簡単に言うと、長期記憶はエピソード記憶、意味記憶、手続き記憶の3つに大きく分けられます。
意味記憶とは、物事の辞書的な意味や一般常識、事実に関する記憶です。例えば、「1+1=2」や「鎌倉幕府は1192年」といった知識です。
エピソード記憶とは、「昨日は恋人と食事した」「先週、出張でロンドンに行った」のような個人的な出来事の記憶です。
手続き記憶とは、物事を実行する手順に関する記憶です。フラッシュバックの説明で述べたような自転車の乗り方や車の運転の仕方、パソコンのブラインドタッチ、楽器の演奏、母国語の会話や文法感覚など意識することなく思考を介さずに再現できる記憶です。
このことからも、英単語は手続き記憶で覚えれば覚えるほど、脳内から別に取り出そうと意識しなくても自然に検索できる、英語が口から出るようになるということです。
4 英単語覚え方のコツ|頭から取り出せる記憶に変わる13のコツ
次は、英単語の覚え方でフラッシュバック・トレーニングを実践していく中での具体的な覚え方のコツやポイントをご紹介します。
覚え方コツ1|覚えた単語はその日のうちに思い出すこと
記憶力がないというのは思い込みにすぎません。記憶は何度も思い出すことによって鍛えることができます。
例えば、記憶力がないと思っている人でも、サッカーの日本代表の選手の名前がスラスラ言えたり、友人とお茶をしながら過去の出来事を延々と喋り続けられる人もいると思います。仕事に関しても、頭の出来や記憶力に関係なく、後輩に事細かく教えている人もいるはずです。
要は、これらの事を再現できている理由は、意識的にも無意識的にも、心の中や身体を使って、何回も繰り返しリハーサルしているからです。
ですから、英単語もその日に覚えた事をその日のうちにリハーサルする。さらに、忘れそうな頃に再度リハーサルします。時間がない人であれば、頭の中でちょっと思い出すことから始めましょう。
覚え方コツ2|英単語を繰り返すタイミングを考える
これは、「TOEIC単語|高確率で出るPart別厳選306個の表現」の記事でも紹介していますが、英単語をしっかり覚えるためには、単語を繰り返し吸収するタイミングが大切です。
「エビングハウスの忘却曲線」によると、一度覚えたことも、20分後には42%、1時間後には56%、翌日には74%忘れてしまい、さらに1ヶ月経つと79%も忘れてしまうという実験結果が出ています。
つまり、忘れそうな頃に、もう一度思い出したり、振り返ることです。一度触れていると、そこまで時間もかからなくなりますし、記憶の定着度が違います。
上記でも述べていますが、まずは1日以内に繰り返すこと。そして、翌日、数日後、1週間後、1か月後など忘れそうな頃に繰り返して長期記憶化することです。
覚え方コツ3|自分の経験・感情を伴う記憶に置き換える
単なる暗記は忘れます。でも、自分が経験した出来事や刺激的な感情を伴うようなエピソード記憶は長く覚えることができます。このように、英単語もエピソード記憶に近い形に置き換えて考えることです。
例えば、淡々と暗記せずに、それぞれの部分にフォーカスしたり、観察することです。これは人に対してもそうですが、部分的な所をよく観察することで、ツッコミが入りやすくなり、その結果として感情が湧き、英単語も五感を活用することにつながります。
覚え方コツ4|語源、背景的な意味、身近な例を考えてみる
大人にとって、無意味な事を暗記することはとても難しいことです。それでも暗記が必要な場合、意味がわかるように解釈し直すことが大切です。
例えば、その単語や英文に関する語源や背景、日常で身近に使われている事例などより自分に近くなるように考えることで頭の中に残りやすくなります。
覚え方コツ5|英単語、英文、映像にインパクトをつける
感情を伴う記憶は覚えやすく、そのためには、英単語を映像や写真と音声、文字などの五感にインパクトをつけて覚えることです。
単語や英文からイメージされる映像を思い浮かべた際に、普通の映像を思い浮かべても中々頭に入りません。そんな時は、自分にとってインパクトが出るような映像を作ってみることです。
例えば、常識的に考えた映像から一歩外して、映像内にあり得ない部分を入れてみると、インパクトが出せます。
他にも、英単語や英文内容やその写真に、好き嫌いの感情を入れていくと、自然とインパクトをつけることができます。好き嫌いという感情で細部までよく観察する癖をつけると細かい変化に気づき、普段の何気ない部分にもインパクトを持って覚えられます。
覚え方コツ6|体を動かしながら覚える
英単語は五感をフル活用しながら覚えると同時に、一緒に身体も動かしながら覚えると記憶の定着度が高まります。
例えば、息子に良い教育を受けさせたいと思っている父の写真と英文
「He wants to give his son a good education.」
(彼は息子によい教育を受けさせたいと思っています。)
があるとしたら、
実際に、学習書を手に取ってジェスチャーしながら英文を声に出してみることです。
インパクトを与える意味では、あえてマンガ本を手に取るといったよい教育とは真逆のモノを持ちながら英文を声に出してみると、感情が伴い、インパクトが出せます。
覚え方コツ7|シチュエーションや状況が同じ場所、環境で覚える
英単語や英文は使うシチュエーションや状況、同じ環境化で覚えると、実際の会話の状況でも、フラッシュバックが起こりやすくなり、頭からアウトプットしやすくなります。
例えば、これを実際に自分がキッチンで料理を作っている際中に、
「He is good at cooking, especially, Italian.」
(彼は、特にイタリア料理が得意です。)
上記の英文を思い浮かべると、五感をフル活用することができて、記憶の定着度がグンと高まります。
もしも、私の夫は料理なんて全然しない、外国人じゃないというツッコミがあれば、あなたがキッチンで料理して、夫がソファでダラダラと寝ている時に、逆に「not」をつけるなどちょっと文章を変えて、英文を思い浮かべればいいわけです。
他にも、家で料理作らず、外食が多いのであれば、イタリアン料理を食べに行った時に英文を思い浮かべる。またはイタリアンではなく、日本食のレストランに行った場合には、「Italian」を「Japanese」に変えればいいだけです。
覚え方コツ8|覚え方の偏りをなくし、五感を組み合わせる
英単語を覚える時に、一定の同じ作業でしか勉強しない人がいます。
例えば、ずっと目だけで覚える、音声だけを使用するなど、覚え方に偏りが出ている方が多いかと思います。そんな方には、目や耳、手・口など違う器官との組み合わせで記憶力は高まります。
覚え方コツ9|好きなジャンルから覚える(好きな部分を探す)
人は夢中になれるものほど記憶への定着度は高くなります。英単語を覚える際にも、好きなジャンルから覚えると吸収しやすくなります。
ただ、そうは言っても好き嫌いに関係なく、英単語は覚えなければいけない人もいるかと思います。その場合は、部分的でも好きになれそうなポイントを探していく事です。枠に囚われず、工夫すれば誰でも探せるはずです。
覚え方コツ10|人に教えるように自分自身に教える
よく人に教えると自身の学習効果が高まると言われますが、英単語を覚えるのに人に教えることは環境的に難しい人もいるかと思います。
その場合は、覚えたことを次々と人に教えるように、自分自身に教えていく事です。
覚え方コツ11|規則正しい生活で6時間以上の睡眠を取る
研究結果では、3時間以下では深い睡眠と浅い睡眠の両方が不足し、作業効率が落ちてしまい、日々の生活に支障が出ると結論づけられています。
睡眠は、浅い眠りと深い眠りを合わせて1サイクル1.5時間で繰り返されます。そのサイクルの最適な時間が午前0時から6時の間に取ること、6時間~8時間の睡眠時間を確保することです。もう経験済みだと思いますが、絶対に一夜漬けのような短期記憶型の勉強は止めましょう。
覚え方コツ12|記憶のタイミングに合わせ、リマインド機能を活用する
仕事でも勉強でもそうですが、エビングハウスの忘却曲線に合わせて、「リマインド機能」を活用すると便利です。
例えば、1回目で単語を覚えた後に1時間後と24時間後にアラームをセットしておくだけで、繰り返しの反復学習ができます。面倒に思えますが、アラームをセットするのにかかる時間は1分以下でできるはずです。
パソコンのoutlookやスマホのアプリなど無料のリマインド機能もたくさんありますので、英単語を覚える時にもぜひ活用してみて下さい。
覚え方コツ13|常に自分の状況や気持ちを英語で表現するように心がける
実は、英語をマスターしようと勉強していたころ、私は今の自分の状況や気持ちを、常に英語で表現するように心がけていました。
例えば、「今、私は電車に乗って、東京に向かっている。車内はとても混こんでいて、あまり居心地がよくない」というのを英語で表現してみます。
もし、その中で「あれ?この場合はなんて言うのかな?」という表現があれば、後で辞書で調べるようにしていました。
ある外資系企業の社長さんの講演会に行ったところ、その社長さんも同じような方法で英語を勉強していたとおっしゃっていました。
日常生活の中で常に英語表現や単語をアウトプットすることです。
まとめ:単なる暗記は無駄になる
今までのやり方や勉強法を変えるのは、とても勇気がいる難しいことです。しかしながら、日本人の中で常識として蔓延している「単語を必死に書きながら暗記する」といった、単語の覚え方は英語を習得する過程で一切効果を発揮していません。
頭に叩き込んだ「単語」「熟語」などが、ほとんど頭の中に残っていない現実を直視してください。こんなに効果が無くても、義務教育で教えられた暗記の方法に安心感を覚えているに過ぎません。自己満足ですね。よって、1日も早く、ここでご紹介した正しい方法を実践していただき、そこが新たな安住の地として根付いてほしいと心より強く願うばかりです。